算数・数学の授業力アップ研修会に参加

昨日は、算数・数学の授業力アップの研修会にオブザーバーとして参加しました。毎年この時期に先生方の自主運営でおこなわれています。今年でもう9年目です。毎年何かしらバージョンアップされているので、とても楽しみにしている研修会です。以前は授業技術やスキルにスポットを当てての実技研修が中心でしたが、ここ数年は新任や若い先生の参加が多くなってきたことに合わせて、個々の授業技術が授業の中でどう活かせるのか、また教材研究は具体的にどうやるのかといった内容も付加されるようになってきました。

今年は一つの教材を1日かけていろいろな視点で考えることができるような構成でした。最初の実習では、子どもの言葉を活かす授業のイメージが伝わるような教師と子どものやり取りで練習をするようになっていました。このシナリオが実にコンパクトでしかもポイントとなる要素が明確でわかりやすいものでした。スタッフが真剣に取り組んで、工夫していることがよくわかります。

次の実習は、一見単純で簡単に見える授業技術を実際に体験してみることで、その難しさとポイント、その効果を実感できるようにつくられていました。限られた時間で研修の効果を高めるために、思い切って入門レベルに絞っていることが印象的でした。よい判断だと思いました。

そして、最後の研修は、この日学んだ技術を取り入れて授業を組み立てるとどうなるかを、参加者を子ども役にして模擬授業形式で見せるものでした。その後、この授業を具体例として、教材研究が教科書を読みこむことが中心であることを授業者が解説してくれました。
この模擬授業が実に素晴らしいものでした。授業者の発言、行動が意図的につくられていて、復習問題の数値の工夫や定着問題の提示の仕方など見所がたくさんありました。しかし、あまりにも自然に授業が進んでいくので授業者の意図を参加者がすべて読み取れていないようにも感じました。解説は教材研究にスポットを当てていますし、自分の口からは話しにくいこともあるでしょう。この授業のよさにあまり触れられていないのがとてももったいなく思いました。このことを同席しているスタッフの先生に話したところ、ありがたいことに私が授業解説をする時間をとるように進言してくださいました。おかげで、特別に時間をいただいて、この授業の素晴らしい点を伝えることができました。ありがとうございました。

今回は時期の問題もあり、例年と比べてスタッフの数が少なかったのですが、一人ひとりのレベルが高く、参加者の満足度が高い研修を実現できていたと思います。
また、参加者は自腹を切って参加するような方たちです。学ぶ意欲も旺盛で積極的で、実に素直に講師の話を受け止めていました。きっと多くのことを学ばれたことと思います。ただ残念なのは、この研修会はリピーターが少ないことです。多くの方が経験するという意味ではよいことなのですが、一度研修を受けたからといってすぐに身につくものでもありません。研修の内容を授業に活かそうとすれば必ずうまくいかないことや疑問点にぶつかります。そういった問題意識を持ってぜひ来年も参加していただけたらと思います。

スタッフの皆さんの努力に敬意を表するとともに、大きな刺激とたくさんのことを学ぶ機会をいただいたことに感謝します。ありがとうございました。10年目となる来年の研修会はさらにバージョンアップしていることと楽しみにしています。
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