プレッシャーを考える

人はプレッシャーがないと頑張れないところがあります。私たち大人でも締め切りがないとなかなか仕事に集中しなかったりします。子どもたちにとって適度なプレッシャーはとても有効です。しかし、場合によってはプレッシャーをかけることで子どもたちのやる気がなくなってしまうこともあります。どのようなことに注意をすればよいのでしょうか。

基本となるのが、プレッシャーをかけてうまくいかなった時に子どもが自分はダメだったとネガティブにならないようにすることです。

たとえば時間を区切ってプレッシャーをかける場合、「5分間で10問解きなさい」といった目標を設定すると、9問解いた場合でもダメだったということになります。「5分間で何問解けるかな」とすることで、9問解けたと評価できます。できた、できなかったではなく、どれだけできたかを問うようにするとネガティブになりにくくなります。

また、どれだけできたかを問うことで、進歩をみることもできます。5分間で5問解けた子どもが次に7問解けるようになれば「進歩」したと評価できます。
「後片付けを3分でやって」だと、3分を越してしまえば集中力が切れます。「後片付け何分でできるかな」とすることで、少しでも早くしようとします。その時の時間を記録しておけば、次にそれよりはやくなれば「進歩」したと評価できます。
進歩を求めるようなプレッシャーのかけ方をすることで、ネガティブになりにくくなります。

次に意識してほしいことが、過度に友だちと比較をしないことです。だれが1番、2番と評価すると、できない子はなかなか評価されません。プレッシャーをかけてもどうせダメだとかえってやる気に差が出てしまいます。どの子も頑張ったことを評価されるようなプレッシャーである必要があります。友だちとの相対評価ではなく、個人内の相対評価、進歩でプレッシャーをかけてほしいのです。
「速かった人」を評価するだけでなく「記録が伸びた人」も評価するのです。

プレッシャーは子どもたちに集中して取り組ませよい結果を出させるためにかけるものですが、結果が出ないと逆にやる気をなくしてしまうことにもなります。個人差を考慮しない一律のものではなく、一人ひとりの頑張りが結果につながり評価されるように意識することが大切です。
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