うれしい驚き

昨日は授業研修の講師を務めました。市内の小中学校から集まった16名の先生方との授業研究です。今回は代表者が研究授業をおこない、それを全員で参観して協議するという形式でした。

授業は中学3年生の社会科でした。教師と子どもたちの関係がとてもよく、明るい学級でした。授業を見ていてその理由がよくわかりました。子どもたちに対する教師の否定的な言葉が少ないのです。できるだけポジティブに評価しようとしています。
今回の授業はグループを使っての話し合いが中心でした。子どもたちは元気に話し合っていますが、自分の答や意見の主張が目立ちました。少数意見をしっかり聞こうとするグループもありましたが、多数決をとって終わるグループもありました。実は、学級活動や道徳ではグループをよく取り入れているが、社会科の授業では今回が初めてということでした。今回の研修をきっかけに、子どもたちのグループ活動の質が上がっていくことと思います。
また、グループではよく発言している子どもも全体ではなかなか発言しようとはしませんでした。子どもたちは正解を発言することを求められていると感じているようです。結論を聞くのではなく、出た意見を聞くようにすると変わっていくと思います。

驚いたのは、参加者による、授業後の4人グループでの話し合いです。どの先生も実によく子どもを見ていました。各グループでの話し合いの様子、子どもが課題に取り組むときの戸惑いなど、細かなことも見逃していません。子どもの事実をもとにした足が地についた話し合いでした。

参加できない生徒がいたのは、6人とグループの人数が多かったから。それなら司会者をつくるか、4人くらいに減らしたらよいのでは。
対決的な話し合いになっていたのは、グループの結論を求めていたから。グループで一つにまとめることにこだわらない方がよいのでは。
考えを書くという指示であったが、子どもはどうすればよいかわからず戸惑っていた。2回目は経験しているので、すぐに取りかかっていた。例を挙げて具体的に伝えるべきだったのでは?
・・・

充実した話し合いでした。皆さんの意見に私がつけ足すことはほとんどありませんでした。子ども同士のつなぎ方、結果ではなく過程や根拠を問うことについて少し話させていただきました。

この年3回の研修を始めて5年目になります。参加者は毎年入れ替わりますが、年々話し合いのレベルが上がっていると感じます。子どもを中心に見て、少人数で話し合う形の授業研究が、この研修会を通じて市内のほとんどの学校に広がったという話をうかがいました。みなさん、自分の学校で質の高い授業研究をおこなっているに違いありません。だからこそ、ここでの話し合いがとても素晴らしいものになったのだと思います。
グループごとにまとめ方も工夫していました。きっと、お互いの学校の工夫を伝えあっているのでしょう。この研修会が市内の学校の学び合いのきっかけになっていることを大変うれしく思いました。

先生方のレベルアップに負けないように私もレベルアップしなければと気持ちを新たにしました。よい刺激をいただきました。

言語活動について講演

昨日は中学校で言語活動についてお話をしてきました。30度を超す暑さの中、はたして集中して聞いていただけるのだろうかと内心ドキドキしていたのですが、とても熱心に聞いていただけて、気持ちよくお話しさせていただきました。

子どもたちが内田樹のいうところの消費者的な行動をとる、効率的に結果を得ようとする傾向が強いと感じる学校です。説明を集中して聞いていなくても、板書は素早くノートに写すそんな子どもたちです。

この傾向を変えるためには、正解をすぐに提示して説明するのではなく、その過程を子どもたちに問うことが大切です。

「それってどういうこと」
「どこでわかった」
「○○さんの考えを説明して」

このような言葉をうまく使うことをお願いしました。

言語活動を充実するために、まず、子どもたちが安心して発言できる、発言することがうれしいと思えるようにすることを意識してもらいました。

そのために、

聞くことを大切にする。
子どもの発言をポジティブに評価する。
たとえ間違いでも否定しない。
発言に正解を求めない
発言できなくても、まわりに助けてもらって発言できるようにする。
指名されたら、必ず最後は何か発言をして、ほめられて終わるようにする。
わからない子どもで発言できる問いかけをする。

このようなことをお伝えしました。

互いにしっかりと聞きあうこと、自分の発言が否定されないこと。ここからのスタートです。このことができれば、課題や活動の内容を工夫すれば驚くほど子どもは積極的に活動します。
とても熱心な先生ばかりです。きっとそのための1歩を踏み出してくれることと思います。

学校公開日で授業アドバイス

先週末は中学校の学校公開日で、授業アドバイスをおこなってきました。

おじゃまするようになって3年目の学校です。子ども同士の学び合いを大切にした授業に取り組んでいます。子どもたちは落ち着いて、学習に積極的に参加しています。先生方の取り組みの成果が子どもたちの様子に表れています。
しかし、どんな課題や活動でも集中して取り組んでくれるので、子どもたちにどのような学びがあったのかをきちんとチェックしていないと、活動はあるが学びのない授業になってしまう可能性もあります。今まで以上に授業の質が問われるようになってきたのです。

