【豊橋市立福岡小学校】道徳科授業実践2年生「大きくなあれ しあわせになあれ」

 もうすぐ、ひな祭りを迎える2月下旬に、2年生の道徳科教材「大きくなあれ しあわせになあれ」の授業を行いました。
 導入では、本物のひな人形を見せました。すでに家庭でも飾られている子がほとんどでしたが、なぜ、毎年飾るのかを知らないようでした。
 次に、教材文を読みました。子供たちは、ひな祭りだけでなく端午の節句、お宮参りなど古くから伝わる行事には、成長への願いが込められていることを知りました。その後、「お父さんやお母さんは、どんな思いで、毎年おひな様を飾っていると思うか」と発問し、話し合いました。子供たちは、「健康に育ってほしいと思ってくれているんじゃないかな」「幸せになってほしいと願ってくれている」「おひな様だけでなく、私のことも大切に思ってくれていてうれしい」と両親に思いを巡らせました。
 授業の最後には、折り紙でおひな様を作り、教室の後ろに掲示しました。できあがった68体のおひな様を眺めながら、「みんな幸せになりますように」とつぶやく子供たちの姿が印象的でした。

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【美浜町立布土小学校】1年生「かぼちゃのつる」の実践

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 本授業では、自己を見つめ、考えを深める指導の工夫として、導入でかぼちゃについてクイズを出し、かぼちゃの生長に興味をもたせた。また、黒板に紙テープで作ったつるを伸ばして貼っていき、かぼちゃの気持ちに共感しやすくさせた。
 1年生は、自分の思いを文に表すのが困難な児童も多い。そこで、ワークシートの吹き出しに、かぼちゃの気持ちを書かせるようにした。また、トラックにひかれてつるが切れたかぼちゃの気持ちを、泣き顔のお面をかぶって発表させた。
「うえーん。こんなことになるなら、みんなの注意を聞けばよかった」
「わがままを言ったばちが当たった。こんなに伸ばさなきゃよかった」
など、かぼちゃの立場に立って考えることができた。
 実践の成果としては、黒板の掲示やワークシートの吹き出しにより、かぼちゃの気持ちに共感させることができた。また、まだ文を書くことに慣れていない児童にとって、お面をかぶって発表することは、かぼちゃが自分の行いを後悔する気持ちを発表する上で効果があった。




【南知多町立大井小学校】2年生「ゆきひょうのライナ」の授業実践

 2年生の「ゆきひょうのライナ」の授業実践を紹介します。
 ライナは、生まれて初めての探検で、川を泳ぐ魚をすばやく捕って飛んでいくさぎの姿を見たり、きつねに、「えものをとらなければ、こっちが命をなくしちゃうんだよ」と言われたりして悲しい気持ちになります。しかし、みみずくのおじいさんの「なくなった命の分も、一生けんめい生きることじゃ」という言葉を受け入れ、たくましく成長するという話です。
 授業の後半で「たくましく成長したライナに手紙を書こう」と発問し、ワークシートに書かせました。子供たちが書いた手紙を読むと、ライナが小動物を食べ、その命をもらって生きていることはつかめたようです。しかし、「人間もまた同様である」というところまで気付いた子は少数でした。そこで、ある子が書いた「食べた分の動物の命も背負って、長生きしてね。ぼくは、動物は食べないでご飯を食べています」という手紙を紹介し、話し合いました。
 そして、「お肉を食べるのは、お肉になった動物の命をもらってるのでは?」ということに気づいた子供たちに対して、食事の前に「いただきます」というのは、「命をいただきます」という意味もあるという話をすると、子供たちは「ああ」と深くうなずいていました。また、ある子が、「だから手を合わせるんだね」と言った言葉にも、みんなが深くうなずいていました。

