【瀬戸市立下品野小学校】道徳科授業実践「ケンタの役割」

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 5年生の道徳科の授業では、「ケンタの役割」という教材を通して、役割を選択するときに考えなければならないことについて話し合いました。
 この教材では、委員会の仕事のしめきりと、リレーの大会の前日練習が重なり、どちらの役割を選択するか考えます。
 子供たちからは、どちらか一方の役割を果たすという意見と、「委員会の仕事をして、リレーの練習は当日の朝すればよい」等の、両方の役割を果たそうとする意見が出ました。
 その後、「リレーの練習に行った場合」「委員会の仕事をした場合」「委員会の仕事をし、リレーの練習を当日の朝行う場合」のそれぞれについて話し合うと、どの意見にもよい所も悪い所もあり、誰かには迷惑がかかってしまうということに気づくことができました。


【豊川市立東部中学校】1年生「命を大切にした生き方を考える」授業

 本校では、仲間と共感的に関わり合い、学びを深めることを通して、創造力豊かで、実践力のある生徒の育成を目指しています。1年生で「ゆりちかへ ママからの伝言」を教材とした「命を大切にした生き方を考える」の授業実践を行いました。この教材は、妊娠とほぼ同時に脊髄にがんが見つかった著者が、命をかけて子供を出産し、残された時間で子供へのメッセージを綴った手記です。
 生徒は、治療(晃子さんの命)か、出産(子供の命)のどちらを選択すべきか考えました。一つの命しか救えないという葛藤の中で、仲間の考えと違う点を挙げて意見を発表し合いました。話合いは、平行線になりましたが、どちらを選択しても命を大切に考えた行動になると気づきました。
 話合いの後に、晃子さんの選択を知らせ、晃子さんが出産の後に闘病しながらも、我が子に向けてメッセージを残す映像を視聴しました。晃子さんが、自らの命を犠牲にしたのではなく、精いっぱい大切に生きたことを学び、命が周りの人に与える影響についてまで視野を広げました。
 授業の始めと終わりに、「命を大切にした生き方」について問いました。「命は大切なもの」と何となく考えていた生徒たちは、「目の前のことに懸命に取り組むこと」「周りの人の支えがあっての自分」と考えを深め合いました。
 今後も、仲間の考えを認めながら、自身のよりよい生き方を考えられる道徳科の授業を行っていきたいと思います。

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【西尾市立一色東部小学校】村のために みんなのために 〜一色を愛した神谷傳兵衛〜

 本校は、「対話的な学びを通して、思いや考えを広げ深めあう子の育成〜地域の人・もの・ことを生かした授業づくり」という研究主題で取り組んでいる。今回の道徳科では、地域に貢献した「神谷傳兵衛」を教材として、ゲストティーチャーを招いて行った。
 本教材は、地域で活躍した「神谷傳兵衛」が、故郷の発展のために貢献したことについて考え、議論する道徳である。導入では、自分たちの地域のよさに目を向けさせるが、なかなか実感を伴って考えることは難しいため、写真などを活用して紹介した。また、ゲストティーチャーに「神谷傳兵衛」が、校区の神社に奉納した常夜灯について、話をしていただいた。子供たちにとって、身近な神社について詳しい話を聞くことで、興味関心をもつことができた。さらに、前時までに、昔の偉人「小林虎三郎」を題材にした「米百俵」の教材を使って偉人の思いを学んだことで、「神谷傳兵衛」も国や郷土を愛したことが分かった。
 本時では、郷土や国のために尽くした「神谷傳兵衛」が、いかに地域を愛していたかについて話し合った。終末では、もう一度ゲストティーチャーに、子供たちが話し合ったことをふまえて、語っていただいたことで、子供たちの意識が高まった。
 この授業を通して、子供たちは「神谷傳兵衛」の功績を知り、今の自分たちがあるのは、「神谷傳兵衛」のおかげだと感謝する子が多かった。また、将来、自分も「神谷傳兵衛」のように、地域に貢献できる人になりたいと、夢を語る子もいた。TVのコマーシャルで使われている「牛久シャトー」も「神谷傳兵衛」が建てたものと知り、びっくりしたと同時に、身近にすごい人がいることを知ることができた。
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【豊田市立小渡小学校】2年生道徳科授業実践「おまつり」

