第7回は赤坂真二先生です。対面で行います。開催日時は、2月10日(土)午前10時〜12時です。よろしくお願いします。

佐々木昭弘先生セミナー1

画像1
本年度最後のセミナーは、筑波大学附属小学校の佐々木昭弘先生をお招きして、「楽しい理科の授業づくり〜一段上の授業力をつけるにはどうしたらよいか〜」というタイトルで講演をしていただきました。このホームページでは、その一部を紹介します。

一枚の絵から…
うさぎに見える、アヒルにも見える。視点のコントロールでどちらにも見える。

理科の授業において
チューリップって知ってる?
土から出ているチューリップを描いてみよう。「葉、茎、根は必ず描かないといけない。」
黒板に思い思いのチューリップを描くと、それぞれ違う。違うからそこで比較する。
葉の枚数は?形は?どんどん疑問が出てくる。
疑問が出てきたら、実際に調べてみようという流れになる。

意欲を高め、観察に向かう。見えていないことを言葉にすることで観察点が見えてくる。

佐々木昭弘先生セミナー2

画像1
国語教育とコラボする授業改善のポイント

問題と答えの関係を明確にしておく
温度の変わり方を3つに分ける
国語の文章と同じようにはじめ、中、終わりで書いてみる。

理科の実験結果を国語の時間に書かせる。「この間の実験を作文にしてみよう。」
・友達と話し合ってもよい。
・教科書やプリントなどの資料を見てもいいよ。
と言うと課題のハードルがぐっと下がり、子ども達も頑張って取り組める。

友達の真似でも、書けたという事実の積み重ねが力をつける。
真似している中にも取捨選択があり、思考につながる。

佐々木昭弘先生セミナー3

画像1
問題解決的な学習のバリエーション
2つの型がある。推理物を例にして
犯人が分からない。視聴者と一緒に問題を解決していくスタイル
→ミステリー型問題解決(模擬授業:ものの燃え方)
犯人が最初から分かっている。視聴者は、犯人と主人公のやりとりの中から矛盾を見つけていくスタイル
→サスペンス型問題解決(模擬授業:振り子の運動)

最後に
理科の授業で
・「事実」を問う→どうなる?
・「方法」を問う→どうする?
・「理由」を問う→どうして?

どこにウェイトをかけるのか。

子どもが主体的になり対話が生まれる深い学びへ

2時間があっという間でした。「明日、理科の授業をしたい」という思いをアンケートに書かれた参加者がたくさんいました。ありがとうございました。

1月12日 白石範孝先生1

画像1
 明星大学教授の白石範孝先生に「汎用的な力をめざす!対話的で深い学びの国語授業の作り方」をテーマにご講義していただきました。本セミナー3回目のご登壇です。
 その内容を一部ご紹介します。
〇 汎用的な力について
 汎用的な力とは、その場限りの学習ではなく、他の作品での読みに転移させ、発展させていく力のこと。この転移できる力を育てるためには、知識・技能として国語での基礎基本となる「用語」・「方法」・「原理・原則」を身につけさせる必要がある。
(例)漢字学習での原理・原則について
 筆順に原則がある。「外側におれ→はらいが先」「内側におれ→おれが先」「横画を貫く線が有るとき→たてが先」など。
(例)俳句の原理・原則について
 五・七・五の最後に重き(テーマ)を置く。俳句では五感を通して見えた様子や景色を表しているだけで、心を直接表現していないため、心を読み取らなければならない。俳句の授業ではどんな仕組みになっているのかを教える必要がある。
(例)短歌の原理・原則について
 短歌は五・七・五で五感を通して見えた様子や景色を表し、七・七で心が表現されている。

1月12日 白石範孝先生2

画像1
〇 教材分析について
 「その教材はどんな特徴を持っているのか」「どんな規則性を持っているのか」を分析する。教科書にある作品はあくまで教材であり、ここから何か教えられることがあるはずだと考えることが大切である
(例)「スピード数え歌」
 文字数で数えるのではなく、音数で数えること。小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」は前の音にくっついて一音。小さい「っ」は一つで一音。手を叩いてみると分かりやすいことを教えることで、音数としての役割がわかる。この原理原則を押さえた後に、自分たちで言葉を作らせる。「しょうがっこう」「チョコレート」など、知識があると自分たちで作ることができる。
(例)「大造じいさんとガン」
 クライマックスを探すには「クライマックス」という言葉の意味を教えなければいけない。国語におけるクライマックスは、心・人物の変容点。面ではなく、点である。点は一文で取り出す。また、会話文か、描写か、視点の転換のすぐ後にくることなど、順番に新しいものさしを与え、クライマックスを導き出させる。

