「儲けなければいけない」意味

愛される学校づくりフォーラム2012 in 東京」が終了して2週間が過ぎました。パネルディスカッションの写真愛される学校づくりフォーラム2012 in 東京」が終了して2週間が過ぎました。パネルディスカッションの写真と<swa:ContentLink type="doc" item="46952">記録</swa:ContentLink>がアップされましたので、是非ご覧ください。

先週末このフォーラムをバックアップしていただいた企業の社長と久しぶりに2人で話す機会がありました。当日のパネルディスカッションに登壇いただきましたが、その際の言葉がとても印象に残っています。

学校関連のソフトウエアやサービスに関して、司会から「儲かっていますか?」という質問がされました。それに対して、「まだ儲かっていない。儲けたい。儲けなければいけないと思っている」と答えられました。また、関連して、学校と一緒に商品を開発することに対して色眼鏡で見られることも語られました。会場の先生方はこの言葉をどうとらえたのでしょうか。

教員は「儲ける」という言葉に対してネガティブな感情を持つことが多いように感じます。公立校は税金で運営されているので教員は儲けを考えることなく教育に携わっています。このことを偉いことのように考える方もいます。自分たちが直接お金を稼がないのでコスト意識を持つことが少ないようですが、教育にはお金がかかります。教職員の給料を含めて小さな学校でも1校あたり億単位の金が必要になります。企業ではそれに見合う金額を稼がなくてはなりません。それに見合うだけの価値を生み出さなければいけません。その厳しさを先生方には理解してほしいと思います。

この社長は学校や先生のお役に立ちたいという思いがとても強い方です。本当に役立つものやサービスを提供したい。そのためには現場の声を聞くことが大切だと考え、学校や先生方との共同開発に積極的に取り組んでいます。先生方を儲けに利用するのではなく、先生方の役に立ちたいとの思いからです。
では、「儲けたい。儲けなければいけない」というのは、どういうことなのでしょうか。役立つものを提供することは、儲からなければ続きません。せっかく先生方と一緒につくったよいものを、多くの現場で活かしてもらうために「儲けたい」のです。一緒につくってきた先生方の努力を無駄にしないためにも「儲けなければいけない」のです。その思いがあの言葉になったのです。

今回のフォーラムは企業のバックアップなしではとても経済的にも物理的にも実現できませんでした。このフォーラムが皆様のお役に立てたのなら、それは企業の社会貢献の一つの形なのです。これも、儲けなければできないのです。

私がいうべきことではありませんが、当日スタッフとしてお手伝いいただいたこの企業の方には、社長の言葉は届いたでしょうか。まだ儲かっていないといいながら、このようなフォーラムのバックアップをする意味、会社が儲けなければいけないことの意味が伝わったでしょうか。当日参加されなかった方やスタッフの仕事が忙しくて聞くことができなかった方は、一度この言葉をじっくり考えてみてほしいと思います。

久しぶりにお話して、「儲けなければいけない」という言葉に込められた社長の思いをあらためて強く感じました。
学校と企業がよい形で連携することで、子どもたちに今以上によい教育を提供できると思います。互いの垣根が低くなることを願っています。
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