今年度も楽しみな研究会

4月に今年度第1回の愛される学校づくり研究会が行われました。会員の自己紹介、今年一年の活動テーマの確認とそれに関する情報の整理、コラムの年間計画などでした。

今年度の活動テーマの一つは、この数年続いていた授業改善に関するものです。この研究を通じて会員の企業で開発していただいた「授業検討ツール」「授業アドバイスツール」を使って授業改善についてさらなる研究を続けようというものです。このことについて私から提案させていただきました。

最初にこれまでの研究の流れを簡単に説明しました。
授業研究を活性化するために、「3シーン授業検討法」「3+1授業検討法」を提唱し、研究会での模擬授業や会員の学校での実践を通じて研究を続けました(コラム「楽しく授業研究しよう」第2回第4回参照)。「3シーン授業検討法」を実践していく中で、「検討すべき場面の抽出に時間がかかる」「検討したい場面のビデオでの頭出しが大変」といった課題が浮かび上がってきました。そこで開発されたのが「授業検討ツール」です。授業を見ながら、参観者が「いいね」「?」と心が動いた場面で手元の端末のボタンを押すと、それがリアルタイムに集計され、検討会で多くの方の心が動いた場面を即座に再生できるというものです(コラム「楽しく、手軽に授業改善をしよう」第10回参照)。
このツールから派生したのが「授業アドバイスツール」です。これは授業を見てアドバイスする立場の人間にとっての使いやすさを追求したものです。手元の端末で授業を撮影しながら、アドバイスしたい場面で画面にメモを書くとその場面の静止画のサムネールと共に記録されます。複数を連携させることで、ホストでは教室全体を動画で撮影し、他の端末でポイントとなる場面を静止画で撮影してリンクすることもできます。個別にアドバイスする時に具体的な場面を切り出して振り返りながら一緒に考えてもらえるものです。記録した映像をデータで渡すこともできます。
今年度は、次の3つを柱として、毎回指名された会員が自分で考えた活用方法を提案することになりました。
・授業検討法の多様化
 授業改善の方法として「全体での検討会」「個人へのアドバイス」「個人での振り返り」
・ツールの活用の多様化
 研修、ワークショップなど、従来の利用場面にこだわらない活用
・活用者の多様化
 個人のノウハウに頼らない、経験年数、立場(司会、ツールの利用者)に応じた活用
ここで出てきたものを、今年度の開催予定のフォーラムで発表することを目標に活動します。

もう一つの活動テーマは「カリキュラムマネジメント」です。
「カリキュラムマネジメント」ということが広く言われるようになりましたが、その具体的なイメージははっきりしません。まず、「カリキュラムマネジメント」という言葉の整理を大学の教授である会員にお願いしました。
いろいろな学者や公的な機関で定義されていることを紹介していただきましたが、正直よくわかりません。ただ、学校においてPDCAのサイクルを回していくという点は共通しているように思いました。学校評価との違いについては、大学の研究者の会員から、学校評価は、主に学校の組織改善の面からのアプローチであり、カリキュラムマネジメントは教育課程・カリキュラム面からのアプローチであると整理していただきました。
現場に近い私たちとしては、毎回の研究会で事前に指名された会員が「カリキュラムマネジメント」の具体例を発表・提案し、最終的に愛される学校づくり研究会の考える「カリキュラムマネジメント」としてフォーラムで発表することを目標として進めていきます。

コラム担当編集者は今年度から新しい方にかわり、中でも副編集長が原稿催促係という役割を担うことになりました。例年以上に厳しい催促に、コラムの更新頻度が上がることは間違い何でしょう。

今年度新しく書記になった方が、とても詳しくわかりやすい報告を愛される学校づくり研究会のWEBにアップしてくださっています。これで安心して欠席者が増えそうです(笑)。
今年も、刺激のある学びの多い研究会になりそうです。
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