学年毎の課題を見る

先月中学校で授業アドバイスを行ってきました。各学年の様子を学年の先生と一緒に観察しました。

何と言っても驚いたのが3年生の様子です。前回も驚かされたのですが、今回はそれ以上に子どもたちのよい変化を見ることができました。3年生のこの時期です。学習面で厳しい子どもが授業に参加できなっているのを見ることがよくあります。しかし、この日はどの学級でもそのような子どもが見当たらないのです。はたからでも授業の内容についていけていないことがわかる子どもも、何とか理解しようと食らいついているのです。また、受験が近づくにつれ、自分のことに精一杯で友だちのことをかまっていられないという空気が教室に漂ってくるものなのですが、みじんも感じられません。子ども同士が支え合っているように見えます。この直前に修学旅行があったそうですが、時期外れの修学旅行が子どもたちの関係をよりよくしてくれたようです。修学旅行があったからと言って、必ずしもこのような効果があるわけではありません。短い準備期間の中、先生方がしっかりと目標を定めて子どもたちと共に真剣に取り組んだ結果だと思います。
とはいえ、今後受験が近づいてくるにつれて精神的に苦しくなる子どもが出てくると思います。先生方が支えることはとても大切ですが、この学年集団であれば子どもたちが互いに支え合うことを信じてよいと思います。子どもたちのさらなる成長を信じて見守ってほしいと思います。

2年生は、落ち着いているのですが、学習に向かうエネルギーが低いというか、集中力が続かない傾向を感じました。別の視点で見ると、ちょっと集中が切れた時の子どもたちは先生が自分たちにどう対応するかを見ているようにも感じられます。どこまでやると注意されるかを探っているように見えるのです。注意するのではなく、「どうしての?困っている?」と見守っていることを伝えるような声かけをしてほしいと思います。
似たようなことが友だちとの関係にも見て取れます。積極的に意見を言おうか、それとも様子を見ておこうかというように、自分の立ち位置を探っているように感じるのです。野外学習教室が少し前に行われたようですが、その際に子どもたちの中でリーダーが育ってきた、育ててきたという話もうかがいました。ひょっとすると、そんなことが自分は学級の中でどのようにふるまおうかといったことを意識するきっかけになったのかもしれません。この感覚が授業にも持ち込まれているのであれば、先生方は子どもたちにどうなってほしいかを意図的に伝える必要があると思います。挙手に頼らず発言を求めたり、友だちの発言に対してどのように考えるかを問いかけたりして、意識的に発言させたり、友だちとかかわらせたりすることが必要です。

1年生は新型コロナウイルスの影響をもろに受けているように思います。この時期になっても小学生のように幼く見えます。小学校の延長のままに行動し、そのことを指摘されないのでそれでよいと思ってしまっているのです。また、4月5月の大切な時期に先生と子どもの縦の関係をしっかり作れないまま時間が過ぎ、相対的に子ども同士の横の関係が強くなってしまったようにも思います。先生方が意識して子どもとの関係を作り直さないと、今後行事や学級活動で子ども同士の関係が強化されていくにつれて、コントロールが効かなくなるように思います。4月5月でするはずだった、中学生として目指す姿をしっかり伝えることからやり直すことが必要です。学年の先生方とこのことを共有するように学年主任にはお願いしました。

全体に対しては、各学年の状況と一人一台のPC環境に対しての心構えについてお話ししました。教務・校務主任、学年主任などのミドルリーダーが育ってきている学校です。新型コロナウイルスやGIGAスクールといった学校を取り巻く環境変化への対応を通じてより一層先生方が成長することを期待しています。
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