愛される学校づくり研究会

玉置流・教師論

★ありがたいことに再び「愛される学校づくり研究会」のコラムに連載させていただく機会を得た。教育学部の教員となったこともあって、36年間の公立校教諭と管理職の経験を踏まえて、自分なりの「教師論」を書かせていただくことにした。話題があちこちに飛ぶコラムとなるが、月1回おつきあいをいただければ幸いである。

【 第10回 】まずいラーメン屋の店主とダメな教師の共通点

講義「教師論」の一コマで、「まずいラーメン屋の店主とダメな教師の精神的共通点は何か」と問いかけた。この問いは、北海道の山田洋一先生がセミナーでされた質問を真似たものだ。

「教師論」受講学生は1年生。教育学部生として歩み始めたばかりだ。はたして、この問いに対して、学生からどれほどの回答が返ってくるのかと不安な気持ちがあった。実際は次から次へ共通点が出された。驚くほどだった。以下はその一例である。

(問い)「まずいラーメン屋の店主とダメな教師の精神的共通点は何か」

 ・ これでいいと思っている。
 ・ 人の意見を聞こうとしない。
 ・ 自分の味(授業)が分からない奴が悪いと思っている。
 ・ 向上心がない。
 ・ 自分は自分だ!と思っている。
 ・ 何事も面倒くさいと思っている。
 ・ これまでにかなり失敗していて自信がない。
 ・ お客様(子ども)に喜んでもらおうという気持ちがない。

このように、出てくるのは、これまでに幾度も「まずいラーメン」と「ダメな教師」に出会ってきた証ではないだろうか。学生から出された意見を聞きながら、教員養成の教師として、頷いてばかりいられないと思い、「教師を目指している皆さん、ここで出された共通点を忘れてはいけないよ」と、思わずの一言が出た。

松下幸之助はじめ、名高い企業トップは、「伸びる人は、素直である」と言っている。素直であったからこそ、ユーザーの声を大切にし、製品に反映させ、発展の足跡を残してきたのだ。「あのときの判断で今がある」というトップも多いことだろう。おそらく「あのとき」は、「我以外皆師」という心境で決断されてきたのだと推測している。

(2017年7月3日)

準備中

●玉置 崇
(たまおき・たかし)

1956年生まれ。1979年教員スタート。小学校、中学校教諭を経て、1998年教頭、2004年校長に就任。2007年より愛知県教育委員会主査、海部教育事務所長を経て、2012年に小牧市立小牧中学校長となる。2015年に早期退職をして、岐阜聖徳学園大学教育学部教授に就任。「書くことによって学ぶ」をコンセプトにゼミ生とともに創る「玉置研究室HP」発信中。著書には、「玉置流・学校が元気になるICT活用術―ICTは学校力向上ツール 」(プラネクサス)「学校を応援する人のための学校がよくわかる本(1)(2)」(プラネクサス)「「愛される学校」の作り方 −悩める校長をPTAを救う!実践とノウハウ」(プラネクサス)「スペシャリスト直伝!中学校数学授業成功の極意」(明治図書)など多数。
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