教科書の課題を楽しむことも教材研究

教科書を読み込むと言う話を最近よくします。自分自身、仕事の関係で教科書をよく読むのですが、楽しいと思うこともよくあります。

たとえば、小学校6年生の国語のある教科書では、似た意味を持つ言葉を調べたり考えたりする課題で、その例として、「余る・残る」「ねじる・ひねる」「うれしい・楽しい」などがあげられています。どうでしょう、すぐに違いを明確にできますか。もちろん調べるのは子どもですから、教師が答える必要はないかもしれません。しかし、子どもが行き詰ったとき、どんな働きかけをすればよいかすぐに思いつきますか。調べる辞書によっては、ほとんど違いがわからないこともあります。最近は「語感の辞典」がありますが、ご存知ですか。子どもと同じ視点に立って、どれか一つの例を調べてみてください。そうすることで初めて見えることがあります。実際に調べてみて、難しいものもたくさんありましたが、無意識に自分が使い分けていた部分が「なるほど」と明確になったときなど、とてもおもしろいと感じました。きっと子どもたちも同じ感覚を味わうのだろうと思いました。教科書を表面的に見ていては決してわからなかったことです。

私が調べてみて、なかなかおもしろかったものに「にげる(逃げる)・のがれる(逃れる)」があります。どうです、この2つの違いが明確になる文をつくれますか。教えるということを少し離れて、教科書の課題を純粋に楽しむこともよいことです。きっと、授業のヒントになるものが見つかると思います。これも、また一つの教材研究だと思います。
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