公開授業で学校の課題を考える

研究指定を受けている中学校の公開授業を参観する機会がありました。仕事の関係で午前中の2時間だけの参観でしたが、いろいろと考えることがありました。

たくさんの授業が公開されていたので一つひとつの授業を見る時間は少なかったのですが、いくつかの課題が共通として見られました。
まず、基本的に挙手による一問一答で授業が進んで行きます。子どもから言葉を出させよとしている方もいるのですが、挙手する子どもが少なくてもすぐに指名してしまいます。

子どもから正解が出るとすぐに授業者が説明してしまいます。わからなかった子どもができるようになる場面が意識されていないように思いました。質問の答や解き方が重視されていて、根拠やそれを見つける過程を共有する場面があまり見られませんでした。
子ども同士の考えをつなぐ場面が少ないせいか、子どもたちをかかわらせようとしても、なかなかかかわろうとしていない子どもが目につきました。

子どもに対する指示が徹底されていません。きちんと全員が指示に従うまで待てない方が多いように思いました。子どもを認めたりほめたりする場面もあるのですが、その逆に注意をする場面も多く目にしました。「聞きなさい」と注意をしたくなる気持ちはわかりますが、子どもの活動場面をうまくつくって自然に参加できるような場面をつくりたいところです。

ICTを積極的に使おうという姿勢が随所に見られるのですが、使い慣れていないように感じます。せっかくスクリーンに拡大して映していても、授業者がスクリーンに向かって話しているといった場面に出会います。この市ではICTの環境もよく整備されていて、有効活用の例も共有されているのですが、利用のポイントや活かし方がきちんと理解されていないようです。活用の意味を考え、形式的でない利用から脱却してほしいと思います。

いろいろと書きましたが、一番の問題として感じたことは、学校としてどこに向かおうとしているのかが先生方の授業からわからなかったことです。方向性がまだ手探りの状態なのか、どのように具体化していったらよいのかがまだ明確でないのかはよくわかりませんが、先生方が授業で共通して大切にしたいことをしっかり意識することができていないのは大きな課題だと思います。
次に訪問する機会には、この点に変化があることを期待します。
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