1月12日 白石範孝先生3

画像1
〇 問いについて
 思考判・判断力・表現力は疑問から生まれる。単元の最初に課題を出し、課題に対して考えを出し合う。すると思考のズレが生まれ、思考のズレから問いを持たせることができる。この問いを持たせることが重要である。授業づくりとしては、場面に分けるとかではなく、この問いを解決へ導くことを目指す。この時に必要となるのが、用語、方法、原理・原則である。
(例)「おてがみ」
 「(中心人物)が(出来事、事件)によって(変容)する、になる話」と一文で書かせる。そうすると、中心人物のズレが生じる。これを解決するために「ああ、」に注目させる。「ああ、」は感嘆ではなく、気づきの意味を持つことから、「おてがみをもらって嬉しい。」ではなく「僕には素敵な友達がいるな」ということを読みとることができ、深い学びとなる。

 その他「スイミー」「こわれた千の楽器」「どちらが生たまごでしょう」を取り上げられた。

 白石先生のご講義が明快で2時間が大変短く感じられました。真の国語力を身に付けさせる授業づくりについて、授業意欲が大変高まる2時間でした。明日から「教材で教える」授業を目指します。

10月28日 横山浩之先生1

画像1
 まずは、障害について説明していただき、通常学級における特別支援教育について教えていただきました。
 学級崩壊に至ってしまう学級担任の先生の特徴として、全体指導よりも個別指導を優先してしまい、周囲の子どもからの信頼を失い、さらに個別指導を行う子どもからの信頼も失ってしまうことがあり、学級経営上の配慮を優先しながら個別指導を行うことや具体的な例を挙げて、教員が魅力的な大人であることが大切なことを教えていただきました。

10月28日 横山浩之先生2

画像1
 次に、児童への心理的介入や教育上の配慮事項について教えていただきました。
 心理的介入では、子どもが小さいうちの方が「習慣化」しやすいことを利用し生活習慣を改善し、そのために増やしたい行動をほめ、減らしたい行動に対しては反応しないことで、子どもの行動異常を改善できるPT(ペアレントトレーニング)やSST(ソーシャルスキルトレーニング)の指導法を教えていただきました。
 教育上の配慮事項では、発達障害がある子どもでは障害によらず作業記憶が乏しいので、児童を正解に導くためには、一目でわかる工夫や、言葉がけを最低限にすることが対策になると教えていただきました。

10月28日 横山浩之先生3

画像1
 最後に、教育目標について実際の授業映像を交えて教えていただきました。
 教育目標を領域に分けて捉え、目標を立てる際に必要なことをRUMBAの法則をもとに教えていただきました。実際の授業風景から、今までの話の実践の様子を見ることができました。実際に児童が変容する姿を映像で見ることができ、適切に目標を立てることや良い行動を「ほめる」ことの大切さを体感することができました。

 2時間という短い時間ではありましたが、どの教室にもいる特別な支援を必要とする児童への対応を考えることのできる有意義な時間となりました。本当にありがとうございました。

野口芳宏先生セミナー1

画像1
画像2
10月8日

第一部〜道徳模擬授業「電話のおじぎ」〜


※「電話のおじぎ」は、野口先生が書かれた資料で、廣済堂あかつきに掲載されています。

「電話のおじぎ」の資料を使い、「良いことの気づき」を見つけていきました。気づき読みです。
道徳教育は、良い気づきの勉強でもあるからです。

その中でも、さすが、野口先生。「公的話法」や、「私的話法」の指導も忘れません。

電話のおじぎは、不可視の世界(心眼)。心内にあらば、色外に表れるということです。

そして、本当の自主性についてもお話がありました。
「君子は独りを慎む」(大学)
道に反れたことは見ていようと、見ていまいと私はしない。
それが、本当の自主性であり、わがままとは違うのだ。

道徳の中にもしっかり野口論が込められた深い授業となりました。

野口芳宏先生セミナー2

画像1
画像2
第二部〜伊藤彰敏先生のライブでの国語模擬授業を野口先生が斬る〜

松尾芭蕉「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」を深く読む授業(子ども役:大学生)でした。
まずは、季語、季節を確認した後、俳句を読む方法『五感』を指導されました。『五感』を使って、どのような情景なのかを考えさせていきました。子ども役に教師の質問や言葉かけにより、意見を出させ、ぶつかり合いをさせながら、本当の情景に焦点を集めさせていきました。

野口先生からは「授業の中にしきりがあるとよい。違うことは違うと教えるとよい。束ねがあるとさらによい授業になったと思う」という講評をいただきました。そして、「私が授業をするなら『セミは鳴いているのか、鳴いていないのか?』『時間は夕方か、夕方ではないか?』といったような選択的発問をする。意見が分かれ、理由を言わせて、正解を言う。これが束ねるということである。」という助言もいただきました。

