練習を意味のあるものに

学習には訓練的な要素があります。できるようになるためには練習も必要です。漢字の練習、計算練習などは学習として必要なものだと思います。練習で気になるのはできるようになるという本来の目的に対して、やったかどうかを問う傾向にあることです。たとえば、宿題であればやってきたどうかをチェックしますが、なかなかその質を問うことはしません。なかには適当に穴を埋めて終わってしまう子もいます。
よくおこなわれるのが、小テストと組み合わせることです。練習したことが評価につながるので、一生懸命にやる可能性があります。しかし、よい結果がでれば練習したことが報われますが、しっかりやったのに結果が出なければ自分はダメだとやる気を失うことにもつながります。結果が出ない努力は次第に苦行と化していきます。やってもダメなら手を抜くようにもなります。報われない努力はどうしても続きません。練習を意味のあるものにするにはどうすればいいのでしょうか。

練習の評価をやったかどうかだけでなく質や量も評価し、その積み重ねを評価することが大切になります。
漢字の練習であれば、字の丁寧さ、何回練習したか。計算練習であれば、正解率、何問解いたか。こういうことを評価します。授業中の練習であれば、教師がその場できれいに書けている字や正解に○をつけてあげるとよいでしょう。宿題であれば、チェックを教師がすべてするのではなく、子ども自身にどれだけやったか、正答率はどうであったかと表やグラフにさせるとよいでしょう。努力の結果を見えるようにすることでテストとは違った達成感を持たせることができます。教師は、子どもが自分で評価できないことをチェックするようにします。もちろん、評価はできるだけポジティブにします。小テストなどで結果がすぐに出なくても、練習そのものがほめられる、評価されることにつながれば、楽しいものに変わりやる気も出ます。

もちろん小テストなど練習の成果を評価することでやる気を出させることも大切です。本来練習は結果を出すためのものなのですから。このとき、1回ずつできたできなかったかだけでなく、前回と比べてどうだったかという進歩も評価することが必要です。前回と比べて正答率が上がったか、週単位、月単位ではどうか。子どもたちの進歩を見える形にする方法はいくらでもあります。自分が進歩している実感を持てれば、練習をすることは苦になりません。毎回違った子どもがほめられるような小テストでありたいものです。

練習はただやればいいものではありません。意欲的に取り組むかどうかでその効果は大きく違ってきます。練習することがポジティブな評価につながるような工夫してほしいと思います。
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