 本校は、豊田市北部にある全校44名のへき地・小規模校です。矢作川と緑に囲まれた自然が豊かな場所にあります。日頃より、子供たちが、地域の行事に参加することも多い学区です。そこで、2年生が「ふるさとのすばらしさについて考えよう」の実践をしました。
 資料「おまつり」は、主人公が、おはやしを練習するのが嫌になり、やめたいと思っていましたが、祭りが何百年も続くものであり、父も子供の頃に練習をしてきたことを知って、祭りを大事にしようと練習を続けていく話です。
 導入では、主人公の心情にせまるため、祭りの様子を写真や動画で見ました。自分の考えをしっかりもつために、自由に自分の意見を相手に伝える「ペアトーク」を行いました。話合いでは、友達の考えと比べながら自分の意見を伝え合いました。自分たちの住む町のすばらしさが続くためにどうしたいのかを考え、「お祭りで太鼓をたたくので、みんなに喜んでもらえるように練習を頑張りたい」「地域の行事を大切にして、続けていきたい」と発表しました。
 道徳科で学んだことを生かせるよう、生活科の学習では、地域探険を行いました。地域の寺で、寺の由来を住職から聞いたり、商店街で働く人たちにインタビューをしたりするなどして、地域の人の思いにふれることができました。子供たちは、これからも地域と関わりながら、自分たちもふるさとを大事にしたいという思いをもちました。

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【岡崎市立福岡中学校】 真の親切とは?

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 中学2年生の教材「松葉杖」で、授業を行いました。交通事故で1年以上も登校できず、松葉杖を使う姿で転校してきた大野くん。最初は、大野くんに親切にしようとみんなで話し合い、自分の得意なことで大野くんのために役立とうとします。ところが、大野くんは、勉強も将棋も誰よりもうまくできる人であるということが分かるにつれ、親切にする気持ちが失せていきます。そのうち、大野くんに親切にしようとする人は、いなくなりました。ある日、大野くんの松葉杖に引っかかって転んだ女子たちが、大野くんを責め立てます。それを見た伊藤くんが、「みんな誰のために親切にしてやっていたんだ」と投げかけます。
 授業では、「生徒たちの親切は、親切と言えるのだろうか」と問いかけました。親切とは言えないと主張する生徒に対して、ある生徒は、「大野くんの役に立つことをしたのだから、紛れもなく親切だろう」と言いました。すると、「相手が、自分よりよくできると分かったとたんやらなくなるなんて、相手を悲しませるのは、親切ではない」「自分の自己満足で相手に押しつけていただけで、親切とは言えない」「相手のことを思う気持ちがない親切は、本当の親切ではない」「思いやりのない親切は、存在するのだろうか」と疑問が膨らみました。
 さらに、「見せかけだけの親切があるとしたら」と問いかけると、「先生によく思われて成績をあげるためにする親切」「お年寄りに何か買ってほしくて、悪い人がする詐欺のような親切」などがあがりました。「それをレベル0とすると、教材の生徒の親切は何レベル」と問うと、「30から40レベル」「自分のアピールも入っているし、自分より上とか下とかで親切をするのは本当の親切ではないと思う」「100レベルの親切ってどんな親切だろう」そんな問いかけの連続の中で、生徒たちは、思いやりの表れであるべき真の親切に気づき始めました。自分のこれまでの親切は、どうだったのか。授業の振り返りの時間には、自分の親切のレベルについて自己評価し、これからどんな親切をしていきたいかについて考える姿がありました。