また、公立学校の常ですが、新転任で今年から勤務された先生がこの学校のスタイルにまだなじめずにいるようでした。
グループ活動を取り入れたり、形の上では学び合いの場面を作るろうとしています。しかし、グループ活動を取り入れることの意味やねらいがよくわかっていないため、「なぜここで?」「なぜこの課題?」という場面が多いのです。本を読んだり、オリエンテーションを受けただけで理解し、自分のものにするのはとても難しいことです。具体的な場面から学んでいくことが一番の方法だと思います。学校のスタイルが固まれば固まるほど、授業研究を継続しておこなうなど、互いに学び合う機会をたくさん作ることが大切になってきます。

校長は、日ごろから授業の様子をよく見ておられるのでしょう。現状の課題をしっかり把握しておられました。校長の考える課題をしっかり伝えていただくことで、私もアドバイスがとてもしやすくなります。校長も意識していろいろとしかけられることでしょうから、学校にいろいろな変化が起きることと思います。今後の訪問がとても楽しみになりました。

声にならない声を聞く

昨日は中学校で授業アドバイスをおこなってきました。

この日は、特定の学級を中心に授業を見ました。授業者、教科によって子どもたちの見せる姿がかなり違っていました。学級全体もそうですが、同じ生徒でも、集中する、積極的に参加する場面と、集中力をなくす、やる気をなくす場面の差が極端なことが特徴的でした。ある意味子どもたちが素直で、場面場面でその時の気分、状態を素直に出していると感じました。

たまたま、新任の先生が一緒に子どもたちを見たいと言ってくださったので、その先生が授業をしたときと比べながら見てもらいました。自分の授業ではは全くやる気のなかった子どもが、積極的に活動している姿や、学級全体が集中する瞬間を驚いて見ていました。子どもたちの見せる姿は一つではないことを実感してくれたようです。自分の授業を改善しようという意欲が一層強くなったようでした。とてもうれしいことです。

子どもたちは、何をやればよいかがはっきりとわかっている、見通しがあって手がつきやすい、作業の成果物が明確である。そんな活動には積極的に取り組む。また、自分たちの活動の結果については、それがどう評価されるか非常に興味を持つ。当然のことながら、この学級を見ていると、あらためてこのようなことに気づきます。

この学級の多くの子どもたちが、集中力や意欲をなくした姿をはっきりと見せることは、別の見方をすれば、先生に対して「もっとわかるようにしてよ」「ちゃんと見てて」「評価して」という声にならない叫びを発していることのように思えます。特に行動面で目立たない普通の子どもが、自分たちを見てほしい、認めてほしいと訴えているように感じます。
担任をはじめ、この学級にかかわる先生方がこのことに気づいてくだされば、この学級はよくなっていくと思います。特に、先生方が少し余裕を持って、一人ひとりの子どもをポジティブに評価することを心掛けてくだされば、大きく変化するに違いありません。当面意識してこの学級の変化を見続けようと思っています。

子どもが育っているからこそ、課題が見つかる

昨日は中学校の社会科の授業研究に参加してきました。

授業者は小学校から転勤してきたばかりの若手の先生です。まだ中学校で教え始めて3か月もたたないこの時期に研究授業をおこなうチャレンジ精神が素晴らしいと思いました。
小学校で授業力を鍛えてきたことが子どもたちの姿からもよくわかります。先生の話を聞く姿勢、作業が遅い子どもを待つ様子、課題に取り組む素早い動きから、授業者がこのこと意識して指導していることがとてもよくわかります。授業者の表情も柔らかく、当然子どもたちの表情もにこやかです。子どもたちが安心して授業に参加していることがよくわかります。先生と子どもの関係もとてもよいのです。
実は、こういう先生と子どもたちの関係がよい状態での授業は、課題もたくさん見つかること多いのです。目の前の事実の原因から教師と子どもの人間関係を除外できるからです。

子どもたちが課題に取り組む様子は、多くのグループで一人の子が仕切って、その指示で作業をしている姿が見られました。答えを見つける過程で、一人ひとりが考えたこと、個人が持っている情報を共有する場面がありませんでした。
この原因は、

・グループ編成時に学習面でリーダーの役割をする子を必ず入れるようにしている。
・一人ひとりの答えを持つのではなく、グループで一つの答えを出すようにしている。
・正解を共有することが中心で、どのように考えたか、その理由は何かといった過程や根拠を活動の途中や活動後共有することをしていない。

などが考えられました。
子ども同士の関係がよく、互いに協力しようとしているからこそ、このことがよくわかります。

また、資料を使って考える場面では、手がつく子どもと、全く手がつかない子に分かれてしまいました。手がつかない子はやる気がなかったのではないことは、何度も鉛筆を持ち資料を読んでいることからわかります。資料の中の正解となる用語の意味が子どもたちにはわからないようでした。資料を読み取る場面を設定しなかった、用語の意味を知るための手立てを与えていなかったため、子どもたちはわからないまま資料に向かっていたのでした。答えを見つけた子どもも、根拠は教師のヒントと資料の言葉からの類推で、正解となる用語を示せてもその意味はわかっていませんでした。
手がつくつかないの差は、わからないことをいったん棚上げして考えることができるか、そこに引っかかって先に進めないかの差だったようです。