【知立市立竜北中学校】命の大切さを考える道徳科授業

 本校では、東南海地震や自然災害に備えて、防災教育を進めています。
 「防災集会」では、講師の先生を招いて、「防災に備えて私たちにできること」について学習しました。災害から自分や家族、地域の人たちを守るには、どのような備えが必要か、また、災害時のストレスを軽減するための身の回りのものの活用術についても教えていただきました。生徒の感想には、「ふだんの生活で何となく使っていたもので命を守ることができてすごいと思った。家族と話し合いたい」とありました。
 命を守ることを学んだ次の週に、命の大切さを考える道徳科の授業を行いました。東日本大震災の際に、岩手県釜石市で起こった事実が描かれた資料を使いました。仕事中に大地震にあった主人公は、自身も津波に飲み込まれながら、津波の濁流に飲み込まれ車内に閉じ込められた人々を救出していく話です。目の前に、生死を分けるような危険にさらされている人がいたら、助けるべきだ。助けなかったら、一生後悔するかもしれない。しかし、自分の身の危険を冒して、行うべきなのか。自分が命を落としてしまったら、助けられた人は、その重荷を一生背負って生きていかなくてはいけなくなる。家族が悲しむ。どうしたらよいのだろう。様々な意見を交換する中で、生徒たちは、自分の命だけでなく、すべての命は、多くの人と関わりをもっていることに気がつきました。生徒の感想の中に「自分ももらった大切な命を守れるようにしたい」とありました。
 その後、地域の方の御協力をいただき、「防災体験活動」を行いました。体験した内容をクラスや家庭で紹介していきました。多くの生徒が地域の「防災訓練」に積極的に参加したり、家族で話合いを行ったりしました。
 様々な活動や授業と関連させた道徳科授業を行っていき、豊かな心をもち、主体的に実践できる生徒の育成を進めていきたいと思います。


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【豊田市立大沼小学校】道徳的実践への意欲を高めるよいこと見つけ

 道徳科の時間だけではなく、学校生活のあらゆる場面で、学年の枠を超えて互いのよさを認め合うことができるように、本校では、全校でよいこと見つけの活動に取り組んでいる。子供が学校生活の中で見つけた、友達のよい行いや努力する姿を記すことのできる「見つけカード」を用意し、いつでも記入することができるよう、各階のワークスペースに設置した。そして、そこに記された内容を、お昼の放送で全校に紹介したり、カードを校内に掲示したりして、互いのよさを伝え合うようにした。また、自分のよいところを見つけてくれた子に対する感謝の気持ちや、これからの学校生活で更にがんばりたいことをまとめる「ありがとうカード」も用意した。
 「見つけカード」が放送で読まれると、自分の行いや努力が紹介された子はとてもうれしそうな様子で、「自分も友達のよいところを見つけたい」「これからも更に努力していきたい」という思いを抱くことができた。また、放送を聞いた子にも、紹介された子を手本に行動したい、友達のよいところを意識的に見つけたいという意欲や姿が見られるようになった。
 よいこと見つけの活動により、互いのよさを認め合う温かい関係を広げるとともに、自己有用感を高め、道徳的実践への意欲を高めることができた。

【東郷町立春木台小学校】道徳科授業実践3年生「なおとからのしつもん」

 本校では、「探求心をもって積極的に粘り強く学ぶ子の育成〜互いを認め合いながら、高め合う喜びを実感できる授業を通して〜」を研究主題として、現職教育を進めています。教育目標に「心豊かでよく学び活気あふれる春木っこの育成」と示されているように、心豊かな児童の育成が大切だと考え、道徳教育の充実を図っています。
 3年生の授業実践を紹介します。教材名は「なおとからのしつもん」です。主人公の「ぼく」が「なおと」から、なぜ人によって態度を変えてはいけないのかと質問され、どう答えたらよいの分からず、困ってしまうという話です。
 休み時間に、優しい「ほなみ」が、仲間に入れてほしいと言ったら入れるのに、以前遊びに入れてくれなかった「ゆかこ」が、同じことを言ったときには、断る「なおと」の言動について考えるために、児童に役割演技をさせました。「ほなみ」と「ゆかこ」の気持ちを考えさせた後、周りの子の気持ちを考えさせました。「ゆかこ」も「なおと」に悪いことをしたのだから仕方がないという意見がある一方で、前は「ゆかこ」が悪かったけれど、仲間に入れなかったことで「なおと」も悪くなったという意見や、だめなことが繰り返されるからよくないという意見も挙がりました。
 最後に、「なおと」からの質問への答えを考えさせました。「なおとに、人によって態度を変えるのはよくないと伝えるとしたら、どのように伝えるのかを手紙に書きましょう」と言ったところ、児童からは、「仲間に入れたくない理由を言ってから、もうやらないでねと言えば、ゆかこも人の気持ちが分かる」という意見が出されました。
 今回の授業を通じて、児童は仲間の意見に耳を傾け、葛藤しながら自分の考えを深めることができました。今後も、お互いを認め合える大切な場として道徳教育の充実を図っていきます。

