学校HPの変化

学校HP(ホームページ)の発信を見ていると、この何年間でいくつかの変化があったように思います。
以前は、入学式や卒業式、体育大会などの行事や特別なことだけが記事になっていました。それも行事が終わってから何日か経ってやっと更新されるという状態です。しかし、学校用のHPシステムやブログの普及で簡単に記事が更新できるようになってから、学校HPもほぼ毎日更新することが当り前になってきました。それに伴い、記事の内容も、特別なことでなく毎日の子どもたちや学校のようすが中心になってきました。
そして、最近になって、ただ日常の姿を記事にしているのではなく、学校が伝えたいものを意識して記事にしていると感じることが増えてきました。HPが学校公報として機能し始めたということでしょう。

この視点でHPを考えると、学校が伝えたいことが明確であることが大切になってきます。明確であれば、記事もシャープになります。
子どもが真剣に学んでいることを伝えたいのであれば、必然的に授業中の記事が増えます。子ども同士のかかわり合いを大切にしているのであれば、子ども同士が話し合っている場面が記事になるでしょう。HPの記事から自然に学校が目標としているものが伝わるようになってきます。
また、もう一歩進んで、子どもや学校のようすから伝わればいいというだけでなく、積極的に学校が目指すものはこういうものです、この活動にはこういうねらいがあるのですと、明確な記事として載せる学校も出てきました。これは、学校にとってはとても厳しいことです。なぜなら、目指すものを明確にしている以上、本当に実現できているかという目で見られることになるからです。「学校はこのように、子ども同士が互いにかかわりながら学ぶことを目指しています」と記事にすれば、学校公開日のときには、子どもがそうなっているのかを参観者はチェックします。できていなければ、当然厳しい評価となって返ってきます。それでも記事にするということは、必ず実現するという強い意志の表れでもあります。このことは、外部だけでなく内部にとっても意味があります。職員がこの記事を読めば、自分が実現できていなければ外部から厳しい評価をされるというプレッシャーがかかります。逆に、達成できている具体例として記事に取り上げられれば、やる気につながります。校長が職員会議で経営目標について語るよりよほど効果があります。
こういう記事が多い学校は、HPを学校経営の道具として意識しているということです。

先週、何校かで靴がきちんと下駄箱に入れられている写真が紹介されていました。「本校は子どもたちが落ち着いています」と言うよりも、よほど雄弁に語ってくれます。子どもや学校のようすで伝えるということがよくわかっている学校だと思います。記事にしたいがとても記事にできない状態の学校もあるかもしれません。「今はこの状態ですが、1年後にはキチンとなるようにします」と宣言できれば素晴らしいと思います。
また、年度初めの学力テストについてもその意味をきちんと説明している学校がいくつかありました。この時期におこなう意味、何を調べる、何に活かすのかが書かれていました。この記事を読めば、なるほどそういうことかと納得し、きちんとそいうことを伝える学校の姿勢に信頼を寄せると思います。当然読んだ方は、テストの結果はどうだったのか、結果を受けて具体的にどのような対応をするのか興味を持たれるはずです。ただテストをおこないましたという記事との違いです。読まれた方の疑問や関心にきちんと応えるという意志があってはじめて載せられる記事だと思います。

HPが学校に根付き、進化してきています。HPを学校経営の道具としてうまく使う学校が増えてきました。HPがまさに学校の顔となりつつあります。学校の顔としてどうあるべきか意識することで、学校経営もシャープになるはずです。こんな視点で学校HPを見るのも楽しいものです。
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