学校の情報化と導入について対談

昨日は教育系の新聞の取材で、自治体単位での学校情報化と導入に関して対談をおこないました。10年以上前から先進的に取り組んでいる市の推進役の先生といろいろとお話しをさせていただきました。この市の情報化のコンセプトづくりにかかわった当時のことを懐かしく思い出しました。

導入後の現場での活用の最終的な姿を明確にした上で、導入する側の都合ではなく、まずは、現場の先生方がこれはいい、便利だ、楽になったと思ってくれることから一つずつ市全体に広げていくというのが、導入時の方針でした。モデル校を作る発想ではなく、時間はかかっても全員が間違いなく取り組めることから底上げを図っていきました。今では、先生方にとって教育ネットワークはなくてはならないものになっています。また、地道に実践を積み重ねた結果、先生方の情報モラルも全体として非常に高いものになっています。

このことに関連して、セキュリティポリシーについて触れることがありました。最近挿入される市町村では、学校ネットワークのセキュリティポリシーはどんどん厳しくなる傾向にあるようです。私の目からは、行政側がこのルールを守っていない現場が悪いと言うための「いいわけ」づくりに見えます。実際に使う側からすれば、どうしようもなく使いにくいルールを押し付け、わかっていても破らざるを得ない状況に追い込んでいるように感じます。少々セキュリティポリシーを厳しくしても、守られなければかえって大きなトラブルになります。トラブルが起こっている自治体は、先生方の状況を無視した、建前を押し付けるセキュリティポリシーを採用しているところが多いように思います。
この市では、必要最低限のルールさえ守っていれば、大丈夫。何かあっても先生個人が責められる事はないという、先生方を「守る」ためのセキュリティポリシーになっています。時間をかけて先生方の情報モラルを高め、先生方が使いやすい環境を構築し、普通に活用するのであれば、特に意識をしなくても自然にセキュリティが確保されるようなシステムになっています。

学校の情報化が先生方の仕事の質を高め、それが子どもたちに還元されるようなものであってほしい。その思いがこの市では確かな形になっていると思います。
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31