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【刈谷市立刈谷東中学校】道徳科の授業実践

 生徒たちが、合唱コンクールに向けて練習を始めた時期に、「初めての伴奏」という教材で授業を行いました。本教材では、合唱コンクールでピアノ伴奏者に立候補した登場人物が成長する姿から、学級で何かを成し遂げるために、自分にできることは何なのかを考えます。生徒たちは、合唱の練習時間になると、リーダーが中心となって声をかけますが、リーダー以外の生徒は言われてから動くといった状況でした。生徒たちが、集団の中で自分の役割を果たしていこうとする態度を育てたいと考え、授業を行いました。
 まず、「登場人物や学級全体が変わったのはなぜか」を考えました。その後、「自分たちの合唱をつくりあげるために大切なことは何か」を考えました。振り返りには、「自分からがんばる。そうすれば自然とみんなががんばれると思う。自分にはできることもたくさんあると思うので、それを全力でやりきれるといいと思った」「ほかの人に任せるのではなく、自分から変えていくというように、自分から行うことができるようになりたいです。自分の精一杯の声が出せるようにがんばって歌いたいです」と、自分からがんばる、変えていくことが大切だと考える生徒たちの姿が見られました。
 このような姿を見ることができたのは、意見を板書する際に、矢印を使って生徒の意見をつないだことにより、主人公のがんばりが学級全体に広がったことに気付かせることができたからだと考えます。過去に学級で協力して行った行事の写真を用意し、がんばったことを想起させたことも有効だったと思います。
 今後も、生徒が自分事として考えられるような道徳科の授業を実践していきたいです。

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【小牧市立三ツ渕小学校】4年生「自分だったら」道徳科の授業実践

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 4年生の道徳科で、「スーパーモンスターカード」の授業を行い、正しいことを行う勇気について考えを深めました。この教材は、万引きをしようとしている友達を止める「ぼく」の姿を通して、善悪の判断、自律性などについて考えます。そして、正しいと判断したことを自信をもって行う判断力を育てることをねらいとしています。
 万引きをしようとした友達が、「カード、どうしてもほしかったんだ」と、「ぼく」にしょんぼり話しかけます。自分が「ぼく」だったら、友達にどう言葉をかけるのか、4人グループでの話合いの後、全体で交流しました。「『万引きはダメだよ。警察に捕まるよ』と伝えたい」「しょんぼりしているから、何と声をかければよいのか分からない」「『一緒にお小遣い日まで我慢しよう』と伝えたい」など、様々な意見が出ました。
 授業の終末部分では、「最初は、何と言えばよいか分からなかったけれど、○○君が言った通り『一緒に頑張ろう』と言えばよいと分かりました」「友達だからこそ、いけないことはいけないと注意した方がよい」などの振り返りが聞かれました。
 相手のことを考え、正しいと判断したことを自信をもって行動に移そうとする気持ちの高まりが感じられました。

【東海市立明倫小学校】よいところ見つけをしよう

 本学級では、自分にはよいところがないと自信がもてないでいる児童や、友達の悪いところばかりを報告にくる児童がいました。そこで、自分や友達のよさに気付き、個性を大切にすることをねらいとして、1年生の教材「ええところ」で道徳科の授業をしました。
 本教材は、自分にはよいところがないと思っていたあいちゃんが、友達のともちゃんから、「手があたたかいところが、あいちゃんのええところや」と言われ、更に「みんなにやさしいところが、あいちゃんのいちばんええところや」と言われ、自分にもよいところがあると気付くことができ、ともちゃんのように人のよいところを見つけようという気持ちになるという内容です。
 「ええところ」を読み終えた後、「みんなのよいところは、なにかな」と問いかけると、「ない」と言っている児童もいましたが、ワークシートによいところを書き合う活動を通して、自分のよいところを教えてもらうことができました。初めは、なかなか書けずにいた児童もいましたが、「○○くんのよいところしってるよ」「わたしも」と積極的に書くことができるようになっていきました。「いつもえがおで、わらっているところ」「しょうじきなところ」「車にくわしいところ」など、児童の個性に合ったよいところが書かれていました。
 振り返りでは、よいところ見つけをした感想を発表しました。「みんながたくさん書いてくれてうれしい気持ちになりました」「自分にもよいところがあってよかった」「これからもよいところがふえるようにがんばりたい」といった発表があり、ねらいに近づくことができました。

