素早い行動を促す

年度初めは教室からの移動、集合など、集団での行動が多いときです。この時期に素早く行動できるようにしつけることはとても大切なことです。一度いい加減になったものをきちんとするのはとても難しいことだからです。

「早く」「急いで」行動して、と訴えてもなかなかうまくいきません。子どもの基準では素早く行動しているつもりなのに、教師から「遅い」「もっと早く」と注意されると不満に思ったりもします。そこで、子どもたちにわかりやすい目標を提示することがポイントになります。
「30秒で」「3分で」行動しようと指示すれば、どの程度素早く行動すればいいか子どもによくわかります。また、きちんと行動できたとき教師もしっかりとほめることができます。できなかったときでも、あとどのくらいだったかをきちんと示すことができるので、次はどのくらい素早くすればいいかよくわかります。

もう一つのポイントは最初のうちは行動をいくつかのステップに分けることです。
移動の前に廊下に整列する場合です。
「静かに素早く廊下に整列しよう」という指示には、たくさんの要素が入っています。そこで、

「今から廊下に整列するよ。静かに素早く行動しよう」
「まず口を閉じよう。3、2、1、はい」
「30秒で教室から出るよ」
「全員出たね。もう整列始めているね。えらいね。あと10秒で整列しよう」

一つひとつのステップが明確なので、子どもも行動しやすくなります。うまくいかなかったときも、どこがいけなかったか互いによくわかります。次第にステップを減らしていけば「廊下に整列しよう」という指示だけで素早く行動できるようになります。

年度初めは、学級は白紙の状態に戻ります。子どもの気持ちもリフレッシュされています。学級集団づくりの一番のチャンスです。素早い行動を促すことで、規律ある学級づくりのスタートを切ってほしいと思います。
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