伊藤先生は、この芭蕉の俳句のあと、蕪村の俳句をこの『五感』を使って読んでいくと言われました。
学習したことを活用する。そして定着させていく。とても大切なことだと思います。
学びの多い模擬授業でした。

野口芳宏先生セミナー3

画像1
画像2
第三部 教養講座の意義〜修養のススメ〜

この教師力アップセミナーでは、初めての教養講座です。
教育基本法には、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し絶えず研究と修養に励まなければならない」とあります。

研究と修養は同格なのにもかかわらず、今やっているのは研究だけです。研究は他者改善。

修養も研究と同様やるべきで、修養は自己改善です。教師として、人間としてどんなことができるか学びます。

その一番初めのガイダンスでした。

1 (あ)憧れをもちましょう。→平田先生との出会い
2 (ほ)本を読みましょう。→憧れる師がいない時には、価値ある書物が師
3 (か)観を磨きましょう→教育をどうみるか。観が貧しい人は×
4 (い)異に学ぶ→自分とは違う人から学び、なるほどなと思うとよい。
5 (な)仲間を選ぶ→仲間の中にはあまり異はいない。集まると楽しい。

修養に大切な5つの話を1時間してくださいました。

そして最後。
頭文字をとると、あほかいな。

会場が大いに沸きました。

最後もしっかり野口節で締める、さすが授業名人野口先生のセミナーでした。

和田裕枝先生セミナー1

画像1
9月2日(日)に授業と学び研究所フェローの和田裕枝先生をお招きして、『「教科書を生かした授業づくり」〜道徳・算数の模擬授業を通して〜』 というタイトルで、ご講演していただきました。このホームページでは、その一部をご紹介します。
  
今回のセミナーでは、和田先生に道徳と算数2本の模擬授業をしていただきました。そして、玉置先生、大西さん、伊藤先生、野木森先生、酒井先生に、様々な視点から2本の授業の深掘りをしていただきました。


はじめに、道徳の模擬授業をしていただきました。主人公だけでなく、違う登場人物の心も捉えていく中で、子どもたちの考えに迫っていく授業でした。
和田先生の授業は、何と言っても子どもたちにぼーっとする時間を与えません。終始子どもたちに考えさせ、全員が参加する授業でした。子どもたちには前の人と同じことを言うのではなく、自分の言葉で表現することを指導されており、自分ならどう答えるかを常に考え続ける集団となっていきます。今回児童役として参加した大学生も頭をフル回転させて、授業にのぞんでいました。そして、和田先生は子どもたちの言い方の違いから考え方の違いを探ることで授業をつないでいかれ、子どもたちの考えがどんどん積み重なっていく授業をされていました。

その後の授業の深堀りでは、本時のこの後の展開はどうなるかなどが議論され、楽しいやりとりの中、「授業の最後に子どもたちにこんな言葉が出るようにと考えて授業を考える」といった教材研究の仕方や「もし自分だったらと自分事として考させる発問を入れること」など道徳授業の作り方を聞くことができました。

和田裕枝先生セミナー2

画像1
次に、算数の二等辺三角形の作図をする模擬授業をしていただきました。算数の作図の学習では、書き方を教えるための教え込み授業になってしまうことが多いが、和田先生は、なぜそのように書くのかを子どもたち自身に考えさせ、書き方を習得させていくという授業をされていました。
「二等辺三角形のどこから書き始めたいか。」という発問から始まり、二等辺三角形の頂点を見つけるために、ペアで互いの作った図形を重ねて話し合わせたり、線をたくさん引いてみたりする中で、二等辺三角形の作図をしていきました。和田先生は、この授業で子どもたち自身に二等辺三角形の頂点を見つけさせたいという思いを持っておられました。先生に教えてもらったからコンパスを使って頂点が見つかるではなく、自分たちで見つけた頂点だからこそ、長期的な学びにつながるのではないかと聞きました。

その後の深掘りでは、本時の子どもたちの発言量の多さが話題となりました。和田先生は、教師の言葉よりも子ども同士の言葉の方が、子どもたちによっては分かりやすいこともあるとおっしゃっていました。教師と子どもがつなぐのではなく、子どもと子ども同士でつないでいくという授業の在り方を聞くことができました。


参加者のアンケートからも、多くの方にとって有意義な時間になったことが分かりました。実際に和田先生の授業を見ることができ、夏休み最終日に2学期に向けた大きな学びとなりました。ありがとうございました。

