卒業式の「涙」に子どもたちの成長を見る

先週は、学校評議員をしている中学校の卒業式でした。

3年前の入学式で校長が、「涙をたくさん流せるような生活をしてください」という言葉を贈っていました。「うれし涙」「感動の涙」「悔し涙」をたくさん流せるように、一生懸命中学生活を送って欲しいとの願いです。
この日の卒業生の姿から、この言葉の通りの生活を彼らが送ってきたことがわかります。卒業生の「旅立ちの言葉」の中にも涙が何度も登場しました。3年間を振り返りながら感極まって涙を流す子どもがたくさんいます。子どもたちからの感謝の言葉に多くの先生が涙を流していました。
式後の校長の来賓への謝辞に、「教師の仕事は大変なことが多いが、いくつかのとても幸せな時がある。その一つが卒業式です」という一言がありました。その言葉に多くの来賓がうなずいていました。

ここ数年、以前と比べて卒業式の子どもたちの姿から3年間の成長を大きく感じるようになりました。卒業生の姿そのものが以前と比べて大きく変わっているようには思えません。ということは、入学時での姿が幼くなっているということなのでしょう。今年の卒業生についても、こんなことで大変だった、困った子たちだったという言葉が来賓控室で話題になります。それが、以前と比べて変わらないまでに成長するということは、先生をはじめとしてまわりの大人たちが本当によい形でかかわってきたのだと思います。
とかく私たち大人は「最近の子どもは・・・。若者は・・・」という言葉をよく使いがちです。しかし、彼らの姿は私たちがつくりあげているものでもあります。今の子どもたちの精神年齢は以前と比べて7掛けだという方もいます。例えそうだとして、私たちのかかわり方次第で大きく成長するはずです。その役割を学校にだけ求めるのではなく、この学校のように地域の方も一緒になって子どもたちの成長にかかわることが大切になります。文部科学省がコミュニティスクール(学校運営協議会制度)をより推進する姿勢を打ち出しました。子どもたちを多くの大人が見守り育てることはとても大切なことです。この制度がうまく機能するためには多くの課題があります。それぞれの地域で工夫をして、子どもたちがより成長できるような態勢が取れることを願っています。

ともあれ、子どもたちの3年間の成長を実感できた卒業式でした。毎年このような素晴らしい場に立ち会える機会をいただけていることに感謝です。
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