このように子どもの状況をつくる原因が見えてくれば、その改善方法も明確になってきます。授業者は経験を積むことで、急速に進歩すると思います。ベースとなるものがしっかりあれば、その上に多くの物が積み上がっていきます。素直で学ぶ意欲の旺盛な先生です。次に授業を見るときには、きっと見違えるようになっていることと思います。私もこの授業からとても多くのことを学べました。次の機会がとても楽しみです。

子どもの姿は教師を映し出す鏡

先週末は小学校で授業アドバイスをおこなってきました。1年間、若手の先生方と一緒に授業について考える予定です。

この日は第1回目ということで、子どもたちの授業の様子を一緒に見ることを中心にしました。授業者はできるだけ見ないで、子どもたちに集中するようにお願いしました。日ごろ第三者の視点で子どもたちを見ることがないので、とても新鮮だったようです。
挙手したが指名されなかった子どもが、その後集中力を切らして発言を聞かずにぼんやりしていることが多いことに驚いていました。また、そのことに授業者が気づいていないこともわかったようです。

授業の場面ごとに一人ひとりの子どものどのような姿が見たいのかを意識していないと、子どもたちの様子を見過ごしてしまいます。発言していない子どもにどうあってほしいかが明確でないと、発言者ばかりを見てしまうことになります。意識しないことは見えないし、見えなければ修正されることもありません。
子どもの姿は教師を映し出す鏡なのです。ですから、教師ではなく子どもの姿を見ることをお願いしたのです。

その上で、少しスキル的なことをお話ししました。子どもたちに参加を促すための声のかけ方です。
例えば、発言している子ども以外がぼんやりして授業に参加していなければ、活動しているのは一人だけです。しっかり発言を聞いて参加していれば全員が活動していることになります。一見すると同じように見える授業でも一人ひとりの活動量には大きな違いがあります。そこで、指名したときに、「○○さん、考えを言ってくれる」ではなく、「○○さんの考えをみんなで聞こう」と主語をWeにするのです。発言は指名された子だけの活動ですが、聞くことは全員の活動です。視点を変えるだけで子どもの動きは変わってきます。グループでの話し合いなども、「話し合おう」ではなく「聞き合おう」と声をかけるのです。

子どもの様子を一緒に見たり、話し合ったりしながら感じたのは、先生方がとても熱心で素直なことです。1年間一緒に学び合うことできっと大きな進歩を見せてくれることと思います。次回の訪問が楽しみです。

現職教育打合せ

昨日は、中学校で現職教育の打ち合わせをしてきました。

本年度より学校の努力目標として、言語活動の充実を加えた学校です。具体的にどのような話をすればよいのかを知るために、普段の授業の様子を廊下から見させていただきました。
子どもたちは、いろいろな意味で素直でした。教師の指示にはきちんと従います。しかし、教師が意識していないことはできません。また、受け身の時間が長いと集中力が切れます。楽しいとはしゃぎます。教師が子どもたちに望む姿が明確であれはあるほど、その姿に近づいていく子どもたちだと思いました。
言語活動について考えてみると、子どもたちが言語活動をしている姿をまず先生方がイメージできることが大切です。その上で、どうすればそのような姿を引き出せるかの具体的な方法論をもつことで実現できるようになります。

今回の現職教育は、「言語活動の充実」が天から降ってきたという発想ではなく、このことを意識すると普段の授業がもっと充実する、ちょっとした工夫で子どもたちは大きく変わる。そのようなことをできるだけ具体例をもとに話したいと思います。先生方に子どもたちのこんな姿が見てみたいと思っていただければ成功です。どんな反応をしてくださるかとても楽しみです。

学校訪問に参加

昨日は中学校の学校訪問に参加しました。

午後からの指定授業では教育長や管理主事と授業の感想や最近の学校の様子についてお話しをさせていただきました。お二人とも指定授業での子どもたちの様子をとてもほめてくださいました。1時間の授業に集中している子どもたちの姿、その柔らかい表情や笑顔が、この学校がよい方向に向かっていることを示してくれています。まだ、すべての授業でこのような姿が見られるというわけではありませんが、互いにこのような姿を見合うことで、目指す子どもの姿が共有されていくこと思います。

理科の指定授業は、1年生の実験観察の場面でした。
子どもたちの、話を聞く、考える、動くといった場面の切り替えがしっかりできる姿が印象的でした。どの場面でもとてもよく集中しています。授業者が、それぞれの場面で見たい子どもたちの姿をしっかりイメージして日ごろから授業に臨んでいることがよくわかります。授業後、授業者と話をしたときに、「今年は子どもたちが考察をきちんとできるようになってきた。実験を失敗したグループもその原因を考察することで、きちんと発表できるようになった」と子どもたちの成長に手ごたえを感じていました。残念ながら私はその場面を今回は見ることができませんでしたが、次の機会はぜひ意識して見せていただきたいと思いました。

