学級全体の問題か個別の問題か

学級の中ではいろいろな問題が起こります。担任は一つひとつきちんと解決していく必要があります。このとき意識してほしいことが、その問題が学級全体にかかわる問題か、個別(個人)の問題かです。

「体調が悪い」と訴える子がいた。これは、個人の問題です。個別に判断し、保健室に行かせる等の対応をとります。では、「苦手な食べ物があるので給食を残したい」と訴えた場合はどうでしょうか。一見個別の問題のように感じますが、これは学級全体の問題です。「給食は残さず食べる」という全体のルールに影響するからです。ルールはみんなが守るべきことです。教師が守らせるのではなく、自分たちの問題として考えさせるべきです。教師が判断するのではなく、「みんなはどう思う」と子どもたちに問いかけます。子どもたちと一緒になって考えるのです。

授業を始めようとしたら泣いている子がいる。教師が「どうしたの」と聞いても、泣くばかりである。そこで、事情を知っている子がいないか聞く。そばにいた何人かが事情を話す。そうこうしているうちにどんどん授業時間に食い込んでいく。
これは、個別の問題を全体の問題にしてしまった例です。子どもが泣いている時点では、これは個別の問題です。話もできない状態であれば、ここで時間を使ってはいけません。「休み時間に話聞かせて」と切り上げて、授業に入るべきです。話を聞いて、学級全体で考えるべき問題とわかれば、あらためて取り上げればいいのです。

全体で考えるべき問題を教師が判断してしまうと、自分たちで考えずに教師の顔色をうかがうようになります。個別に対応すべき問題を学級全体に投げかけたり、全員の時間を使ってしまうと、その問題にかかわれない、参加できない子がでてきます。全員で考えるべき場面でも参加しくなってしまいます。
今起こっている問題は学級全体で考えるべき問題か、個別に対応すべき問題か、きちんと判断して対処することが大切です。
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