子どもが積極的になるには

先週、学校訪問の研究授業と学校公開日の2回訪問した学校でのことです。

子どもの積極的な姿をいくつかの授業で見ることができました。

英語の授業でのことです。

教師がペンを子どもに渡す動作を見せて、子どもがその動作を英語で全員が説明する場面です。ペンを渡そうとする様子を見せて未来形、動作をしながら現在進行形、動作終えた後は過去形を使うのです。この間日本語は一切使いません。大人でも真剣に考えないと難しいのですが、子どもは集中して取り組んでいます。子どもが分からなくても、先生は絶対に正解を言いません。何回か先生が動作をするうちに分かった子ども声に出します。すぐに全員が大きな声で答えを言います。とても積極的な態度です。

先生やCDの後について全員が英語を話す場面では、これはほど積極的な姿は見られません。何が違うのでしょうか?

積極的になるには、興味・関心が大切だとよく言われます。また、興味・関心を維持するためには、分かること、できることが大切です。この例では、これにつけ加えて達成感の大きさが大きな要素となっているように思います。
同じ分かる、できるにしても、言われたことをそのままやるのと、一生懸命考えてクリアするのとでは達成感がまるで違います。分かった喜びの大きさの違いといってもよいでしょう。本当に真剣に考えて分かったので、そのあとの発声がとても大きなものになったのです。

子どもたちの積極性を引き出すには課題設定が大切です。子どもたちが一生懸命頑張ってちょうどクリアできるような課題設定はとても難しいのです。また、この課題を個別に取り組ませても、クリアできない子がたくさんになって、積極的になるどころかやる気をなくしてしまいます。
この例のもう一つのポイントは全員で取り組むことです。誰かが発声することで、それがヒントになります。仲間の声を聞くことで答えが分かってきます。友だちの声に支えられて自信を持って答えます。しかも、先生が正解と言わないので、自分たちでクリアした気持ちなります。

個別的な学習では、子どもを積極的にするにはスモールステップを意識しないと全員がクリアできません。学級全体やグループをうまく使って難しい課題にチャレンジすることも、子どもたちの積極性を引き出すにはとても有効な方法になることを再認識させられました。

参考:今回は紹介した英語の授業はGDMという授業法によるものです。

英語教授法研究会ホームページ

映像による紹介
School55.net映像コラム
「指導と評価のワンポイントアドバイス」
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