国語の指定授業は、説明文の段落の構成を考える場面でした。
グループで考えた結果を発表したところからの参加でした。意見の異なるところをクローズアップして、それぞれの理由を発表させましたが、結論や正解を教師が急いで出すのではなく、じっくりと聴きあうことを大切にしていました。互いの意見が出た後、子どもたちはまわりとそのことに関してとても話したそうにいろいろとつぶやいていました。真剣に参加していることがとてもよくわかります。この時間では結論を出さずに次回に持ち越しましたが、授業後子どもたちに「正解を教えてと」迫られて大変だったそうです。
授業者は「正解」という言葉を意図して使わないようにしているのですが、「ヒントは・・・」といった言葉を使ったりしていることもあり、子どもたちは絶対的を正解は教師が持っていると考えています。そこで、自分たちで結論をだすのではなく、教師に聞こうとしているようです。

また、この後の授業検討のグループ討議も素晴らしいものでした。子どもたちのグループでの話し合いの様子から、根拠を共有して考えることより、できる子の答えをもとに正解を見つけようとしていると指摘したグループがたくさんありました。先生方が子どもたちの事実をしっかりとらえる力をつけている証拠です。このような授業検討を積み重ねたことが着実に先生方の力になってきているようです。

この学校では、特定の理論やメソッドをもとに学校全体で一斉に取り組むというアプローチをとっていません。方向性を共有して、互いの実践を通じて学び合っていくという地味なやり方に終始しています。そのためか、研究を始めた1年目はなかなか大きな変化を見ることができませんでした。しかし、2年目の今年はそれぞれの実践が次第に形になって広がり始めています。素晴らしい子どもの姿を共有していくことで大きく学校が進化するのではないかと期待しています。

青少年健全育成会議に参加

先週末に、青少年健全育成会議に参加させていただきました。この会議は地域の議員や区長、補導員、民生員、PTAの役員等からなる子どもたちの健全育成を願う方たちの会議です。この中学校区では、子どもと地域の方が触れ合うような機会を、会議の一環として積極的に作っています。

今年は子どもたちのグループに地域の方が一人ずつ入って、質問に答えるというものでした。日ごろ授業を通じて子どもを見ることは多いのですが、直接話をすることはめったにありません。子どもたちの様子を、コミュニケーションを通して別の角度から知ることができました。中学1年生の2つのグループと交流を持ちましたが、子ども同士がしっかりとコミュニケーションを取れることに感心しました。ちょっと距離を置いているのかなと感じる友だちに、声をかけて輪に引き入れたり、積極的に話をつなごうとする姿勢が見られました。とても素敵な笑顔をたくさん見ることができました。
この時期にこういった姿を見ることができるのは、小学校でしっかり鍛えられていたからでしょう。そして、それが維持できているということは、中学校でもそれを受けて、かかわり合いを大切にしているということです。この市では、市全体で子ども同士のかかわり合いを大切にしています。そのよさが子どもたちの姿に表れています。

このほかにも、「困っている人がいたらあなたは何ができる?」というテーマで、地域の方に次々話をしていただき、それを受けて子どもが答えるという、みんなでの話し合いもありました。

毎年、地域の方と子どもたちの関係をつくるプログラムを工夫しています。こういう機会を通じて、子どもたちは自分たちが多くの大人たちに見守られていることを強く実感できると思います。また、地域の方々も特別な子どもではなく、ごくごく普通の子どもたちの様子を知ることができ、今まで以上に子どもたちを温かく見守ってくれることと思います。

とても楽しい時間を過ごすことができました。来年はどのようなプログラムを工夫してくれるのか、今からとても楽しみです。

一般の方への講演

昨日は一般の方を対象にした講演をおこないました。不登校の現状と家庭での子どもの居場所づくりについての話です。

通常このような内容の講演では、子育て中かお孫さんをお持ちの女性ばかりのことが多いのですが、子育てを終えたであろう男性の方が何名か参加されていました。男性にもこういった話題に関心を持っていただけるようになってきたことはとてもよいことだと思います。どなたも大変熱心に聞いていただけ、講師としてはとても気持ちよくすすめをさせていただけました。

参加者の質問から、いろいろな方の体験を知りたいと思われていることがうかがえました。今は情報社会ですので、子育てに関する情報も手に入れやすくなっています。そういった情報を欲することもよくわかります。しかし、子育てに関してはあまり体験談を参考にしすぎないようにお願いしました。子どもは一人ひとり違います。兄弟姉妹でも個性は大きく異なります。目の前にいる子どもを自分の目でしっかりと見て、その気持ちを真剣に受け止めることが一番だと思います。

終了後、数名の方から個別に質問をいただきました。私が軽々しく答えることができない問題もありました。なかなか相談する相手もいないのかもしれません。話を聞かせていただくことで、少しでも相談者の気持ちが楽になればと思います。ともすると、子育ては親を孤独にしてしまうことがあります。そういう方の受け皿となる人や機関がもっと増えることが必要だと感じました。
楽しい講演でしたが、いろいろと考える機会をいただいた場でもありました。

