愛される学校づくり研究会

学校を離れて観ると

★学校に直接携わっている立場と、一歩、学校を離れた立場から観る学校現場は、ひと味違った受け止め方があるはずです。長きにわたり、教員・校長として学校に携わられた中林先生、平林先生、神戸先生、小西先生それぞれの視点から、現在の学校、教育について、率直な意見を示して頂きます。

【 第7回 】改善のために

1 学校との関わり

本コラム4回でもお話ししましたが、退職後の2年間、市内の小中学校数校の授業研究に参加させてもらっています。児童生徒と先生でつくる授業に、ほんの少しでも関わることができることを嬉しく思っています。

授業研究に参加するときは、教材研究を行ったり、国の動き等を事前に調べたりします。教科書をじっくり読んで授業を創造したり、文科省などのホームページから国の動向を調べたりするのです。このような時間は、学校のリーダーにこそ必要な時間だと痛感しています。

2 学校を訪問して

現職時代は、来校者を迎える立場でしたが、今は迎えられる立場です。反対の立場になって気づくこともあり、当時を反省することが多々あります。

学校へ到着したその瞬間から、その学校の思いが伝わってきます。もちろん学校の環境によって様々ですが、どこの学校も来校者を迎える準備ができているように思います。きっと誰かの配慮からだと思いますが、人を思いやる気持ちや心のゆとりを感じることができます。こんな学校は、地域や保護者との関係も良好で、誰でも、安心して気持ちよく来校することができるのではないでしょうか。

休み時間、廊下を歩いていると「こんにちは」と子供たちから元気にあいさつされます。子供たちからのあいさつは、多くの学校で行われており、そのたびに元気をもらっています。職員からも「こんにちは、今日もよろしくお願いします」と声をかけていただけたとき、本当に爽やかな気分になり、やる気がみなぎってきます。職員と子供が同じ思いで学校生活を送っていることは、学校の力となっていると感じます。

さて、授業研究の時間になり、教室へ向かいます。授業を参観するといっても、現職教育のように特別な時間を設定するものではなく、通常の日課で授業を参観させていただくことが多いです。そのとき、同行していただける方が、校長であったり、教頭であったり、教務主任であったりと様々です。ときには、校長・教頭・教務主任・学年主任・空き時間の先生と多くの先生が一緒になって参観されます。日課の関係で誰も同行されないこともありますが、管理職の先生や教務主任の先生が一緒になって授業を参観するというのは、授業者にとってありがたいものだと思います。一人でも多くの人が授業を参観し、互いに気づかなかった子供の様子を協議し合えるというのは、授業者も参観者も勉強になります。ある学校の教務主任が「一番勉強になっているのは私だと思います。」と言われました。その教務主任は、時間が許す限り、授業だけでなく授業者と私との協議にも参加し、メモをしています。確かに、授業を参観させていただけて、勉強になるのは私自身でもあります。数多くの授業を参観されている先生は、それだけ学びを深めておられるのではないでしょうか。授業者をアドバイスする立場の人ほど、数多くの授業を参観し学んで行く必要があると思います。授業を観て、協議することそのものが授業力の向上・授業改善の第一歩かもしれません。

3 学校のこれから(次期学習指導要領を考え)

中教審から次期学習指導要領に関する答申が2016年12月21日に文科相に渡され、2017年2月14日に公表され、パブリックコメントが3月15日まで行われました。当初騒がれていた、「アクティブ・ラーニング」という言葉は姿を消し、「主体的・対話的で深い学び」という言葉が多く使われています。「主体的・対話的で深い学び」の実現とは、中教審の答申によると『特定の指導方法のことでも、学校教育における教員の意図性を否定することでもない。人間の生涯にわたって続く「学び」という営みの本質を捉えながら、教員が教えることにしっかりと関わり、子供たちに求められる資質・能力を育むために必要な学びの在り方を絶え間なく考え、授業の工夫・改善を重ねていくことである。』と書かれています。また、『授業改善に向けた取組を活性化していくことが重要である。』とも書かれています。

また、『深い学び』についても、『習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。』と書かれており、各教科における「見方・考え方」が重要なポイントとなってきています。

これからの学校は、ますます教材研究・授業改善を推し進めなければならないでしょう。そのためにも、学校を離れて気づく「リーダーこそ時間的なゆとりをもって取り組む」「全職員・全校児童生徒が同じ思いで学校生活を送る」「協働して学び続ける」ことが大切になってきているのではないでしょうか。

私自身、時間だけはゆとりがありますから、これからもゆっくりと学んでいきたいと思っています。

(2017年3月21日)

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執筆者プロフィール

●神戸 和敏
(かんべ・かずとし)

中学校教諭・教頭・市教委指導主事・小学校長を経て、2015年3月に退職。1986年から小牧市のコンピュータ活用に関わる委員会に属し、機器導入や活用研究を行ってきました。現在は、授業と学び研究所フェローとして、小中学校の授業づくりを学んでいます。メダカの飼育を行い、日々癒されています。