【日進市立日進東中学校】「考え、議論する道徳」の研究として

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 本年度、本校では、現職教育のテーマとして「自信を育む考える授業の創造〜自己、他者、教材との対話を通した深い学び〜」をテーマに、授業作りに取り組んでいる。道徳科の授業においても、自己、他者、教材との対話を通した深い学びができるような活動を積極的に取り入れている。
 2年生で実践した「違反摘発」では、父の危篤の連絡を受けた男性が、制限速度を超え走行したため、警察に検挙され、父の最期に立ち会えなかった話と、病院に急いでいる人の車にはねられ、亡くなった遺族の話を題材に、法を守ることの大切さについて考えた。個人の名前を記した「ネームプレート」を使い、自分自身の意見をクラス全員に分かるようにし、グループで討論する際の意見の交流を円滑にし、考えを深めさせる取組を行った。また、班ごとにホワイトボードを使用し、出された意見を記入し、黒板に掲示することでどのような意見が出ていたのかを、クラス全員に確認させた。それぞれの話を聞いて、自分はどう思うのかという話合い活動を行い、その結果から、自分の考えの変容を全体に表すことで、他者の意見の変容を感じたり、考えを深めたりするきっかけを作っていた。生徒にとって「法やきまりが存在する意義」について、理解したり、自らの義務を果たそうとしたりする姿勢を育むことのできる実践となった。 

【一宮市立浅井中学校】道徳科の授業実践

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 本校では、道徳科の授業について、学校全体で教員研修を重ねてきました。
 今回の授業では、教材「四千頭の命」を用いて、ペットの命の重さについて話し合うことで、命はかけがえのないものであるということを理解し、自他の生命を尊重して生きようとする気持ちを高めることをねらいとして授業を行いました。
 資料を読んだ生徒の感想の「かわいそう」「飼い主が無責任だ」「最後まで飼ってほしい」から、生徒が話し合いたい内容を決め、「ペットの命」について話し合うことに決めるという問題解決的な授業の流れを取りました。
 グループごとに、ホワイトボードでイメージマップを作り、話し合いを深めさせ、それを全体で共有しました。その際に、イメージマップで分類しながら板書をしました。分類すると、「命について」「飼い主の責任について」「ペットの命を大切にするための手段について」の三つの内容になりました。本校では、このように、イメージマップなどの思考ツールを用いてグループで話し合うこと、それを類型化しながら板書することの研究を進めています。
 全体での話合いでは、教師から補助発問を行い、「ペットの命」について考えを深めていきました。例えば、ペットを捨てる人に罰金などの厳罰を処するという意見に対して、「そうするとどうなると思うか」と話し合わせたところ、「ばれないように捨てる人が増えるのでは」「野良犬が増えてしまうのでは」「どうすればよりよい社会になっていくのか」と試行錯誤させることができました。また、生徒の「殺処分した方がペットは幸せかもしれない」という発言から、全体で話し合い、「ペットの命と人の命の違い」について考えを更に深めました。
 授業のまとめでは、「今後、動物を飼う場合、本当に最後まで飼えるのかしっかりと吟味してから判断していきたい」「もし自分がペットだったらと考えていくことが大切だと思った」「ペットを引き取ってもらうボランティアに参加し、一匹でも多くのペットの命を救いたい」など、それぞれの思いを共有することができました。
 

【岡崎市立常磐東小学校】ありがとうの手紙

 本校は、市内の山間部に位置する全校46人の小さな学校である。自然が豊かで、地域の方も学校教育に大変協力的な地域である。そんな環境を生かし、本校では、体験を通した学習を重視している。2年生の道徳科でも、行事や教科学習と絡めて、学習を進めることがある。そこで、今回の教材「ありがとうの手紙」でも、生活科や国語科とかかわって学習を進めることにした。
 「ありがとうの手紙」は、感謝の気持ちを伝えることの大切さを考えるとともに、手紙を書く学習である。親切にしてもらったときに、その場で言う直接的な感謝の言葉だけでなく、日頃の生活の中で、改めて考える感謝もあるということに気づかせる。また、どうすれば、その気持ちが伝わるのかというところから、「ありがとうの手紙」を書く活動につなげたいと考えた。
 子供たちは、教材文での学習から、具体的な事柄や、そのときの喜びなどを表現してあるとうれしいことに気づいた。また、それに関連した絵が添えてあると、より気持ちが伝わると考えた。そこで、どんな人に日頃の感謝を伝えたいかを考えたところ、両親や祖父母といった身近な大人や、遊んでいる友達を挙げた。その思いをはがきに書き、ポストに投函した。子供たちは、早く伝えたいのか、「いつ届くのかな」と、出す前からとても楽しみにしていた。
 後日、「お手紙が届いたって言われたよ」と、うれしそうに報告する子供の姿があった。中には、「こっちがありがとうなのに、向こうもありがとうと言ってたよ」と、つぶやく子供もいた。
 今回の活動を通して、子供たちの表情から、日頃の感謝の気持ちを伝えることのよさを体感できたことが伝わってきた。