ICTを活用した授業

昨日は、中学校の英語の授業研究に参加しました。

iPod touchを使って、教室のディスプレイに教材を提示したり、音声を流す試みをしていました。子どもたちの集中力も高く、真剣に授業に参加しています。
1時間の授業がテンポよく進んでいきましたが、ICTの活用がテンポアップにうまく貢献していました。場面を変えるときにICTを活用することですぐに集中させることができることがよくわかりました。

ICTを活用することで、この場面の本質は何かということを考えるきっかけがもらえます。
例えば、ディスプレイに表示するのか、板書するのか、プリントで配るのかを考えることは、結局その場面で子どもたちにどうあってほしいかを考えることになります。
同様に音声だけでよいのか、その際教科書を見させるのか、それともディスプレイに本文も一緒に表示するのかを考えることは、この場面は聞かせるのか、読ませるのか、子どもの意識をどこに向けさせたいのかを明確にすることにつながります。

参加した先生方にとっても、今回の授業がいろいろな意味で授業を見直すきっかけになったことと思います。私にとってもよい勉強の機会になりました。

中堅のチャレンジをベテランが受け止める

昨日は中学校の授業研究に参加しました。

前回訪問時に2年生の様子が少し気になっていたのですが、朝礼や授業の様子を見る限り落ち着いてきたように感じました。大型連休明けから、学年として子どもたちへの指導を意識しておこなってきたようです。学級差を、学年の先生方が互いにカバーし合っているように感じました。チームとして機能しているようです。
また、廊下ですれ違う子どもたちから挨拶されることが増えました。特に印象に残ったことが、挨拶する子どもたちの表情がとても明るくにこやかなことでした。単に先生の指導が行き届いているということではなく、先生と子どもの人間関係がよい証拠です。学校がよい方向に向かっているのを実感できました。

授業研究は特別支援の国語と理科の実験の2つでした。
特別支援の授業は、子どもたちに自信を持たせたいという授業者の思いを強く感じるものでした。子どもたちにできる実感を与える課題と挑戦する課題を意識的に組み合わせていました。通常学級の授業と共通の要素を組み込むことで、特別支援にかかわっていない先生方にも参考になるように意図されていました。
印象に残ったのは、今は「見る」ときなのか、「聞く」ときなのかといった指示を書いたプレートを黒板に張ることで明確にしていたことでした。多くの授業で、板書を写すときなのか、板書を見るときなのか、教師の話を聞くときなのか不明確なまま進んでいる場面を目にします。特別支援だからでなく、子どもに求める姿を明確にすることはとても大切であるとあらため思いました。

理科の授業は、子どもたちがグループごとに実験計画を立て、実験をし、実験終了後別の場所で考察をするという一連の流れの、実験と考察の場面でした。授業者は検討会の冒頭で、「以前の学校では教師主導の説明型授業だったが、この学校ではグループを使って子どもが主体となって考える授業に挑戦している。グループの活用についてもわからないことがたくさんあるので、授業の様子から多くの意見をもらって勉強したい」と参加者に授業への思いを伝えていました。
グループで一つの実験をすると、一部の子がしきって他の子は傍観者になったしまうことがよくあります。実際にいくつかのグループではそうなっていました。授業者は発想を変えて、そういうグループに対しては考察後、傍観者だった子どもだけで再度確認のために実験をする時間を確保する計画を立てていました。とてもおもしろいチャレンジだと思いました。
ベテランの先生が、「失敗してもいい。子どもが自分たちで考えて活動している姿に本当の学びがあるのだと思った。自分もこういった授業に挑戦したい」と全体の場で語られました。子ども引き付ける授業をする先生です。困ったりはしていないはずです。その先生がこのような発言をされたことをとてもうれしく思いました。

授業で見せた子どもの姿がベテランを動かしました。中堅のチャレンジに込めた思いをしっかり受け止めるベテラン。学校の中でこのような化学反応が起こり始めたことは、この学校の研究が大きく進む兆しだと思います。次回の授業研究では、それに先だって模擬授業を有志の参加でおこなうようです。授業について教師がかかわり合う場面が増えてきています。学校がよい方向へ変化していく場面に立ち会える喜びを感じさせていただきました。

学級経営について講演

昨日は中学校で学級経営についての講演をさせていただきました。この中学校の先生方全員にお話しするのは数年ぶりです。以前と比べて若い先生がずいぶん増えています。学校が若返っていることをあらためて実感しました。

