愛される学校づくり研究会

学校を離れて観ると

★学校に直接携わっている立場と、一歩、学校を離れた立場から観る学校現場は、ひと味違った受け止め方があるはずです。長きにわたり、教員・校長として学校に携わられた中林先生、平林先生、神戸先生、小西先生それぞれの視点から、現在の学校、教育について、率直な意見を示して頂きます。

【 第9回 】心にゆとりを

今年の3月31日をもって、無事に定年退職を迎えることができました。そして、4月〜6月の間は無職ということで、のんびりした生活を送ることができました。この3ヶ月間、部屋の片付けをしたり、本を読んだり、好きな花を育てたりと、昨年度まででは考えられなかった生活を送りました。そのときに思ったのは、朝早くから夜遅くまで学校で働いている先生たちの姿でした。
 朝登校したら教室を見に行く。子どもたちが登校してきたら教室であいさつを交わす。そして授業。授業が終わって子どもが下校したら職員室で授業準備と子どもたちの様子についての情報交換。さらに保護者が自宅に帰宅するのを待って、けがの報告やけんか、問題行動などの報告をする。1日がめまぐるしく過ぎていったように思います。
 昨年度まで校長として勤めてきて、少しでも現状を改善したいと思い、2つのことに気を配ってきたように思いますので紹介します。

1 今行っていることが本当に必要かを考える

学校には今までの伝統として行っている活動がいろいろとあります。大きな学校行事についてはすでに精選がなされ、必要な活動しか残っていないと思います。ただ、もう少し小さい活動、委員会行事や児童会行事、学年行事等は残っているのではないでしょうか。これらの行事が本当に必要かを問い直してみる。そして、必要ない活動は思い切って取りやめて必要なものだけを残す。残した活動も活動の中身を考え、2つの活動を一つにしてできないかを考える。校長としてこのようなことを年度末から年度当初に話しておけば、少しずつ改善されたように思います。
  私自身、以前学習発表会をやめたこともあります。また、反対にペアでの活動を増やしたこともあります。常に、子どもの実態を見て、その場に応じて必要な活動を見極めていくことが大切だと思いました。

2 心にゆとりを

子どもが学校に登校している日々は、なかなか気が休まりません。けれども、長期休業中は少しほっとできるのではないでしょうか(こんなことを言うと叱ら れるかもしれませんが・・・)。
  長期休業中の前によくこんな話をしました。

「まず、家族との時間を大切にしてほしい。家族と一緒にゆっくり食事をする。家族と一緒に旅行をし、ゆっくり温泉につかる。子どもがある家庭は遊園地やキャンプに行く。海外旅行もいいですね。私たちが仕事ができるのも家族の支えがあったればこそだからです。家族と一緒に居る時間を大切にして、いろいろな話ができるといいですね。」

また、もう一つ。
  「せっかくの休みなので、自分の趣味にしっかり取り組んでほしい。美術館や博物館に出かけるのもいいですね。演奏会に行く、なかなか読めなかった読書をする、好きなスポーツをしたり観戦したりするなどなど。自分の趣味をしっかり行うことで心が穏やかに、そして、豊かになり次への活力がわいてきますよ。」

「忙しい」「忙しい」
 きっと各学校では、新学習指導要領への対応に追われていて、「忙しい」と思っている方が多いかと思います。今、学校現場を離れても、そのように思っている先生方が多いことがひしひしと伝わってきます。「忙しさ」を払拭することはできないかもしれません。ただ、新学習指導要領の取り組みの中で、今の学校現場に何が必要なのかをしっかりと見極めていかないと、先生たちを苦しめるだけになってしまいます。今、必要なことだけを取り上げ、必要でないものは切って捨てる。そんな勇気を持つ必要もあるように思います。もちろん、それができるのは校長先生だと思います。校長先生を中心にして全教職員で協議をして、必要なことだけに絞って取り組んでいってほしいと思います。

常に心にゆとりをもって。

(2017年7月3日)

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執筆者プロフィール

●山田 純一郎
(やまだ・じゅんいちろう)

1979年 知多郡美浜町で小学校教諭となる。その後、半田市の中学校教諭、中学校校務主任、小学校教務主任、教頭、知多市指導主事、校長を経て2017年3月に退職。校長時代は、「授業を基盤とした学校づくり」を柱に、教員の授業力アップをめざした。また、愛知県小学校管楽器教育研究会顧問として平成30年度の全国大会(愛知県東海市で開催予定)に向けての準備を行っています。