考えるための足場をつくる

子どもたちが考える授業をしたいと誰もが思っていることでしょう。しかし、問題を提示して、「考えてごらん」と言えば考えられるわけではありません。子どもが考える授業にはどのようなことが必要なのでしょうか。

大切なことは、考えるためには知識が必要だということです。授業中に考えさせたい問題に対して、どのような知識が必要かまず教師がしっかりと押さえておく必要があります。その上で、子どもたちがその知識を使える状態にあるのかどうかを確認しなければなりません。
既修事項であっても全員が身についているわけではありません。授業の最初に復習したり、整理をすることから始めなければなりません。考えることに時間を使いたいのですから、この時間はできるだけコンパクトにしたいものです。そのために必要な知識を絞り込んでおくことが大切です。
必要な知識が未習であれば、どのようにして身につけさせるかを明確にしておく必要があります。原則、知識は教えるか、調べさせるかのどちらかです。授業の組み立てで、どの程度の時間を割けるかによって判断する必要があります。

教師は、どうすればこの問いに答えられるのか、考えることができるのかを意識していないことがよくあります。考えるにあたって、無意識のうちにいろいろな知識を活用していますが、そのことを意識下から掘り起こす必要があります。そして、この考えるための足場となる知識を子どもたちが利用できるようにすることが大切になります。この足場をつくるという発想を持つようにしてほしいと思います。
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