今回は学級経営の基本ということで、子どもとの関係づくりを中心にお話をしました。基本的な話にもかかわらず、若い先生だけでなく、ベテランの先生方にも熱心に聞いていただけました。この機会に自分の学級経営を整理しようとする姿勢を感じました。学校の中に外部からも学ぼうという雰囲気が育ってきています。質疑応答では、若い先生方から具体的な質問をいくつか受けることができました。子どもへの連絡事項の伝え方、座席決めをどうするか、男女のグループ間の関係改善など、質問の内容から、前向きに、一生懸命学級経営に取り組んでいる姿が想像できます。これが正解というものはありませんので、一つの例として私の考えをお話しさせていただきました。時間があればこの学校のベテランの先生のお答えを聞きたかったところです。

終了後、校長先生お話をする時間をいただけましたが、先生同士での学び合いと外部からの指導をバランスよく組み合わせることを大切にしておられました。学校としていかにして先生を育てるかを真剣に考えて、具体的なプランを作っています。若い先生が多いということは、その育成にエネルギーが必要となりますが、しっかり育てば大きな戦力増強になるということです。また、ベテランも刺激を受けるはずです。今回の若い先生の質問に答えてあげようという先生もたくさんいると思います。これをきっかけに、職員室で学級経営や授業のことが今まで以上に話題となってくれるのではと期待しています。この学校のように、若い先生の増加を学校活性化のチャンスととらえ、今一度、学校全体で基本から学びなおそうとすることはとても大切だと思いました。次に訪問するときがとても楽しみです。

学校の情報化と導入について対談

昨日は教育系の新聞の取材で、自治体単位での学校情報化と導入に関して対談をおこないました。10年以上前から先進的に取り組んでいる市の推進役の先生といろいろとお話しをさせていただきました。この市の情報化のコンセプトづくりにかかわった当時のことを懐かしく思い出しました。

導入後の現場での活用の最終的な姿を明確にした上で、導入する側の都合ではなく、まずは、現場の先生方がこれはいい、便利だ、楽になったと思ってくれることから一つずつ市全体に広げていくというのが、導入時の方針でした。モデル校を作る発想ではなく、時間はかかっても全員が間違いなく取り組めることから底上げを図っていきました。今では、先生方にとって教育ネットワークはなくてはならないものになっています。また、地道に実践を積み重ねた結果、先生方の情報モラルも全体として非常に高いものになっています。

このことに関連して、セキュリティポリシーについて触れることがありました。最近挿入される市町村では、学校ネットワークのセキュリティポリシーはどんどん厳しくなる傾向にあるようです。私の目からは、行政側がこのルールを守っていない現場が悪いと言うための「いいわけ」づくりに見えます。実際に使う側からすれば、どうしようもなく使いにくいルールを押し付け、わかっていても破らざるを得ない状況に追い込んでいるように感じます。少々セキュリティポリシーを厳しくしても、守られなければかえって大きなトラブルになります。トラブルが起こっている自治体は、先生方の状況を無視した、建前を押し付けるセキュリティポリシーを採用しているところが多いように思います。
この市では、必要最低限のルールさえ守っていれば、大丈夫。何かあっても先生個人が責められる事はないという、先生方を「守る」ためのセキュリティポリシーになっています。時間をかけて先生方の情報モラルを高め、先生方が使いやすい環境を構築し、普通に活用するのであれば、特に意識をしなくても自然にセキュリティが確保されるようなシステムになっています。

学校の情報化が先生方の仕事の質を高め、それが子どもたちに還元されるようなものであってほしい。その思いがこの市では確かな形になっていると思います。

フォーラム打合せ

来年に開催予定の愛される学校づくり研究会フォーラムに関する打合せを昨晩おこないました。名人と呼ばれる先生方の授業を、ICTを活用して追試しようという企画です。中心となる先生方で今後の進め方を相談しました。

実際の授業は若手の先生にお願いします。授業技術は名人におよぶべくもありません。だからこそ、ICTを活用することで授業技術や経験の少なさをカバーできることを示せるのではないかと思っています。私は、名人に「それはズルだろう」と言わせることを目標に授業づくりのお手伝いをしたいと考えています。

これからどんどん若い先生が増えてきます。経験の少なさを補い、ベテランの授業技術に近づくための有効な道具の一つとしてICTがあると思います。フォーラムではICTの活用も含め、誰にでもできる授業づくりの新しい視点を提案できればと思っています。

教員研修に関する講演

教員研修のあり方について講演をおこないました。
小中高の先生方が100名あまり参加してくださいました。小中高の先生が一緒に参加する会というのは珍しく、焦点をどこに当てるか悩みながらの講演でした。

教員研修で大切なのは、学校全体として何を目指すのかできるだけ具体的にした上で、そのためにどうすればよいのか具体的な方策をもつこと。
教員を伸ばすということは、一人ひとりのよさを引き出すこと。
教員に要求することは、すぐ具体的にできること、その効果を実感できること。
教員の変容を肯定的に評価すること。
そして、学校の評価は最終的には子どもの姿で語られるべきこと。

このようなことを思いつくまま話させていただきました。私の思いがどれほど参加者に伝わったかわかりませんが、何人かの方が感想や報告を発信してくださいました。ありがたいことです。また、思いがけず古い友人にも会うことができました。私も大変勉強になるとともに楽しい時間を過ごすことができました。このような機会をくださった方々に感謝です。

