愛される学校づくりフォーラム 2016 in東京(午前の部)(その2)

愛される学校づくりフォーラム 2016 in東京(午前の部)(その1)」の続きです。

公開研究会の2番目のテーマは「若手教師の力量を高めるには」でせす。愛知県教育員会義務教育課の山田貞二先生が校長時代の経験を元に提案しました。

大量の新人が学校現場に入ってくることはピンチと言われるが、「ピンチをチャンス」に変える発想が大切です。とはいえ、新人を教える側の教師が絶対的に不足しています。若手を直接教える機会をつくることも難しくなっています。時間がなければ通常の業務の中で学びあわせるしかありません。教える人がいなければつくってしまえばいい。山田先生は若手に道徳推進教師、特別活動主任などの役割を与え、YML(Young Middle Leader)と命名しました。教えて育てるというのではなく一緒に学ぶという姿勢で、管理職や教務主任、校務主任はスーパーバイザーとして後方支援に徹します。現職教育の企画・運営を経験させたり、研修に連れていったりと小刻みに学校目標の凡事徹底を伝えていきました。若手のオフサイトミーティング(つまり懇親会)も企画します(時には婚活パーティーも!)。若手が集まるとその中から自然にリーダーとなる人が出てきます。そのような機会をつくること、そしてリーダーとして伸ばしていく仕掛けが大切なのです。初任者の研修でYMLが一緒に授業をつくったりと、後輩を育てようという意識が芽生えてきました。
この「若手は若手の中で育つ」という考えですが、教頭や教務主任、校務主任に言っても必ずしも上手く伝わるわけでありません。現実には校長のトップダウンも必要だったということです。若い人に任せることには不安もあります。「好きなことをやっていいよ」ではなく、目指す目標を明確にしておくことが必要になります。

こういった提案を受けて、会員からいろいろな取り組みや悩みが語られました。
若手を育てることは、どの学校にとって大きな課題です。大変だという声ばかりが聞こえてくる学校もあります。教育委員会の研修体制への不満を口にする方もいらっしゃいます。しかし、この状況を嘆いいても先には進みません。登壇した会員はそれぞれの学校事情に合わせて色々な工夫をされています。ある学校の取り組みがそのまま自校に使えるわけではありません。だからこそ、自分の学校でできない理由を考えるのか、取り入れられることを探すのかといった姿勢の違いが明暗を分けるのです。このフォーラムにわざわざ参加されるような方たちは、後者に違いありません。参考になることがたくさんあったのではないかと思います。

最後に玉置先生に、「使命感だけでやれることとは思えない」と水を向けられ、「楽しいから。自分が新しいことを知り、人が成長するところを見られるから」と即答した山田先生の笑顔が印象的でした。

この続きは「愛される学校づくりフォーラム 2016 in東京(午前の部)(その3)」で。
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