志水廣先生「退官記念講演」と志水塾のこと

先週末は、愛知教育大学の志水廣教授の退官記念講演に参加させていただきました。全国から300名もの方が駆けつけられ、「笑瀾万丈」と題する講演を楽しく聞かせていただきました。

人との出会い、縁を大切にすること心がけている志水先生です。他者に対する感謝の気持ちを持つこと、他者に対してありがとうと言ってもらえるような行動をとることの大切さを、ご自身の人生を例に笑いを交えてお話しされました。
志水先生を塾長として活動してきた志水塾では本当にたくさんの方と素晴らしい出会いがありました。

私と志水塾との関係は、立ち上げ時の代表を務めていた先生から、是非手伝ってほしいという声をかけていただいたことから始まります。当時、志水先生が引退したら自分のメソッドを全国に広げる活動をしたいとおっしゃっておられたそうですが、その先生は先に延ばすのではなく、すぐに実現しましょうとまわりの先生方に声をかけ、自ら代表としてゼロから立ち上げられたのです。本部主催の研修会以外にも、各地区の先生方が研修会を開催するようになり、志水塾の活動は愛知県から全国に広がっていきました。その中でも、年1回行う本部での研修会は、他の規範となるものとすべく、毎年新しい内容を盛り込むことを旨としました。運営や準備だけでも大変な中、研修の進め方や授業メソッドなどの中身についても代表を中心に、愛知県をはじめ全国の先生方が手弁当で力を合わせてつくり上げていきました。私もその一人として研修をつくる過程を皆さんと共有させていただきました。また、研修会当日は、自ら学びたいという意欲のある先生方の研修場面に立ち会い、アドバイスをさせていただく機会も持たせていただきました。こうして先生方と学びを共有することができたことが、私の現在の仕事の基盤となっています。どれだけ感謝しても感謝しきれません。
本部での研修会は10年間にわたって続きました。しかし、その10年間で愛知県の中心となった先生方が次第に自由に動くことができない立場になってきました。次世代を育てられればよかったのですが、教員の年齢構成などの問題もあり、新しいものをつくりだす力を維持できなくなったのです。愛知県での本部研修会の開催を断念するにあたって、代表から相談があった時のことを今でも覚えています。苦しい胸の内を語られました。ゼロから立ち上げてここまでにしたのに、断腸の思いだったでしょう。
あれから、もう何年も経ちました。愛知県での活動は小さくなってしまいましたが、幸いにも全国各地の仲間は元気に志水塾を開催してくれています。そんな仲間と久しぶりに出会えたとても楽しい講演会でした。

ただ一つの心残りは、代表を務めた先生が全体でお話しする機会がなかったことです。こうして全国から集まった仲間の間違いなく中心にいた方だからです。時の流れの無常さも感じました。
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