授業観察

昨日は中学校で授業観察をおこなってきました。転任、新任の先生方と一緒に校内をまわり授業の様子を観察しました。この学校での取り組みの目指す方向を知っていただくためには、口頭で目指す子どもたちの姿伝えるよりは、実際に見ていただいた方がよくわかると思ったからです。
当り前のことですが、すべての学級で目指す姿が見られるわけではありませんが、比べてみることで明確になる部分もたくさんあります。教室には入らず、廊下から子どもたちの姿だけを見て、今どういうが面で子どもたちは、どんな状態なのか考えてもらいました。教師を見ないことで、子どもを見ることに専念できます。
全員が同じ状態であれば、まず間違いなくそれはその教師が見たい子どもの姿です。それに対して、ばらばらの状態であるときはまず間違いなく、その場面で見たい子どもの姿を明確にして授業をしていないときです。
このこと意識して見てもらうことで、自然に先生方が目指している子どもの姿が伝わったと思います。
授業場面ごとに見たい子どもたちの姿を明確にして授業をしていただくようにお願いしました。

授業を見ていておもしろい場面が二つありました。
一つは先生が机間指導をしている場面です。一人ひとりのノートをしっかり見ながら、声をかけています。ところが、しばらくすると一部の子どもたちの集中力が落ちてきました。そのことに気づいたのでしょう。移動の間に顔を挙げて教室全体を見回してから次の子どもの指導に移り始めました。すると集中力を失っていた子どもたちがふたたび課題に取り組み出しました。教師がつねに学級全体を見ていることの大切さを参観者に伝えることができました。

もう一つは、社会科の時間で、先生が説明している場面です。授業者は比較的小さな声で話しているのですが、生徒全員が顔を食い入るように見ています。すごい集中力でした。ところがしばらくすると一人の生徒が集中力をなくしてきました。学級全体としてはまだ集中していますが、このままだと全体の集中力が落ちていくかもしれません。また、集中力をなくしている生徒のことも気になります。そう思って見ていると、授業者は子どもたちに資料集を見て、話に関連したことを探すように指示しました。もちろん子どもたちはすぐに資料集を見始めます。先ほどの子どももまわりが動きだすと、少し遅れて資料集を手にとりました。そのあと、授業者は彼のそばに行き、見つけたことを発表させました。集中力をなくしていた生徒を注意するのではなく、授業の流れの中で自然に参加させました。素晴らしい授業力に感心しました。

一緒に授業を見た先生方は子どもたちの姿からどんなことを学んでくれたでしょうか。ある先生は、この日気づいたことを早速自分の授業に取り入れようとしていました。次回訪問時に一緒に回った先生方がどのように変化しているかとても楽しみです。

学校が大きく動き出す

昨日は、中学校で授業アドバイスをしてきました。連休の谷間に訪問した学校です。連休明けの子どもたちの変化が気になっての訪問です。

3年生は、相変わらずよく集中できていましたが、ちょっと気になることにも気づきました。例えば、指名された生徒が解答を板書しているときに、解き終わった生徒がまわりと雑談して騒がしくなる。教師が板書で黒板を向いているとき、ごそごそする。このようにすることがない時間に緩みが見え始めています。教師が話し始めるとすぐに集中するので、今のところそれほど心配することではありませんが、早めに手を打っておいた方がよさそうです。問題が解けたら次に何をするのかといった、指示を明確にするようにお願いしてきました。
また、全員がよく集中しているということは、昨年あまりやる気を見せなかった生徒が頑張っているということです。教師から見るとみんな頑張っているという評価になりやすいのですが、そういった生徒をきちんと評価することもお願いしました。みんなが頑張っているため、急にやる気を出しても試験の相対的な結果に反映されないこともよくあります。結果が出なくてやる気をすぐになくすかもしれません。そのことも念頭に置いてのお願いです。

2年生は、一番心配していたのですが、前回訪問時よりも学習においては落ち着く傾向を見せていました。担任の学級経営が実を結びだしているようでした。しかし、どの学級も苦労していると感じた前回と比べて、うまくいってきている学級とそうでないところの差が見え始めたようでもあります。簡単なことでいいので、学年全体で指導することを明確にして取り組むようにお願いしました。

1年生は、連休明けで緊張も解け、さすがに緩む場面が増えてきました。受け身の時間が続くとごそごそしたりして集中力をなくします。一方的に教師の説明が続く授業、教師が子どもを見ていない授業では、その傾向が顕著です。今は子どたちが集中している時間が長いので気づいてない方もいるようです。このことを意識するようにお願いしました。

授業を見ていて、とてもよい場面が2つありました。
一つは国語の時間です。子どもが作業をしているときに、なかなか手をつけない生徒が後ろに一人いました。ぼつぼつ何か働きかけないといけないと思ったとき、授業者が教室をぐるりと回りながら、自然にその子に近づきました。絶妙のタイミングです。ところが指導をし始めてしばらくすると、作業が終わった生徒がざわざわし始めました。教師が見えなくなったためでしょうか。このまま指導をしていると学級全体が集中力をなくすと思ったとき、「できた人は、まわりの人と確認して」と指示を出しました。個別指導をしていても、きちんと学級全体を把握していたのです。まだ若い先生ですが、とても感心しました。