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【刈谷市立衣浦小学校】異学年交流

 5年生の道徳科において、教材「祖母のりんご」を使って、3年生が参観・参加する中で授業を行った(本校の研究の手だてである異学年交流のなかの異学年児童参観)。
 この教材は、認知症を患う祖母の言動に、いらいらをつのらせた主人公が、父の言葉や、祖母から看病してもらったことを契機に、祖母に対する気持ちを変化させていくという内容である。家族の言動に批判的・反抗的な態度を取りがちな5年生にとっては、適切な教材である。
 今回、3年生が授業を参観・参加したことで、中学年らしい素直な発言によって温かい雰囲気で授業を進めることができた。導入部分の「家族に言われてうれしかったこと・嫌だったことはあるか」という質問に、5年生は最初、「口うるさく言われて嫌だ」「自分ばっかり」など、家族に対して否定的な発言をしていた。しかし、3年生の「大好きだから」「ほめてもらえるとうれしい」など、素直な表現を聞くなかで、5年生の子供たちの発言も「やっぱり、家族は大切にしたい」「どんな風になっても味方でいたい」というように、素直な表現に変わっていった。
 今後も、教材のもつ道徳観を学ばせながら、いろいろな学年との交流をする中で、それぞれの学年の見方を関わらせ、幅広い視野の子供を育てていきたい。

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【豊橋市立芦原小学校】道徳科の授業実践〜4年「いのりの手」(友情、信頼)〜

 本校では、学年で1つの教材を取り上げて研究、実践を行っている。はじめの学級の授業実践後、課題や反省点を生かして次の授業に取り組むようにしている。主な手だては、次のとおりである。
(1)発問、補助発問の工夫
 登場人物が支え合える関係であり、どちらか一方の自己犠牲ではないことに気づけるように、「二人の友情をどんなところに感じますか」という主発問を設定した。 はじめの学級の反省を生かし、更に深く考えを引き出すために「どうしてそう思ったの」と問いかけ、自分の言葉で説明させた。
(2)ワークシート,板書の工夫
 「一方通行ではない支え合う友情」を視覚化するために、ワークシート、板書ともに二人の登場人物を対比させたレイアウトにした。はじめに行った学級の授業では、子供たちの意見が定まらなかったため、更に焦点化した話合いができるようにするために、次の学級の授業では、片方から集中して取り上げて話合いを進めた。また、気持ちの矢印を入れたり、「自分だったら」と登場人物の気持ちを自分ごととして考えた発言は黄字で表記したりして、友達を思う気持ちを視覚的に理解できるように改善した。    
 子供たちは、「してあげる友情」から離れられず、「自分を犠牲にして相手に尽くすことが友情である」という捉えが強くなってしまった。相手の幸せが自分にとっても幸せであるという二人の友情に気づかせるために、子供たちの意見から話題を焦点化していくことが必要であったと感じた。


【東海市立上野中学校】「いじり」「いじめ」を考えて

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 1年生の道徳科の授業で、「いじり」「いじめ」につながる言動について、教材「『ごめんね』って言えたのに」を使って考えました。
 本校の生徒は、主に3つの小学校から入学してきており、最初は、お互いに距離をとっていました。しかし、しだいに慣れ始めると、友達に過度に接触したり、相手の反応を見ておもしろがったりする場面が増えてきました。この時期に取り上げるには、適切な教材となりました。
 はじめに、「今までに自分が友達にしてしまった嫌なこと」と「自分がされて嫌だったこと」をポートフォリオに書きました。その後は、二つの項目の分量はどちらが多いか視覚的に各々が比較をしました。多くの生徒は、「自分が友達にした嫌なこと」に対して「自分が友達にされた嫌なこと」が、圧倒的に分量が多いことに驚いていました。ポートフォリオには、「自分が嫌だと思うことはよく覚えているけれど、相手が嫌だと思うことをした記憶があまりないのは、相手に悪口を言っている感覚がないからだと思った」「いじめは、自分がやったらなかなか気付かなくて、されたら心に残りやすいものだと分かった」「自分がされたことは忘れないけど、相手にしたことはほとんど覚えていない」と感じたことを書いていました。
 振り返りでは、「人の気持ちを考えて行動できる人になりたい」「言葉を発する前に、相手がどう感じるかを考えてから言いたい」など意見が出ました。後日、学級通信の中で全員の振り返りを匿名で載せ、みんなの考えを共有しました。今回の授業では、自分自身について、じっくり振り返ることで「いじり」と「いじめ」を考える時間となりました。

