子どもの集中力が続く授業

昨日は中学校で英語の授業研究に参加しました。

子どもが積極的になるにはで紹介した、GDMの授業です。この時間は新たに、"into"と"out of"の使い方を学ぶ場面でした。代表の子どもが、「教室の外に移動して廊下の窓に貼ってあった絵をはずして教室に戻ってくる」というシチュエーションを英語で表現します。
子どもたちは自信がないのかなかなか全員がしっかりと大きな声で言えません。先生は正しく言えている子どもにうなずきながら、何度も挑戦させます。通常このような状態が続くとあきらめる子どもが出てきて、集中力が落ちてきます。ところが、なかなか理解できない子どもも、真剣に友だちの声を聞きながら理解しようとしています。結局この時間の最後まで子どもたちの集中はきれませんでした。

子どもたちの集中が続いた理由の一つは、同じことを何度も繰り返しているということです。この場面で言えば、何度も表現させた後、代表で演じる子どもを変え、内容の変化は絵の種類を変えるなどわずかにとどめ、また挑戦させています。何回も繰り返すうちに、どこかで理解できる瞬間があるのです。子どもたちはそのことを経験的に知っているので頑張り続けることができるのです。わかりたいという気持ちが満たされる瞬間を知っているから集中力が続くのです。

1回やってすぐに先生が正解を言って、それをただ繰り返す。これでは、子どもは答えがわかっただけできちんと理解できたわけではありません。わからない子はわからないまま授業は進んでいきます。すぐに集中力は切れてしまいます。

このことは英語に限ったことではありません。子どもたちがわかる瞬間を保証することが、子どもたちのやる気と集中力を生み出すのです。安直に答えを教え込むのではなく、子どもたちの中から「わかった」が生まれてくるような工夫が大切だということをあらためて確認できました。
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28