子どもが活動する発問

子どもへの問いかけ、発問によって子どもたちの動きは大きく変わります。資料を提示して「気づいたことをメモして」といった発問ではなかなか動いてくれないこともあります。どのようなことを意識するといいのでしょうか。

一つは意欲をもたせることです。
比較的簡単な方法は、

「先生は4つみつけたよ。先生よりたくさん見つけられるかな」
「隣のクラスでは、10みつけたよ。このクラスはいくつ見つけられるかな」
「2分で何問解けるかな。昨日よりたくさんできるといいね」

というように、目標となるような指標を合わせて提示するといったやりかたです。指標は何も数値に限りません。「みんながあっと言う」「みんながなるほどと言う」といったものもよいでしょう。もちろん興味をもたせる工夫ができればそれに越したことはありません。これに限らず、子どもが意欲的に取り組むためには、どんな要素が必要かを意識することが大切です。

もう一つは発問からどう具体的な活動につなげるかです。
「考えて」といった抽象的な言葉は子どもにとっては何をすればよいかわかりにくいものです。

「先生はこんなことに気づいたよ」
「たとえば、この線を引いたところからどんな気持がわかるかな。○○さんどう」

というように、一つ例を提示したり、個人活動の前に、全体で一度やってみることで、具体的に何をすればよいか明確にします。
また、「考える」「気づく」といった発問は、比較となる物を与えることで視点がはっきりして活動しやすくなります。

「この絵を見て気づいたこと」
→「この絵を見て、今の暮らしと違うところを見つけて」

というように、比較の対象を意識させることにより、コントラストが明確になり、見通しがもてます。
発問に対して期待する子どもの活動を具体的にイメージすると、そのため必要な知識、視点などの要素が明確になってきます。どのような知識を事前に与える、確認する。視点を明確にするために比較の対象として何を意識させる、提示するといったポイントが明確になります。その上でもう一度発問を見直すとより具体的で子どもたちが活動しやすいものにすることができます。

基本となる発問を考えてそれで終わるのではなく、子どもが意欲的に活動するためにはどんな要素が必要か、発問を具体的な活動につなげるために何を付け加えるか、どう変えるかといったことを考えてほしいと思います。こうして発問を練っていくことが、子どもたちの意欲的な活動につながっていくはずです。
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