【豊田市立萩野小学校】5・6年生の道徳科「チキンマスク」

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 9月に、5・6年生(複式学級)の道徳科で、「自分のよさを見付けて(個性の伸長)」の授業を行いました。「チキンマスク やっぱりぼくはぼくでいい」という絵本を使用し、全員が内容を理解できる資料を選択しました。
 この授業では、子供たち同士で、互いのよい「マスク」を見つけ合いをしました。はじめは、「運動ができる」「ピアノが上手」などの外面的な要素から、やがて、「何でも真剣」「やさしい」など内面にふれた意見も出されました。それを聞いた子供たちは、「みんなが書いてくれてうれしかった」と感想を言いました。絵本の資料を取り入れたことで、積極的な意見交換ができました。

【豊田市立末野原中学校】特別支援学級での道徳科の実践

 今年度から、中学校でも道徳が教科化となり、特別支援学級でも、週1回の道徳科の授業を行っている。読み物や教師の話を理解する力、感情の表し方、気持ちを言葉で伝える力などが一人一人で大きく違い、教材選びもとても難しい。その中で、絵本を使った授業は、様々な実態の生徒たちでも、いろいろと想像が膨らみ、考えやすいようであった。
 「よい子への道」では、よい子になるための話がのっており、その中のいくつかを例に挙げ、「自分たちが愛される人になるためには、どうしたらよいだろう」を考えた。生徒たちが生きていく上で、誰からも愛される存在になることは、大切だと思ったからである。プリントに書くことが苦手な生徒たちも、写真のようにイメージマップをつくっていくと、様々な意見を出すことができ、自分は、何をがんばっていけばよいかを見つけることができた。
 また、「なんだろう なんだろう」を利用して、「うそ」について考える授業をした。絵を提示しながら、「ついてよいうそと、ついてはいけないうそ」について考えた。出てくる登場人物のうそは、よいかどうかを考えつつ、自分たちと照らし合わせることで考えも深まった。
 感想には、「人を傷つけるうそは、人を傷つけてしまって友達じゃなくなるので、人を傷つけるうそは、絶対に言ってはいけないと思いました」と書いた生徒もおり、生徒たちの中に、うそはいけないという気持ちをもたせることができた。

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【あま市立甚目寺東小学校】2年生「わたしたちの校歌」

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 学年のまとめの時期を迎え、よりよい学校生活を目指して、2年生の道徳科教材「わたしたちの校歌」の実践を行いました。日頃から慣れ親しんでいる校歌ですが、2年生児童にとっては難しい言葉が多く使われています。文字に表したり、教師の説明を聞いたりしながら、歌詞に込められた願いについて話し合いました。「有名な観音様が、ぼくたちのことを見守ってくれているんだね」「勉強も運動も両方がんばろうって言っているんだね」「歌声がひびく学校だって。その通りだよ」「進んで取り組むことは、自分はできていないけれど6年生はすごいよ」等々。
 その後、学校のよいところを見つける活動を行いました。児童会の企画です。「手紙にして校長先生にプレゼントしよう」という目的があり、どの児童も意欲的に取り組みました。道徳科の授業で話し合ったことが生かされ、「手紙が裏までいっちゃうよ」「2枚目が欲しいな」という声が多く聞かれました。そして、全校朝礼で児童会役員から手紙の一部が紹介されると、「私と同じこと書いている子がいたよ」と喜んだり、新聞にしてはり出された内容をじっくり読んだりする姿が見られました。授業と児童会活動を関連させることで、より深い学びとなりました。

