現職教育の打ち合わせ

昨日は、中学校で現職教育の打ち合わせをおこなってきました。言語活動の充実をテーマにこれまで年2回ずつ2年にわたって研修をおこなってきました。今年度はどのように進めたらよいかを考えるために、午前中の授業を廊下から見させていただきました。

昨年まで教師主導の説明中心の授業スタイルからなかなか抜け出せていませんでしたが、どのように変化しているか楽しみでした。最初の1時間校内の授業を参観した時には、最後まで教師の声しか聞くことができませんでした。英語を含めてどの教科も子どもの声は聞こえてきません。唯一国語の音読が数人あっただけです。先生方は休まず話しつづけます。先生方のテンションの高い声が廊下にいても頭に響きます。子どもたちはよく耐えていると感心します。唖然としました。明らかに退化しています。気を取り直して次の時間もう一度校内を回りましたが、似たような状態です。家庭科の実習で、ミシンの順番を待っている子どもが友だちとムダ話をしてさわがしかったのと、英語のALTの授業で子どものテンションが異様なことになった時が、唯一子どもの声が聞こえた時でした。ALTは子どもが反応しないのでテンションを上げて話します。授業者は子どもが理解できるようにするために、ALTとかかわったり、子どもたちをサポートしたりしません。ゲームを開始するにあたって、子どもたちが動かないのでグループを回ってじゃんけんをするのだと動作で伝えます。ここからです、子どもたちのテンションがおかしくなったのは。じゃんけんに異様に興奮します。今まで受け身でよくわからなかったが、何をすればいいのかわかり活動できるのでテンションが上がってしまったのです。本来の英語を理解し、英語でコミュニケーションをとるという活動とは全く違う活動で盛り上がるのです。この後は廊下の反対側にいても子どもたちのキャーキャーという声が聞こえてきます。このような状況が頻繁になれば、ちょっとしたことをきっかけに学級が崩れてくるのではと心配になりました。

総じて教師と子どもの関係は悪くはありません。授業のじゃまをするような子どもはいません。教師は、子どもが静かに座っていればいい。子どもの活動はノート取ることでいい。子どもの集中力がなくなったら、教師がテンションを上げれば戻るはずだ。そう思っているようでした。残念ながら、今年度の研究目標「言語活動の更なる充実」はお題目以下の状態です。誰も言語活動など望んでいないのです。この状態で言語活動に関する講演をしても意味がありません。教務主任と相談して、今回は今の子どもたちの姿をどう思うか、グループで互いに聞き合ってもらうことにしました。その中で、今の子どもたちの姿を先生方はどう思っているのか。よいと思っているのか、それとも問題はあると思っているが具体的にどうすればよいかわかっていないだけなのか。そのあたりの本音を聞くことができればと思っています。それを元に、今後の研修の進め方を考えることしました。教務主任にはこの方向で当日の現職教育の詳細を決めるようにお願いしました。なかなか困った状態ですが、そのことに学校全体が早く気づいてくれることを願っています。
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