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【津島市立西小学校】道徳科の授業「心と心のつながり」

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 本校では、毎年11月に「音楽会」が行われています。今年の6年生のテーマは、「つながるしあわせ いきているしあわせ」です。道徳科の授業でも、人と人、心と心がつながるすばらしさを感じ取ることができたらと思い、「あいさつで つながろう」という教材を使用して学習をしました。
 最近では、近所付き合いなどが少なくなり、人と人とのつながりが弱くなっていると言われていますが、やはり、どんな人ともつながりをもつことは大切です。「人と人とがつながるために、どんな思いが大切だと思いますか」という発問をもとに、話合いを進めていきました。
 みんなの顔がよく見えるように、机を半円の形に並べて授業を行っています。「うーん」と悩みながら話す様子、一生懸命目を輝かせながら話す様子がよく分かり、聞く人たちも熱心に聞いています。
 初めは、「自分から何かをしようという思い」「支え合う気持ち」という意見が出てきました。いろいろ話し合う中で、「近所の人が、自分のために勉強を教えてくれて本当にうれしい」という意見が出てきました。「他の人のためにがんばれるのは、どうしてだろうね」と問い返すと、「役に立ちたい」「困っていたら助けてあげたい」「体が勝手に動く」という意見が出てきました。人はみんな、誰かのために何かをしてあげたいという思いがあり、そこに見返りはなく、人の役に立てる喜びが、私たちをつなげているということに気付くことができました。
 音楽会では、その思いを歌に込めて一生懸命歌ってほしいと思います。また、ふだんの生活でも相手を思い、多くの人と心でつながっていってほしいと思います。

【弥富市立弥生小学校】「深く考える」道徳科を目指して

 本校では、年2回、外部講師を招いて、教師力向上研修として、少経験者を中心に道徳科の授業研究を行っています。本年度の1回目は、1年生と3年生で実践しました。
 1年生の実践では、「ありがとう」を題材にした授業を行いました。まず、自分たちのために、何かをしてくれている人たちの写真やイラストを見て、その人たちがどんな気持ちで、それをしてくれているのかを考えました。「ペアトーク」を取り入れることで、1年生の児童なりに自分の考えを友達に伝えたり、自分とは違う考えを友達から聞いたりしながら、多くの人たちが、進んで自分たちのために何かをしてくれていることに気付きました。その後、それぞれの人たちに、どんな言葉を言ったらよいかを考え、その言葉を実際に伝える「ロールプレイ」を行いました。給食の調理員さんへは、「いっぱい食べて、勉強がんばるよ」、交通指導員さんへは、「けがしないように気をつけるよ」など、お互いに考えた言葉を伝え合いました。
 3年生の実践では、「もっと調べたかったから」を題材にした授業を行いました。事前に「夢中になって時間を忘れてしまったことはありますか」というアンケートを行い、主人公のだいきさんの話を自分事として考えるきっかけとしました。「心のアクセルとブレーキ」について「ペアトーク」や「グループトーク」で話し合い、クラス全体で考えを出し合いました。授業者の「行くのをやめたら、地図は完成できなかったのでは」という揺さぶりに、児童は、考えを伝え合いました。
 本校では、「思いを受け止め、考えを伝えられる児童の育成」を目指し、様々な授業で話し合い活動に取り組んでいます。道徳科の授業では、児童に「深く考えさせる」ような発問の工夫を大切にして、児童が友達の考えのよさに気付き、自分の考えを深められるような話合い活動に取り組んでいきます。