【岩倉市立南部中学校】自己を見つめ、よりよく生きようとする子どもを育てる道徳教育

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 本校では、現職教育の主題を「知をひらく」とし、全職員が一丸となって授業づくりの研究に取り組んでいます。「知をひらく」とは、いまだ知らない新しい知と出合い、それを自分の中に取り込みながら何かを認識し、知を広げていくことで、「今日の自分」が新しい知と出合い、他者と知を交流させながら、「昨日の自分」を「明日の自分」に拡大していく知的な営みのことです。以下に、グループ内での学び合いに意識をおいて行ってきた、本校の道徳の授業実践を紹介します。
 3年生では、教科書「とびだそう未来へ」の「家族の思いと意思表示カード(自他の生命の尊重)」を教材にし、授業実践を行いました。教材の文章に入る前に、導入でドナーカードの存在と意義、そして脳死の定義について確認しました。その後、中心発問の「あなたにとって大切な人が脳死状態になってしまったら、臓器提供を認めるか」という問いを投げかけました。グループ内で、「本人の意志をどう考えるべきなのか」「残された家族だけで決めてもよいものなのか」「他人の体の中で家族が生きていくということを肯定的にとらえるべきなのかどうなのか」など、様々な観点から考え葛藤し、多くのことを話合う姿が見られました。
 中には、脳死を本当に死んでいる状態としてとらえていない生徒も一部おり、「命を奪っているのに近い感覚を抱いてしまう」「意識が回復する可能性も現代の医療ではゼロではない」などの意見が挙がりました。教材を読んだ後にも、再度、話合いをし、「実際に、その場面に立たされた場合、自分ならどうするべきなのか」「ドナーカードを所持していなければ、家族としてどう判断するか」など、議論を進めていく中で、考えは深まっていきましたが、なかなか立場を決められない生徒もいました。いろいろな意見を受け止めて自分なりに考え、立場を最終的に変えていった生徒も中にはいました。
 授業の終末には、「あなた自身は、ドナーカードにどのような意志表示をしていきたいか」「命を大切にするとは、どのようなことか」という二つのことについて、自分の考えをまとめさせました。すると、8割以上の生徒が、臓器提供をしていきたいと意思を表しました。
 授業の感想には、「自分の命の一部が、誰かの命を救うことになるのであれば、ぜひ臓器提供に協力したい。それが命を粗末にしないということだ」という意見や、「自分のように、恵まれた環境で命を脅かされずに暮らしていけることに感謝し、自分に与えられた生をしっかりと全うしていくことが大切だと思った」という言葉が書かれていました。
 今後も、生徒同士の学び合いを中心とした道徳科の授業を通して、生徒が自己の生き方をより深く見つめられるようにつなげていきたいと考えています。

【小牧市立味岡中学校】道徳科の授業実践「ひび割れ壺」

 3年生の教材「ひび割れ壺」で授業を行いました。面接練習を行っても、なかなか自分の短所は言えても長所を見つけたり表現したりすることができず、悩んでいる生徒が多くいました。そんな生徒たちに、自分のよさに気づけるようになってほしいという思いをもって実践を行いました。
 最初に、ペアで「お互いのよいところ」について、1分程度具体的なエピソードを絡めて言い合うことで、温かい雰囲気を作りました。その後、「では、自分の短所は?」と問いかけ、「今日は、『自分らしく生きるとは』について考えてみよう」と提示し、「ひび割れ壺」の範読を聞きました。
 簡単に登場人物の確認をした後、グループ隊形にして、「水くみ人は、何をひび割れ壺に伝えたかったのか」について話し合いました。「ひびは、本当に短所なのか」「ひびは、ない方がよいのか」などについて議論した後、「では、わたしにとってのひび、つまり短所について考えてみよう」と投げかけ、グループでそれぞれの短所について話し合いました。
 授業を終えて、短所が場合によっては、長所ともいえること、「ひび=短所」も、自分の一部であることに多くの生徒が気づくことができました。また、仲間から様々な指摘をしてもらうことで、自分では気づいていなかった自分のよさに気づける生徒もいました。
 考え、議論する道徳の授業づくりを通して、生徒の意見を否定せず受け止める難しさとやりがいを実感しています。今後も、一人一人が納得解をもてるような授業を目指していきます。
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【豊田市立小原中部小学校】2年生「ぽかぽかあいさつってなに?」の授業実践

