子どもの発表に対する教師の動き

指名した子どもが発表する時の教師の視線や表情、立ち位置などを見ているとおもしろいことに気づきます。子どもの発表に対する教師の動きについて考えてみたいと思います。

多いのは、発表者をしっかり見て発言を聞いている教師です。子どもの言葉をしっかり聞こうという気持ちがあらわれています。この時、教師の表情が変わらないと、自分の考えが間違っているのではないかと不安に思う子もいます。逆に、笑顔でうなずきながら聞いてもらったり、「なるほど」とあいづちをうってもらったりすると安心して話しやすくなります。教師の表情が柔らかいと学級全体の雰囲気も柔らかくなる傾向があります。

これに対して、発表者と正対せずに学級全体を見ようとしている教師もいます。子どもと視線が合うと発表者を見るように促します。子どもたちに発表者の方を向いてしっかり聞いてもらいたいからです。この時、直接発表者を見ていないので、相手を意識していることを伝えるための工夫をしています。手のひらを上に向けて、発表者に向けてさしだしたり、ちゃんと話を聞いているよとうなずいたりしています。膝を折って頭の位置を下げ、子どもたちの視線に入らないようにすることで、発表者に視線が集中するようにしている方もいます。
子どもたちの聞く様子を注意して見ることで、理解度を確認したり、次にだれを指名するかを決めたりできます。

発表者と教師が二人だけの世界にはいってしまうというのは論外にしても、どちらかでなければいけないということはないと思います。大切なのは、発表者と発表を聞く子、どちらも意識して、発表者や学級の状況に応じて工夫をすることです。子どもが発言することに不安を持っているときは、目を合わせる時間を多くして笑顔で励まし、発表後すぐに全体を見回すようにする。子どもたちが発表することに慣れてくれば、聞く姿勢を意識した動きをする。このようなことが大切になると思います。
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