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【あま市立宝小学校】「ほんとうの親切」授業実践

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 4年生の実践を紹介します。主題名は、「ほんとうの親切」です。児童は、親切と言えば「手伝ってあげる」「代わりにやってあげる」といった行為を親切だと信じています。授業では、主人公である「ぼく」がおばあさんの荷物を持ってあげることが親切だと思いながら、教師の読み語りを聞いていました。しかし、おばあさんに「親切」を断られたことから、児童は2度目に声をかけなかった「ぼく」を親切じゃないと考えるようになりました。おばあさんが親切を断った理由も明らかになりましたが、中には、声をかけないことも親切だと言い出す児童もいて、意見がばらばらになります。そこで、グループの友達と意見交換を始めました。
 まずは、自分の考えを友達に伝えます。そして理由を付け足します。それに対して、グループの友達も「私も・・・。でも、・・・というわけがあったのではないかと思う」など、似ている意見や違う部分を探しながら、意見交換が続きました。
 難しいのが、グループで出した意見をまとめることです。ばらばらに一人ずつの意見をホワイトボードに書くグループもいれば、共通する部分をうまく拾いながら書き進めるグループもいます。教師は、グループを回りながら、助言をします。時間内に絞ることはなかなかできませんでしたが、各グループの発表はそれなりに筋が通っていました。
 最後に、児童の感想発表では、「どちらも親切だと思います」と教師の想像を超えるような考えもいくつか出ました。
 授業の後、ふだんの生活で、見守ることも親切という行為が広まっていることを期待させるような授業でした。

【東浦町立西部中学校】3年生道徳科授業実践「日本人のよさ」

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 3年生の実践で、「日本人のよさ」を教材にして授業を行いました。
 本教材は、写真や資料から日本人のよさを考えさせる教材です。教科書に掲載されている東日本大震災のときの写真を使用し、ふだんの生活では当たり前と思っていることでも、外国から見ると当たり前ではないことがたくさんあります。震災という非常時でも、略奪や混乱がなく、冷静に秩序を守る日本人の姿を捉えながら、日本人として胸を張って生きていこうとする意欲を高めることを目的としました。
 授業では、最初に「時間を守る」「礼儀正しい」「丁寧」など、日本人のよいところをたくさん見つけさせました。また、東日本大震災で、物資をもらうために並ぶ日本人の写真を見て、「なぜ日本人は並ぶのか」を考えさせました。「小さい頃から当たり前のように並ぶように教えられている」「多くの日本人は優しい」「自分だけのことではなく、他人のことも考えている」という意見が出されました。そして、班で友達の意見を聞いたり、自分の意見と比較したりしながら、自分の考えを深めました。
 最後の感想では、「改めて日本国民のすごさを知り、誇りに思う」「これからも日本人として、思いやりを忘れず生活していきたい」などの意見が聞かれ、生徒は改めて日本人のよさに気付くことができました。

尾張旭市立旭丘小学校 6年生道徳科授業実践「働く」ってどういうこと?

 6年生で行った、「働く喜び」を主題とした授業実践を紹介します。
 今は、まだ小学生であり、働くということについて漠然とした思いしかない子供たちも、数か月後には卒業を迎え、中学校に進学します。そして、成長とともに、自分の将来について少しずつ考え始めます。そんな子供たちに、「人は何のために働くのか」「大人になったときにどんなことを大切に考えて職業を選ぶとよいのか」を考えさせ、「働くことの意義を理解し、社会のために役に立とうとする実践意欲と態度を育てること」がねらいです。
 授業は、様々な職業に就く人々の姿を描いた一枚の絵から、仕事についてイメージさせ、「人は、何のために働くの」と問うところから始まりました。「お金のため」「周りからの目線」「家族や子供のため」「生活のため」といった意見を受けて、「大人になったとき、どんなことを大切に考えて仕事を選びますか」と再度、問いかけました。これにより、子供たちは、担任からの問いを自分事として捉え、考え始めました。「お金」や「生活」の他にも、「自分の満足」や「やりがい」といった意見が出たところで、本時の教材「『働く』ってどういうこと」の学習に入りました。
 働く人々の話をつづった二つの資料の範読を聞いて、仕事に対する思いの共通点について、まずは個々で考え、その後、ペアで話合いをしました。子供たちは、使命感や達成感といった言葉に注目しながら、「働くこと」には苦労もあるが、「やりがい」や「楽しさ」もあることを確認していました。
 最後に、「人は何のために働くのか」の問いに対して、「生活するためのお金を稼ぐ」ことはもちろんとした上で、グループでもう一度考えました。「バスケットボール選手になって、自分の成長と人々の笑顔のために働きたい」「医師になって、相手を喜ばせ幸せな気持ちにするために働きたい」といった意見が出されました。
 振り返りにも、「みんなが笑顔になって、自分もやりがいを感じられるように」「人の役に立ち、自分も楽しくやりがいを感じるから」「相手を喜ばせ、幸せな気持ちにするため」などの記述が多く見られ、働くことの意義を理解し、社会のために役に立とうとする気持ちを育てるための有意義な学習となりました。

