算数・数学で大切にしたい問いかけ

算数・数学では数や図形のいろいろな性質を考え、見つけます。その時に大切にしてほしい問いかけが、「いつも」「どれでも」「たまたま」「・・・だけ」「他にはない」「これで全部」などです。

子どもが見つけた性質がたまたまなのか、常に成り立つことなのかは大きな違いがあります。いつも成り立つこと共通なことを見つけることが算数・数学では大切です。そのことを意識させる問いかけが、「いつも」「どれでも」「たまたま」です。

「平行四辺形でどんなことに気づいた」
「向かい合う角が等しい」
「それっていつも言える?」
・・・

「連続した数を2乗したとき、1つとばしの差はどうなる」
「8の倍数だ」
「どれでも成り立つ?」
「ダメだ」
「じゃあ、たまたま?」
・・・
「奇数のときは8の倍数になる」
「いつでも言える?」
・・・

たまたま成り立つような時でも、そこからうまい条件を見つけることができれば、いつも成り立つ性質を見つけたことになります。

逆に同じことが他でも言えるのか、他に成り立つものがあるかも大切なことです。そのことを意識させる問いかけが、「・・・だけ」「他にはない」「これで全部」です。

「四角形をどうやって分けた」
「対角線の長さで分けた」
「それってどういうこと」
「対角線の長さが同じものは正方形と長方形で、他のは違う」
「なるほど、対角線の長さが同じもので分けたんだ。対角線の長さが同じものはこれで全部?」
・・・
「あっ、あった」

この例のような、対角線の長さに注目する視点はとてもよいものです。しかし、正方形や長方形、平行四辺形などの辺に注目した分類とは整合性が取れません。こういったことに気づかせる問いかけです。

数学的には「いつも」は十分条件を、「他にない」は必要条件を意識させる問いかけです。いつも成り立ち、その他に成り立つものがなければ、必要十分条件、同値であるということです。

ふだんの授業で常にこのような問いかけがされていることで、子どもたちは自分自身で問いかけるようになり、数学的な視点が身につきます。意識してこれらの問いかけをするようにしてほしいと思います。
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