子どもの集中力が切れない授業

学習している内容が理解できないと集中力が落ちてしまうのが通常です。ところが、わからない子どもも集中して参加し続ける授業に出会うことがあります。そのような授業にはどのような共通点があるのでしょうか。

一つは、教師がその時間に子どもたちに身につけてほしいことを必ず全員にできるようにするという姿勢が明確なことです。
子どもたちは誰しもわかりたい、できるようになりたいと思っています。しかし、わからないまま次に進めばそこであきらめてしまいます。今わからなくても、ちゃんと授業に参加していれば必ずわかるはずだという安心感があれば集中力はきれません。説明を聞いてわからなくても、その後の問題練習でわかることもあります。友だちに聞いてみることで、意外とすんなりわかることがあります。子どもの集中力が切れない授業は、子どもが理解するチャンスや場面を何度も用意していることが特徴です。

もう一つの特徴は、子どもが自分はできた、わかったと実感できる場面が1時間の中に用意されていることです。
できなかった問題を教師に説明され、「わかりましたか」の問いかけに「はい」と答えても、なんとなくわかった気にはなりますが、達成感はありません。
例えば、○つけをして、必ず全員に○をつけて終わるようにする。周りの子と確認しあって、友だちから「OK」と言ってもらう。「みんながわかった」ではなく、「あなたがわかった」と伝える、個を意識した評価場面が必要なのです。

このようにして、毎日の授業で必ず達成感を味わうことで、子どもたちは授業そのものに前向きになっていきます。今わからなくても、きちんと授業に参加すれば最後には必ずわかるようになる。子どもたちがこのように信じてくれるようになれば、集中力の切れない授業に自ずとなっていくのです。
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