保護者会に「行けないのではなく、行きません」

先週、今週は保護者会を開いている学校が多いと思います。保護者会に関連して、こんな話を耳にしました。

この日保護者会(個人懇談)に母親が出席予定の生徒が、「母親が来ないかもしれない」と曖昧なことを言ったそうです。どういうことか尋ねても「いろいろあって」と言うだけで、なかなか答えようとしはしません。ようやく聞き出したところ、どうやら成績のことなどでけんかになったようです。勝手にしなさい。親は知らない。そういうことなのでしょう。しかし、本当に来ないのかどうかは生徒にもわからないようです。そうは言っても来てくれるかもしれないと思っていたのかもしれません。結果は、親からの連絡なしのドタキャンです。子どもを通じて連絡したから問題ないと思っているのかもしれません。担任が連絡を取ったところ、「行けないのではなく、行きません」という返事でした。
もう一人出席されない方がいるので、夏休みにでも都合のよい日を設定しようと電話したところ、「行けないのではなく、行きません」という全く同じ返事でした。子どもが勉強を頑張るという約束を破ったから、もう知らない。本人が好きにすればいいというわけです。よく似た話です。同じ言葉を1日に2度も聞くとはと、担任は苦笑していました。

これはいったいどういうことなのでしょうか。親の気持ちもわからなくはありませんが、それは家庭内のことです。子どものことなど知らないと言っても、保護者としての責任が無くなるわけではありません。また、社会人として、保護者会に出席すると担任と一度は約束したのですから、そんな簡単に反故にしてよいものとも思えません。何か変です。そもそも、親の思い通りにならないのが子育てです。だからこそ、子どもに寄り添い、見守ることが大切です。学校とも協力することが必要となるのです。それを、本人と学校に任せるというのは、自分勝手な責任放棄です。子どもは、喧嘩はしても、内心は自分のために保護者会に出席してくれることを願っているかもしれません。これも新手のネグレクトなのかもしれません。しかし、本人は自分の行動をいたって正当なものと思っているのです。子どもが家庭内で自分の居場所を失くしてしまわないか心配です。

モンスターペアレントが話題になりましたが、この種のネグレクトもこれから増えてくるのでしょうか。子どもたちを取り巻く環境は、以前とは変わってきているように感じます。本来家庭が担うべきことを果たせていないと思うことが増えてきています。解決策は簡単に思い浮かびませんが、学校が何らかの肩代わりを迫られるのは間違いないでしょう。学校と教師がその負担に耐えきれなくなることがないように祈るばかりです。
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