学校が大きく動き出す

昨日は、中学校で授業アドバイスをしてきました。連休の谷間に訪問した学校です。連休明けの子どもたちの変化が気になっての訪問です。

3年生は、相変わらずよく集中できていましたが、ちょっと気になることにも気づきました。例えば、指名された生徒が解答を板書しているときに、解き終わった生徒がまわりと雑談して騒がしくなる。教師が板書で黒板を向いているとき、ごそごそする。このようにすることがない時間に緩みが見え始めています。教師が話し始めるとすぐに集中するので、今のところそれほど心配することではありませんが、早めに手を打っておいた方がよさそうです。問題が解けたら次に何をするのかといった、指示を明確にするようにお願いしてきました。
また、全員がよく集中しているということは、昨年あまりやる気を見せなかった生徒が頑張っているということです。教師から見るとみんな頑張っているという評価になりやすいのですが、そういった生徒をきちんと評価することもお願いしました。みんなが頑張っているため、急にやる気を出しても試験の相対的な結果に反映されないこともよくあります。結果が出なくてやる気をすぐになくすかもしれません。そのことも念頭に置いてのお願いです。

2年生は、一番心配していたのですが、前回訪問時よりも学習においては落ち着く傾向を見せていました。担任の学級経営が実を結びだしているようでした。しかし、どの学級も苦労していると感じた前回と比べて、うまくいってきている学級とそうでないところの差が見え始めたようでもあります。簡単なことでいいので、学年全体で指導することを明確にして取り組むようにお願いしました。

1年生は、連休明けで緊張も解け、さすがに緩む場面が増えてきました。受け身の時間が続くとごそごそしたりして集中力をなくします。一方的に教師の説明が続く授業、教師が子どもを見ていない授業では、その傾向が顕著です。今は子どたちが集中している時間が長いので気づいてない方もいるようです。このことを意識するようにお願いしました。

授業を見ていて、とてもよい場面が2つありました。
一つは国語の時間です。子どもが作業をしているときに、なかなか手をつけない生徒が後ろに一人いました。ぼつぼつ何か働きかけないといけないと思ったとき、授業者が教室をぐるりと回りながら、自然にその子に近づきました。絶妙のタイミングです。ところが指導をし始めてしばらくすると、作業が終わった生徒がざわざわし始めました。教師が見えなくなったためでしょうか。このまま指導をしていると学級全体が集中力をなくすと思ったとき、「できた人は、まわりの人と確認して」と指示を出しました。個別指導をしていても、きちんと学級全体を把握していたのです。まだ若い先生ですが、とても感心しました。

もう一つは、理科の時間です。顕微鏡の使い方を板書して、説明をしている場面です。子どもたちは驚くほど集中して聞いています。だれも、鉛筆を持って写したりしません。授業者もしっかりと子ども一人ひとりを見ています。話し終わると、「写していいよ」と指示を出しました。その指示を待って、子どもたちは一斉にノートに写し始めました。1月の間に、きちんと授業のルールが浸透しています。もう一つ感心したのが、「写していいよ」だけでなく、「自分が大切だと思ったところ、ポイントだと思ったところに線を引いてね」という指示を同時に出したことです。ただ箇条書きにしているだけで、ポイントがはっきりしない板書だと思っていたのですが、このための伏線だったわけです。
この先生も若手です。

若手の先生が育っていることがとてもうれしく思いました。
それだけではありません、お話しをした転任者の複数の方が、この学校は教師の人間関係がいいので楽しいと言ってくれました。昨年度は、どちらかといえばそのことで苦労したので、本当にうれしく思いました。今年度に向けてやって取り組んできたことが実を結びだしたのでしょう。学校力アップに向けて大きく動き出したことを感じた1日でした。
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