教育は誰のため

昨日は中学校の現職教育の講師を務めました。確かな学力をつけるためにどんな授業をするのかをテーマとしてものです。こうすれば確かな学力をつけることができるというような提案ではなく、先生方にたくさん考えてもらうことを主にしました。

自分たちの目の前にいる子はどんな状態なのか、その子たちにどんな働きかけをするのか。そんなことを話題に話し合っていただきました。
その時、あるグループでこんな話題が出ていました。
何のために勉強するのかと聞かれても、自分には関係がないと言う子どもに対して説得力のある答えは難しい。何かに興味を持ち、そのことがきっかけで自ら学ぶようになっていく。それでいいんじゃないのか。学校で習ったことがすべて社会で必要になるわけでない。例えば歴史を知らなくても実生活では困ることはない。

個人の自己実現は教育の大きな目的の一つです。そのために必要な力をつけるという観点で言えば、自分にとって必要かどうかで判断するというのも決して間違いではないと思います。しかし、公的な費用をこれだけ使って教育をする意味はそれだけなのでしょうか。
私たちは社会生活を営んでいます。この社会が健全に発展していくことには非常に重要なことです。そのために必要なことを子どもたちに対して身につけてもらうことは教育のもう一つの目的だと思います。教育は個人のためだけでなく、社会のためでもあるのです。
社会の一員としてどんな力をつけなければいけないのか。自分が社会のためにどんな役に立てるのか。そんな視点も学校には必要なことではないかと思いました。
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