ほとんどの子が挙手するとき

ほとんどの子は挙手しているが、数人の子が手を挙げていない。そんな場面によく出会います。「わかった人」と確認したときであれば、多くの教師が次に進んでいきます。復習の場面であれば、指名します。このような進め方でよいのでしょうか。少し考えてみたいと思います。

ほとんどの子どもが手を挙げているときは、本当にわかっている場合と周りにつられて手を挙げている場合があります。そのような場合、指名するにしてもちょっと不安な子にするべきでしょう。
わかったかどうかの確認の時も、念のために指名することは大切になります。
しかし、それよりも挙手していない子たちはどのような状態なのか考える必要があります。ほとんどの子が挙手しているのですから、わかっているけど、授業に参加する気がない、かかわりたくないという状態なのでしょうか。それとも本当にわからない、自信がない状態なのでしょうか。

このような時はちょっと時間がもったいないような気がしますが、隣同士や周りの子と確認させるとよいでしょう。挙手をしている子どもはわかっているのでしゃべりたいという気持ちがあります。指名では数人しか発表できないので、挙手した子どもたちにとっても意味のある活動です。
このとき、挙手しなかった子どもの様子をよく観察してください。友だちの説明を聞いて納得できているようであれば大丈夫でしょう。周りとかかわれていないようであれば、全くわかっていないのか、授業に参加する気持ちがないということです。この場合、その場ですぐに対処できることは少ないので、機会をつくって、わかっているかどうか確認したり、声掛けをしたりしてフォローする必要があると思います。

ほとんどの子の手が挙がっているからよいと思うのか、だからこそ手の挙がらない子に注意を向けるのかが、授業の分かれ目になると思います。少数の子のために時間を割きすぎるのは問題があります。だからこそ、大多数の子も少数の子もともに活かすような工夫が教師には求められるのです。
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