ビジネスと授業の共通点

これまで全く接点のなかった業界の方と仕事をしています。新しいビジネスの構築にあったって、いろいろとアドバイスをさせていただいています。私が顧客の視点に立つことで、専門家でないことを活かせると考えています。素人ですから何でも気軽に聞けます。こんなことを考えるのではないかと想像もつきます。質問することで、プロジェクトチームで課題が共有されていきます。
このことは学校での授業と考えることと同じ視点です。授業は教師が教えたいことをどう伝えるかばかり考えていてはうまくいきません。子どもがどう受け取るか、どう考えるかといった子どもの視点で考えることが大切になります。
子どもの視点で授業を見る、考えるための一つの方法が、模擬授業です。教師が子ども役になることで子どもの視点を意識できるようになるのです。模擬授業で子ども役がどんなことを感じたか、何を疑問に思ったかを伝え合うことで、教師の視点からでは気づけなかったことを共有することができます。

また、ビジネスを考える時に常に意識しているのが、かかわる人に最終的にどうなってほしいのか、それは具体的にその人がどんな場面でどのように感じる、行動することなのかです。ビジネスに関するいろいろな企画をしていると、細部に目を奪われて最終的なゴールが見えなくなってしまうことがよくあります。大切なことは、「何をするか」ではなく、この企画を実行した時、顧客や関係者が「どうなるか」です。その姿が目指すゴールと一致しているかどうかが問題なのです。このことも、授業を組み立てる時と同じ視点です。授業で目指す子どもの姿が具体的になっていつも頭の中になければ、授業中の子どもの反応に対応することができません。子どもにどうなってほしいのかが場面場面での判断の基本になるからです。

ビジネス書で学ばれる学校の管理職が増えています。学校経営だけでなく授業にもビジネスの世界と共通のことがたくさんあります。何かを達成するための視点は、ビジネスだろうが授業だろうがそれほど大きくは変わらないように思います。今私が経験のない業界でのビジネスで学んでいることも、授業を考える上で大いに役に立ってくれると期待しています。この経験を学校教育の世界によい形で還元したいと思っています。
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31