グループやペアでの相談が止まる理由

子どもたちグループやペアで相談させる場面に出会うことが増えてきました。ところが子どもたちは互いに答えを見せ合ったり、写したりするだけで、そのまま活動が止まっていることがよくあります。どうすればよいのでしょうか。

このような状態になるのは、相談するとはどういうことをすればよいのか明確になっていないことが原因です。どうしてその答えにたどり着いたのかを聞き合う。その考えに対して納得できるのか、疑問はないのかを話し合う。具体的な方法を子どもたちが知らなければうまく進みません。相談の目的は、答えではなく、そこにいたる過程を共有化することだと知ることが必要です。教師は相談という言葉は使うが、その意味をきちんと伝えていないのです。

では、具体的にどのようにして教えればよいのでしょうか。いきなりグループ活動で身に着けさせようとすると無理があります。全体の場面でどのようにすればよいのかを経験させるのです。

「○○さん、どうしてそうなったのか、考えを聞かせてくれる」
「・・・からです」
「なるほど、今○○さんが言ってくれたことわかる。なるほどと思った人」
・・・
「○○さんの意見に質問のある人はいますか。△△さん」
「私は○○さんの説明の・・・がよくわかりません」
「なるほど、△△さんの質問に答えられる人いるかな」
・・・

答えを発表させて、その解説を教師がするのではなく、その理由を子どもたちから聞く。その考えに対する意見を発表させる。自分の意見を変えてもいい。このようにして、グループ活動でやらせたい活動を具体的に経験させておくのです。

グループ活動やペア活動では、その活動の具体的な進め方をきちんと子どもたちが知らないと、ただ発表しあうだけで終わってしまいます。子ども同士のかかわり合いの基本は、全体の場面できちんと身につけさせる必要があるのです。
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