【設楽町立田峯小学校】3・4年複式学級 生命のそんげん「かわいそうなぞう」

 本校では、「ビオトープでの生き物調査」を、5年前から3・4年生が行い、また、全校児童が一本ずつ植樹する「ブナの森づくりの活動」は、15年も続いています。そして、国語では、言葉から根拠をもち、「つなぐことば」を活用しながら討論する方法を取り入れてきました。
 そこで、道徳科の本教材でも、戦争という人間の都合で殺される象や、飼育係のつらさについて、「つなぐことば」を生かして話し合いました。
 象や飼育係の気持ちを考えるうちに、「どうしても気になるんだけれど」とつなげた児童は、「『戦争』という言葉をなくせばよいのに。一つもよいことないんだから」と、戦争について見つめ始めました。歴史の学習をしていない3・4年生には、「戦争」を説明することは容易ではありません。
 そこで、終戦記念日を含む夏休み前に、戦争の悲惨さを知る機会になればと、広島の原爆投下を描いた絵本を見せながら、日本の過去について学習をしました。「もし、この時代に生きていたら、自分の命さえ守るのは難しいね。人間以外の命は、考えられなくなるのが戦争。小さな生き物、森の木の命まで考えられる今に感謝し、平和だからこそ、命についてしっかり考えよう」と話し、「戦争でつらい思いをするのは、人間だけかな」と発問しました。「大事にしてきたビオトープの生き物たちも、これから大きくなることを楽しみにしているブナの木も、一瞬にして命を奪われてしまうんだよ」ということも、子供たちは集中して聞き、じっくりと自分の考えをノートに書き、発表しました。
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【長久手市立東小学校】道徳科の授業実践「ケンタの役割」

 本校では、「自ら進んで学び続ける児童の育成」を目指し、人との関わりを大切にした活動を多く取り入れながら、道徳教育を進めています。
 5年生の「ケンタの役割」では、ポスター作りとリレーの練習が重なってしまった主人公の葛藤を題材に、「自分の行動を決断するときには、どのように考え判断しなければいけないか」について話し合いました。本時の主題に迫る手立てとして、次の二つを実践しました。
 1つ目は、選択肢の掲示です。主人公が、どちらの役割を選択するか、「ポスターづくり」「リレーの練習」「その他」の三つの選択肢と、それを選んだ理由について考えさせました。「その他」を設けた意図として、選択が迫られる状況を突破する創造的問題解決の能力を高めたいと考えたためです。
 2つ目は、意見による帽子の色分けです。上記の三つの選択肢ごとに色を決め、自分の意見が周りに分かりやすいようにしました。児童は、自分の意見を決めた後、その色の帽子をかぶり、教室後方に集まります。そして、帽子の色で相手が選択した意見を確認しながら、意見交流をしました。多くの友達と意見を交流する中で、新しい発見や、対立する価値に気付く姿が見られました。
 授業の最後には、児童一人一人が友達の意見を参考に、自分の中で納得ができる意見を見つけることができました。今後も、自ら進んで学び続けることができるよう、人との関わりを効果的に取り入れた授業を行っていきたいと思います。

