企業での新人研修(1日目)

昨日は企業の新人研修の講師をおこなってきました。ほとんどが新卒の方です。

今回の研修では、課題を通じて知識を得ることだけでなく、整理することを通じて「視点によって見え方が変わる」「視点を変えることによって見えなかったものが見える」といった視点の大切さについて気づいてもらうことを意識しました。また、グループで考えることは、他者の異なった視点に触れることになるので、考えを深めるのに有効です。グループワークを通じてこのことにも気づいてもらえたと思います。
最近の若者の特徴でしょうか、みなさんとても素直な反応をしてくれます。与えられた課題も真剣にこなそうとします。しかし、課題に対してはその答をストレートに求めようとします。ネットの利用でも周辺情報を集めることはあまりしません。課題の背景や、課題解決のための方法を考えることはあまり意識されていないように感じます。本日の研修では、そのことについても考えてもらう予定です。

今回の一連の研修で、「小中連携」「教科担任制」といった学校に関連する事柄について互いにレクチャーする課題があったようです。その課題の一環として全員の前でそれぞれがプレゼンテーションをしたそうです。その時互いに評価し合った結果を受けて、今回もう一度全員にプレゼンテーションをおこなってもらうことになりました。
今の大学ではプレゼンテーションは必須のものかと思ったのですが、学校や学部によってまちまちのようです。堂々と動きも加えて全体を見ながら話す方(試食販売のアルバイトをしていたそうです)もいましたが、思いのほか慣れていない人が目立ちました。しかし、受講者に聞いてみると、みなさん指摘されたことを何らかの形で改善しているようでした。前回は原稿を見ながらたどたどしかった方が多かったようですが、かなりの人が原稿を見ずに話せるように事前に練習していました。互いの成長を見あうことはよい刺激になります。同世代の集団で学ぶよさでしょう。
「・・・である」「・・・だそうだ」と結果や結論を述べるだけで、その根拠やその結果が意味するものについてはあまり説明できていませんでした。資料をまとめるだけで、自分が何を伝えたいのか整理できていないものも目立ちました。なぜその話題を取り上げたのか、そこから何を考えたのかといったものが伝わってきません。真剣取り組んでいたのでしょうが、姿勢が受け身だったのかもしれません。

「目的」という言葉がプレゼンテーションで使われていたので、全体に対して「目的」と「目標」の違いを確認してみました。驚いたことに、一人を除いて全員逆にとらえていました。彼らが受けた学校教育ではこのことを意識することがなかったということです。先生相手に同様の質問をしてもかなりの数が間違えます。総合的な学習の時間などで「目的」と「目標」を正しく意識して活動することの必要性を感じました。

本日の研修では、昨日の研修内容が消化できていないと苦労するように考えています。彼らがどのような姿を見せてくれるか楽しみでもあり、不安でもあります。彼らの姿が、私の昨日の研修の評価になるからです。私も彼らの姿からしっかり学びたいと思います。
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30