指示の後の子どもの動き

教師が課題や作業の指示を出した後の子どもの動きを見ていると、いろいろなことがわかります。

すぐに鉛筆を持って取り組もうとする時は、課題に対する意欲がある時、何をすればよいかというゴールが見えている時です。
実際の授業では、ここで子どもが止まってしまうことがあります。こういう時は、子どもが何をすればよいかよくわかっていないことが多いようです。周りの子に何をすればよいのかを聞く姿もよく見られます。

子どもがすぐに動き出さない時は、一旦作業を止めて、もう一度指示の内容をきちんと確認をする必要があります。

また、すぐに動き出しても、しばらくすると鉛筆を置いて動きが止まる時があります。これは、どうすればゴールにたどり着けるのか見通しが持てない時に多いようです。この状態がしばらく続くと、子どもは手遊びを始めたりして集中力を無くしてしまいます。
ここで注意しなければならないのは、単に集中するように個別に声をかけたり、できていないからといって作業時間を延長しないことです。見通しが持てないのですから、時間を与えてもなかなか解決できません。また、「わからない人はヒントを出すから聞いてね」と作業をさせたままで教師がヒントを出したりするのも、全体の集中を乱すのでよくありません。
ここは一旦作業を終了させて、全体で見通しの確認をする必要があります。
答えを発表するのではなく、最初の一手やヒントをできている子どもに発表させます。教師がヒントを出すと、できている子は分かっているので、聞く意欲を無くしてしまい、結果そのあと作業に戻っても、集中力を無くしたり、勝手に周りの子に教えてじゃまをしたりするようになるからです。

もう一つ注意して欲しいのが、できる子への指示です。できる子は早く終わるとすることが無いので、遊びだしたり、周りの子のじゃまをすることがあります。学級全体の集中力が落ちてきて、まだ途中の子も遊び始めてしまいます。手のつかない子は、できた子の存在がはっきりするので、プレッシャーを感じます。「できた人は、・・・をしましょう」と作業に入る前に指示をすることも忘れないようにしましょう。

指示の後の子どもの動きから、子どもの状況を把握して、「子どもに活動させているつもりが無駄な時間となってしまう」ことがないよう、素早く対処してください。
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