もう一つは、理科の時間です。顕微鏡の使い方を板書して、説明をしている場面です。子どもたちは驚くほど集中して聞いています。だれも、鉛筆を持って写したりしません。授業者もしっかりと子ども一人ひとりを見ています。話し終わると、「写していいよ」と指示を出しました。その指示を待って、子どもたちは一斉にノートに写し始めました。1月の間に、きちんと授業のルールが浸透しています。もう一つ感心したのが、「写していいよ」だけでなく、「自分が大切だと思ったところ、ポイントだと思ったところに線を引いてね」という指示を同時に出したことです。ただ箇条書きにしているだけで、ポイントがはっきりしない板書だと思っていたのですが、このための伏線だったわけです。
この先生も若手です。

若手の先生が育っていることがとてもうれしく思いました。
それだけではありません、お話しをした転任者の複数の方が、この学校は教師の人間関係がいいので楽しいと言ってくれました。昨年度は、どちらかといえばそのことで苦労したので、本当にうれしく思いました。今年度に向けてやって取り組んできたことが実を結びだしたのでしょう。学校力アップに向けて大きく動き出したことを感じた1日でした。

研修の打ち合わせ

中学校で今年度の研修の打ち合わせを行いました。

子どもたちのかかわり合いを大切にし、相談したりグループで活動したりすることを積極的に取り入れている学校です。昨年度研究発表をおこないましたが、その後も続けて授業改善に取り組んでいます。

話題になったことの一つが新たにこの学校に赴任してきた方への対応です。すべての学校や先生が実際にペアやグループでの活動を積極的に取り入れているわけではありません。また話に聞くだけではどのようにしていけばよいかわかりません。ベテランほど自分のやり方が確立しているので、今までの自分の方向性と異なるとどうしていいかわからなくなってしまいます。公立の学校では人事の移動に伴い多かれ少なかれ起こる問題です。結論としては、早い時期に彼らに他の先生方の授業を見ていただき、この学校での取り組みがどのようなものか理解してもらうことになりました。具体的には、私と一緒に校内をまわりながら、授業中の子どもたちの様子を観察し、意見を交換するというものです。子どもたちの活動と教師の働きかけ、その意味を考えてもらうことでこの学校の取り組みを理解してもらおうというわけです。

また、若い先生のことも話題になりました。この学校の若手はずいぶん伸びてきました。しかし、研究発表も終わり、自分たちはこれでいいと思ってしまうと成長は止まります。彼らに、よりよい授業を目指し続けてもらうには、今できていること、まだできていないことを自覚してもらうことが大切です。次回訪問時、今の彼らの課題をしっかり見つけたいと思っています。

早い時期に研修担当者と学校の現状と課題について話し合う機会を持てたことは大変有意義でした。この1年もこの学校の先生方と一緒にたくさんのことを学べそうな予感がしています。

よいスタートを切った学校

連休の谷間に、中学校の授業研究に参加しました。

新学年のスタートはどうのようであるか気になっていましたが、特に新3年生が集中して授業に参加していました。2年生のときと比べて、ずいぶんよい状態です。4月は子どもたちも気持ちを切り替えるときです。そこを先生方がうまくつかんでよいスタートを切ったのだと思います。学年内の横のつながりがよいのでしょう。学級による差が少なかったのも印象に残りました。
1年生もうまく人間関係をつくることができたようです。学級の一体感が育ちつつあるようでした。友だちの発言をしっかり聞こうという雰囲気を感じました。
新2年生は、まだ子どもたちがまとまっていないようでした。1年生のとき、学級によって雰囲気がかなり異なっていました。子どもたちが昨年度の学級の状況を引きずっているため、学級としてまとまりなく感じるのかもしれません。ここからが各担任の頑張りどころです。担任個人の問題ではなく学年の問題として協力しあってくれることを期待しています。

授業研究は、生徒に焦点をあてて検討会を開きました。ともすれば、教師の指導面に目が向きやすくなるのですが、司会者の上手な進行で、子どもたちの活動を中心にしっかりと意見交換ができました。新しく赴任された先生も、グループでの協議にすぐに溶け込み、とてもよい雰囲気で進みました。昨年から始めたグループ討議も1年間でしっかり定着したようです。

3月の時点で心配な面もいくつかあったのですが、全体としてとてもよいスタートを切れているようでした。先生も子どもも4月は気持ちを切り替えるときです。うまく波をつかめたようです。また前年度にやってきたこと、学んだことを一からトライできるときでもあります。うまくスタートを切れたのは、昨年度に先生方が地道に努力し学び続けたことがその根底にあると思います。

学校がよい方向に向かう手ごたえをしっかり感じた1日でした。次回の訪問がとても楽しみです。
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