永田繁雄先生セミナー1

画像1
今回は、東京学芸大学教職大学院教授の永田繁雄先生をお迎えし、「考え、議論する道徳の 具体像 〜これからの道徳授業と評価をどう進めるか〜」をテーマに語っていただきました。 このホームページでは、その一部をご紹介します。
永田先生のセミナーでは、まず東京タワーの話から始められました。昭和33年に完成し た東京タワーと同じ年に道徳の授業も開始され、どちらも60年が経とうとしています。 この60年という節目に、道徳が教科化され、教科書が使用されるようになる中で、次の ようないくつかの分かれ道があるのではないかと話されていました。
<分かれ道>
1 授業が今までより「柔軟化」するか。それとも「硬直化」の道を歩むことになるか。
2 「追求型」の授業が中心になるか。それとも「誘導型」の授業が中心のままか。
3 子供が道徳授業をより「好き」になるか。それとも、より「嫌い」に傾くのか。

永田繁雄先生セミナー2

画像1
このような「分かれ道」がある中で、これからの道徳の授業においては、教師がより柔軟 に開発的発想をもってチャレンジしなければならないと話されました。
<ポイント>
・教師自身の価値観を教え込むのではなく、子どもの価値観を育むようにする。
・子どもが切磋琢磨するように、教師も相互に指導のあり方を切磋琢磨していきたい。

永田繁雄先生セミナー3

画像1
雨でも風でも立ち上がることのできる植物には強い「根っこ」がある。それと同じように 子供たちの心の中にも、「根性」や「根気」にも似た強い根っこを育む必要があり、そのた めにも子どもが多面的・多角的に考えて、自己の生き方を深めていくことができるように 促すことが大切だとも話されました。

永田繁雄先生セミナー4

画像1
これからの道徳は、アクティブ・ラーニングとしての「主体的・対話的で深い学び」が求 められており、そのために文部科学省が示している道徳の三つの「型」( 1 人物への自我 関与 ・ 2 問題解決的な学習 ・ 3 道徳的行為に関する体験的な学習)を別のものとし て考えずに、組み合わせて指導していくことも必要だと話されました。いわば、主人公の 気持ちをたどるだけのような授業などにしてはならず、そのためにも、教科書を活用しつ つも、次のような多彩な教材を使っていくことも大切だと指摘されました。
・郷土や地域の教材 ・学校の教材 ・放送番組 ・「私たちの道徳」 など

また、「主体的・対話的で深い学び」を実現するために、これらの「型」や教材を生かしな がら、道徳の授業の方向性としては、主として次の3点に気を付けることが大切だと話さ れました。
1 主体的な学び…問題意識をもたせる。
生活の反省会のようなものにならないように配慮しながら自分事としていく。
教師が示すテーマ→主題 子供が考えるテーマ→問題意識 これらが重なるようにする。
2 対話的な学び…協働的に問題追求をしたり議論をしたりする。
主人公の気持ちばかりを問い続けるような、共感疲れの授業を避けるようにする。
3 深い学び………子ども同士の「みがきあい」や「みとめあい」を生み出す。
多面的=分析的な思考と、多角的=選択的思考を区別した上でつなげたりする。

そして、これらを生かしながら、誘導過程と追求過程とを分けて考えて、今まで以上に、 また、上の学年や中学校段階ほど追求過程が多くなるように努めるべきだと話されました。 そのためにも、「場面発問」と「テーマ発問」の使い分けも大切だと言います。

永田繁雄先生セミナー5

画像1
道徳授業が「特別の教科」となることで、今まで以上に評価への配慮が必要になります。 永田先生は、道徳授業が育成する資質・能力は道徳性であるが、それは人格そのものでも あるので、評価は困難であり、謙虚に見る構えが大切だと話されました。 そして、観点別評価は避けて、大くくりなものとして複数時間の中で、子どもの思考の深 まりと、自分のこととつなげて考えていたかを大きな2つの視点として見るようにしてい きたいとお話しされていました。 道徳科の評価では、数値による評価は避けるため、花丸などの丸の数に基づく評価は好ましくないと言います。また、日常のことではなく学習で見られる内容とすること、子ども のマイナス面を指摘しないことなどが大切になると話されました。

道徳科の指導やそこでの評価は、以上のことを心掛け、先生方の日々の挑戦によって、こ れからの授業をよりよいものにしていけるといいですね。

赤坂先生セミナー1

画像1
 今回は、上越教育大学教職大学院教授 赤坂真二先生をお迎えし、『指導力のある教師が知っていること・やっていること〜「学級経営の充実」のために〜』をテーマに語っていただきました。このホームページでは、その一部をご紹介します。
 赤坂先生のセミナーでは、「教師は子どもたちに肯定的に期待する」「必ず子どもたちはできる、伸びると信じ続けることが大切」という思いを根幹に、社会の変化とそれに応じた能力を子どもに身につけさせる必要性、教師がやるべきことについてお話いただきました。

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31