課題意識を持って授業に臨む

昨日は中学校で授業研究と授業アドバイスをおこないました。

今回は授業アドバイスを9人に行いましたが、最後の1人が終わった時は10時近くになっていました。勤務時間を過ぎてまでアドバイスを受けてくださった先生方の熱心さには本当に頭が下がります。
遅くなった原因の一つに、どの先生も子どもとの関係がよいことがあげられます。子どもたちがしっかりと授業に参加しようとしているのです。その結果、教師の働きかけと子どもの活動の関係が明確になり、授業の改善点が具体的にはっきりとします。改善のポイントがたくさん見つかり、どうしても話が長くなってしまったのです。

ある先生は、すべての子どもたちにできたという実感を持たせたいと、全員に○をつけるようにしていました。その結果、以前と比べて子どもたちが授業に積極的になってきたという手ごたえを感じています。しかし、解説の場面等で集中していない子がまだいます。この子たちは、どちらかというとできる子たちでした。このことに気づいていましたが、どうすればよいのか、悩みながら授業に向かっていたそうです。

そこで、できる子たちが参加しない理由を一緒に考えました。
彼らは○をもらっているので、解説を聞かなくてもよいと思っているようです。結果がわかっているので参加しないのです。とはいえ、彼らが興味を示す課題だと、せっかく積極的に参加するようになった学力低位の子どもが離れていってしまいます。扱う問題は変えずに、友だちのやり方を本人に代わって説明するなどの、より高度な課題を工夫をすることにしました。自己完結するのではなく、他の子どもたちとのかかわりをもたせる課題とすることで、できる子も低位の子も参加できる授業に進化させるのです。

他の先生方ともこのような話をたくさんすることができました。
どなたも、それぞれの課題を持って授業に臨まれていました。課題を持っていると、クリアできたかどうか、子どもたちの状況を意識することになります。子どもたちをしっかり見ることで、うまいかない原因も見えてきますし、あらたな課題も見つかります。こうして授業力がついてきているのです。

この学校におじゃまするようになって1年近くがたちました。確実に力をつけてきた先生が何人もいらっしゃいます。授業改善に前向きな先生が増えてきました。
「2月には、4月からの学級経営について相談させてください」という、うれしい一言をくださった先生もいらっしゃいました。
先生方の学ぼうという気持ちに私もたくさんの元気をいただきました。
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