教え子に気づかされる

先週末に30年ほど前の教え子のクラス会に呼んでいただきました。
顔を見てすぐに誰だかわかる方もいれば、話をしていてもなかなか思い出せない方もいます。顔はよく覚えていても名前が出てこないという方もたくさんいます。みんな同じように接していたつもりでも、記憶の残り方はいろいろであることを痛感しました。
教え子たちが立派に社会で活躍している報告を聞くと教師であったことの幸せを感じます。

こういう場に参加して驚くことは、本人が忘れているような言動でも教え子たちがとてもよく覚えていることです。彼らは楽しかった思い出として語ってくれますが、私の何気ない一言で傷ついていたこともあったのではないかと思います。若気の至りで感情的になってとんでもないことを口走っていたのではないかと思うと汗顔の至りです。当時の私に今会ったとすれば、相当厳しく説教することでしょう。

教え子の立派な姿を見て、楽しかった思い出を語ってもらうと、自分が彼らを育てたような錯覚に陥ります。でも、努力したのは彼らで、私たち教師はその成長をほんの少し助けた程度、もしくは反面教師でしかなかったと思います。だからこそ、教師は、驕らず、子どもたちにとって少しでもプラスになる存在でいるための努力をし続けることが求められるのではないでしょうか。いくつになっても、教え子に気づかされ、学ばせていただくばかりです。

先生方が前向きに参加する現職教育

先日、市の2つの小学校の夏季現職教育に参加してきました。

1つ目の学校では、学校の様子を事前に知るために1日授業参観をさせていただきましたが、同行した校長が、私のコメントを実にていねいにメモし、それをわかりやすくまとめて職員に配られていました。とてもありがたいと思うと同時に、学校力アップへの意気込みを感じました。私の経験上、管理職がこのように積極的に授業改善に取り組む姿勢を見せる学校は確実にその成果が表れます。この日の研修はこのことを実感させてくれるものでした。
この学校では、問題解決型を目指した授業の課題をどうつくるかが研究テーマになっています。今回の研修は講演を中心とせず、先生方がそれぞれ持ち寄った課題を低・中・高学年それぞれで検討し、その内容を全体で共有した後、私が助言するという形で進めました。
先生方は持ち寄った課題をもとに、「多様な考え方を出させるために、発問を工夫してみた」「この課題だと子どもがこういう反応をするんじゃない」というように、具体的な授業展開や子どもの反応について積極的に話し合っていました。
発表は困ったこと、疑問点を中心に行われましたが、どの発表も「そうだよなあ」「うーん、どうするといいかな」と思わされるものばかりでした。発表を聞いている先生方も、自分のこととしてしっかりと聞かれていました。本来であれば、でてきた問題を焦点化し、全体またはグループで検討したいところですが、時間の関係で省略し、私からのアドバイスが中心となりました。先生同士の検討の時間を取ることができれば、多様な考えが引き出せ深めることができたのにと、とても残念でした。先生方には、これで終わりではなく、機会を見つけて互いに相談し合うことをお願いしました。

2つ目の学校も事前に授業参観させていただきました。問題解決の授業についての講演の依頼だったのですが、授業の様子を見させていただいて、その前に授業の基礎・基本をもう一度確認したほうがよいと思いました。発言する子どもと授業者はうまくかかわっています。積極的に発言する子どももいるのですが、一部の子どもとだけで授業が進んでいる傾向が強いのです。友だちと先生のやり取りに参加しなくても、最後に先生のまとめを聞いたり、板書を写したりすれば困らないという子どもの気持ちが透けて見えます。この状態で問題解決型の授業をしようとしても、一部の子どもが場を仕切り、多くの子どもはその結論を受け入れるだけになる危険性があります。研修担当の先生と講演のテーマを変えることについて相談したところ、気持ちよく納得していただけ、講演のタイトルを「問題解決の授業を支える基礎・基本」としました。
暑い日の午後にもかかわらず、先生方にはとても熱心に聞いていただけました。自分の授業や学級経営を思い出し、比較しながら聞いていることが、反応からよくわかります。最後の質疑応答でも、「自分はこのように考え、こうしているが、どうでしょうか?」と自身の実践と対比してのものが多くありました。

この市では毎年この時期に全小中学校で校内研修が行われ、私もここ数年、毎年どこかの学校に呼んでいただけています。どの学校でも先生方が研修を教師力向上のよい機会ととらえられていることが感じられます。私にとっても、先生方から学ぶよい機会になっています。来年もこのような機会がいただけることを願っています。
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