やっぱり教師は授業が好き

昨日は中学校の現職教育で模擬授業をコーディネートしてきました。

この学校では模擬授業は初の試みです。先生方も、授業者もどうなるかとやや緊張気味でした。
中学校ですので、参加される先生の教科はばらばらです。教科の特性に影響されやすい、授業の流れより、個々の場面で起こったこととその対応を一緒に考えてもらうことを中心にしました。日ごろ手を焼いている生徒がいるのでしょう、問題のある生徒役の先生はとてもリアルに演じてくれます。思わずこんなシーンあるあるとうなずいていました。

机間指導は何をすればよいのか
友だちの発言を聞けていなかった理由はなぜなのか
指名されていない生徒が答えをつぶやきやき教師の気を引こうとしているときどう対応するのか
教師の発問意図がなぜ子どもに伝わらないのか
グループ活動のあと子どもの発言を引き出すためにどう問いかけるか
・・・

模擬授業から気づいたたくさんの疑問や問題を先生方と考えることができました。

最初かたかった先生方の表情もほぐれ、若手は子どもの立場に立った素直な感想を、中堅は生徒役で迫真の演技を、ベテランはこの問題の原因はここにあるのではないかとさすがの指摘を、授業者の先生は自分の行動や発問の意図を、それぞれの立場や経験に応じた活躍を見せてくださいました。模擬授業を通じて先生方がつながっていくのを感じました。たくさんの笑顔と真剣な表情に、先生は授業が好きなんだとあらためて実感しました。私自身もたくさんのことを学ばせていただいたとても楽しい時間でした。

継続すること

昨日は、授業力アップのセミナーにオブザーバーとして参加しました。このセミナーは先生のグループが自主的に開催しているもので、市教委などの後援はあっても基本的には手弁当の会です。
今年で8年目になりますが、参加者、スタッフの熱気あふれる大変よいセミナーです。新任の参加者が多いのですが、自腹を切ってこのような研修に参加するということは、この市の新任研修が受講者にとって有意義なものであることの証だと思います。(研修嫌いの若手が多い市町も結構たくさんあります)

このセミナーのスタッフには、毎年若手が参加していますが、何年か前に受講者の中に見た顔がスタッフとして成長した姿を見せてくれることはうれしい驚きです。しかも、裏方だけではなく、グループでの実習のリーダーとして進行から受講生へのコメントまでをこなしています。この会のリーダーの先生方がいかに若い先生をフォローし育てているかがよくわかります。

今回は、特に若手がリーダーをしているグループを中心に参観しました。若さあふれる、決して上から目線ではない、参加者とともに学ぶ姿勢が印象的でした。スタッフとして活躍することで、彼らもより多くのことを学んだことと思います。
先日授業参観した若手教師もスタッフとし参加していましたが、緊張している受講者を持ち前の笑顔でほぐしながら、見事に進めていました。この先生の学級がよい状態であった理由がよくわかりました。

余談ですが、雑談の中で、先日の私のアドバイスをすぐに実行して、子どもの変化を手ごたえとして感じ始めているとのことでした。素直に他人の言葉を受け止める姿勢が素晴らしいと思いました。次にお会いする時はより成長した姿を見せてくれることでしょう。

また、毎年新しいことにチャレンジしていることもこのセミナーの特徴です。評価の高さに安住することなく、より高いものを目指すからこそこれだけ会を重ねることができたのだと思います。当然参観する私もたくさんのことを学ぶことができます。このセミナーに欠かさず参加するようにしている所以です。

毎年同じことの繰り返しでは、その先に待つのは穏やかな死です。新しい血を取り入れながら、常により高いところを目指さなければ継続していきません。このことをあらためて教えていただいた一日でした。
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