 2年生は、大きな声で元気にあいさつができるが、「大きい声がよい」という単純な考えであいさつを行っているように思えた。そこで、あいさつのよさを考えることを通して、相手を意識したあいさつができるようになってほしいと願い、教材「さて、どうかな」を使って、本実践に取り組んだ。
 実践のポイントとして、「1.児童主体で設定する学習課題」「2.役割演技」「3.構造的な板書」を意識して取り組んだ。
 学習課題の設定では、導入でつぶやいた発言を取り上げ設定した。範読を聞いている様子や、その後の積極的な発言の様子などから、子供たち自身で「考えたいスイッチ」を入れることができたと感じた。
 役割演技では、「ぽかぽかあいさつをしたい」という目的をもって行った。見ていた人が感じたことを発表することで、「ぽかぽかあいさつは、周りの人の心にも伝わる」ということに気付くことができた。
 板書では、めあてを明確に示し、問題点や考えの深まりを視覚的に分かりやすくすることで、子供たちの価値観を広げ・深めることができた。
 本実践を通して、あいさつへの意欲の高まりを感じた。次の日から、相手の目を見たり、名前をつけてあいさつをしたりする子供が増えた。
 今後も、日々の学校生活での様子を見取り、子供たちを認めてあげることを通して、あいさつへの価値観をより一層、広げ、深めていきたい。
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【東浦町立森岡小学校】「道とく振り返りシート」を利用した一枚ポートフォリオ評価

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 本校は、昨年度より、「道とく振り返りシート」を利用し、一枚ポートフォリオ評価を行っている。道徳の計画案に従い、各学年の重点目標をもとに、テーマを設定している。
 本年度の2年生の重点目標は、「善悪を判断し、人間としてしてはならないことについて考える」「友達と仲よく助け合う気持ちを養う」である。そのため、テーマを「友達や地域の人と仲よくするために、自分ができること」とした。そして、教科書の資料の中から、「友情、信頼」「節度、節制」「親切、思いやり」など、人との関わりに関する内容を選び、それらの授業後に振り返りシートを書くよう計画を立てた。
 まず、授業前にテーマについて考え、シートの「授業前」の欄に記入させる。児童は、「友達に、一緒に遊ぼうと声をかける」「困っていたら助けてあげる」などの考えを記入していた。その後、「きいろいベンチ」「おれたものさし」「かっぱわくわく」「あいさつっていいな」などの学習をし、シートに考えを書き加えていった。最後に、すべての授業の感想を読み返させ、授業を振り返らせた後、シートの「授業後」の欄に、もう一度、テーマについて考えを記入させた。児童は、「あいさつをする」「親切にする」「みんなでつかうものは、大切につかう」「いつも笑顔でいる」「正直にあやまる」など、考えを膨らませていた。そして、学習前と学習後の記述を比較し、感じたことを記入させた。
 「道とく振り返りシート」に蓄積された児童の記述から、児童の成長を見ることができた。すべてを通して見ると、記述が増え、内容も深まっている。また、児童本人も自分の成長を自覚できた。さらに、「道とく振り返りシート」は、担任の評価を記載し、家庭に持ち帰らせる。保護者に個々の児童の成長を知らせるという面でも、大変便利である。

【春日井市立松山小学校】2年生授業実践「こまっている子がいるよ」

 2年生の道徳科で、資料「こまっている子がいるよ」の授業を行い、親切・思いやりについて考えを深めました。
 はじめに、「困っている子を見たことがあるか」という自身の経験を振り返りました。「迷子になって困っていた子がいた」「忘れ物をして困っている子がいた」など、日頃の生活を思い起こして積極的に発表しました。
 資料は、校庭で仲間に入れず困っている子と、砂場で砂のお城を壊してしまって困っている子という二つの場面で、自分ならどうするかを四つの選択肢の中から自分の考えに近いものを選んだり、実際に役割演技をしてどう感じるかを確かめたりしました。相手のためになる言葉がけや、相手の気持ちを考えた行動について意見交流することで、誰かが困っているとき、相手の立場に立って考え、行動することの大切さに気付くことができました。
 振り返りでは、「相手に、何に困っているかを聞きたい」「怒らないで、ふわふわ言葉をかけたい」「『どうしたの?』と、声をかけられるようになりたい」などの意見が聞かれました。相手のことを考え、親切な行動をとろうとする気持ちの高まりが感じられました。
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