企業での新人研修(2日目)

昨日は企業の新人研修の2日目でした。
午前は学校ホームページで「何を変えられるか」という課題を考えてもらいました。学校ホームページは誰を対象としたものか、その対象にどのようになってほしいのかという視点で整理してみます。その上で、学校ホームページからその具体例となる記事を探すというものです。みなさん、まず母校のホームページを検索します。中には昨年の体育大会の記事が最新という学校もあります。ここからどのようにして記事を探すかが問題です。やみくもに探す人、J−KIDS大賞のようなサイトの上位校から探す人、個人が運営しているサイトのランキングから探す人、いろいろです。途中で探し方を共有し、グループで情報交換をしてもらいました。

参加者は、デザインや利便性といったところに目がいきます。保護者が見たくなるという視点です。しかし、最初はそこでひかれても、中身がなければ継続して見てはもらえません。「記事を見ることで、どう変わってほしい」という中身の持つ意味まで考えることができていません。また、「地域」の方を対象にした記事を探したものの、ボランティア募集の記事を見つけるにとどまった人もいます。
自分の中に、「学校ホームページで誰をどのように変えることができるか」の解答の明確なイメージがないため、取り敢えずホームページを見て探すというアプローチです。限られた時間では表面的にしか見ることができなかったのもいたしかたないことです。質の高いものは、単にネットを検索していてもなかなか見つかるものではありません。
実は、この新人たちは「愛される学校づくりフォーラム2014 in京都」に全員参加していたのです。ここで得た情報を活用してほしかったのです。学校ホームページに関する話題を思い出せばヒントになりますし、登壇された先生方の学校を調べて記事のカテゴリーや内容を吟味すれば、よい記事は見つかったはずです。細かいことを思い出せなくても、それこそインターネットで調べればすぐに情報は手に入ります。フォーラムのようなものに参加することの意味がわかってくれればと思います。

午後の課題は顧客とのコミュニケーションのロールプレイです。顧客と出会う前に何をするかをまず考えてもらいます。パンフレットを準備する、顧客の情報を集めるといったことが出てきます。ここで、「先輩にアドバイスを求める」という考えは出てきませんでした。自分でまず考えることが大切です。しかし、わからないことは聞くことが必要です。経験の少ない新人だからこそ、先輩にアドバイスを求めることが重要なのです。

グループで顧客の人物像を作ってロールプレイです。やり取りの様子を見ているとよい表情を作ろうとしたり、相手の目をしっかり見てうなずいたりしています。基本的なスキルはあるようです。互いの気づきをグループで共有してもらいましたが、非常に集中して話を聞き合っていたのが印象的でした。「相手の言葉をオウム返しで言うと、共感が得られる」といったとてもよい気づきが参加者から出てきました。仲間のよいところをしっかりと見つけることができていました。

代表の1組にロールプレイを再現してもらいました。代表も他の参加者もとてもよく集中していました。ロールプレイ終了後、参観していた社長にコメントを求めたところ、すぐさま全員の頭がそちらを向きます。社長は細かいことではなく、その集中する姿勢を評価してくれました。彼らがこれから伸びるために大切なことを評価するところはさすがです。ポイントをおさえたコメントでした。

最後に、私が顧客役になって代表者とロールプレイをしました。自ら手を挙げてくれる人がいたのはとてもうれしいことです。苦戦をしたのですが、簡単に引き下がらず粘りを見せてくれました。やった者しか学べないこともあったとは思いますが、見ていた側も第三者の視点だからこそ学べることにたくさん気づいたようです。顧客の願うものとこちらが提示するものがずれていたが、自分がその立場だったらどうだったどうろかと真剣に考えていたことがよくわかります。長時間にわたる研修でしたが、最後まで、いや終わりが近づくほどに高い集中度でした。

彼らが生徒だったら楽しい学級を作れるだろうなと思うような参加者でした。講師ではなく教師としての楽しさを感じさせていただいた研修でした。参加者の皆さんとこのような機会を与えていただいた企業に感謝です。
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30