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【愛西市立佐屋小学校】「本当の友達とは何か」を考えよう

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 本校の道徳科の時間には、友達の考えのよさや相違に気付くことで、考えを深めることができるように授業を行っています。
 本校の6年生で、「ロレンゾの友達」の題材を通して、「本当の友達とは何か」を考える授業を行いました。「罪を犯したと疑われている友達が、無実だと分かったとき、友達を疑ってしまった3人には、どんな思いがあったのか」を考える場面では、一人一人がじっくりと自分の考えに向き合うことができました。「疑っていたことを伝えてしまったら、友情がこわれるかもしれない」「疑っていたことを話したら、友達を傷つけてしまう」「友達を疑ってしまった自分が恥ずかしい」などの意見が出され、意見を交流する中で新しい価値観を見いだしたり、共感したりしていました。
 振り返りでは、「友達関係を悪くすることは言わない」「疑っていたことを伝えても、許してくれるのが本当の友達」「自分も信じてもらえて、相手のことも信じられるのが、本当の友達」などの記入があり、本時のはじめと比べて考えが深まった児童が多くいました。友達のいろいろな価値観を知る有意義な時間となりました。これからも、友達の考えのよさや、相違に気付くことで考えを深められるよう、「考え、議論する道徳」に取り組んでいきたいと考えます。
 教員同士の力量向上のために、本校では、一人一授業実践に取り組み、授業実践・研究協議会を随時行っています。子供たちの声や思いを教員全体で共有するために、今後も、学校全体で研究していきたいと思います。

【安城市立丈山小学校】赤ちゃんが生まれるよ

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 3年生の道徳科で、「赤ちゃんが生まれるよ」という資料をもとに、命の不思議さ・尊さについて考える授業が行われました。資料の中に、「お母さんのおなかの中の赤ちゃんが、あずきのつぶくらいの大きさ」という表現が出てきます。そこで、実際のエコー写真とあずきを子供たちに見せて、胎児の小ささを実感できるようしていました。
 授業の最後に、担任が、子供たちに内緒で家族にお願いしていた「おうちの方からの手紙」が渡され、自分がおなかにいるときや、生まれてきたときの家族の気持ちなどを知り、子供たちはうれしく、ちょっぴり恥ずかしそうに手紙を読んでいました。
 また、手紙を読んだ感想を友達と聴き合うことで、自分や友達も、望まれて生まれてきた大切な命であることを感じることができました。
 振り返りには、「手紙を読んで、家族みんなが生まれたことを喜んでくれたんだなとと分かった」「お父さんやお母さんが、ずっと大切に思ってくれて、うれしい」などの記述がみられました。自分が生まれる前から、大切に思われ、今も大切に思われていることを改めて実感するよい機会となりました。

【豊田市立井郷中学校】「考え、議論する」ことのできる授業を目指して

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 本校では、自己の生き方を追究していく姿について考えさせ、その姿に近づいていけるように、「考え、議論する」ことのできる授業実践を行っています。学年の教師が、協力して教材研究を行ったり、自校独自のワークシートを使用したりと、新しく始めた取組により、自己を見つめ、多面的・多角的に物事を考え、自己の生き方を深く見つめられる活動を、日々、目指して授業実践を行っています。
 「考え、議論する」ための工夫1 全学年一斉に道徳ができる環境設定
 本校では、全学年が、火曜日の一限目に道徳科の授業が行えるように時間割を設定しています。毎回の授業に向けて、教師間で協力しながら道徳科の授業研究が行われています。授業展開や発問などが協議されることにより、生徒が自己を見つめ、多面的・多角的に物事を考え、自己の生き方を深く見つめる活動の充実を図っています。
 「考え、議論する」ための工夫2 自校独自のワークシートの活用
 本校では、自己を見つめる時間、多面的・多角的に考える時間、自己の生き方について見つめる時間を、授業に取り入れた授業展開を心がけています。ワークシートも、授業展開に合わせて、書き込むことができるように作成し、授業での生徒の思考が記録できるように工夫しています。ワークシートはファイリングして、学期間の振り返りや評価に活用できるようにしています。
 今後も、生徒にとって道徳科の授業が、より「考え、議論できる」楽しい場にできるよう、取り組んでいきたいと思います。

【新城市立新城小学校】いのちのバトン

 5年生では、理科の学習で、「生命のつながり」の学習があります。アサガオは、受粉すると実をつけ、実の中には、次の世代の種子ができること、メダカや人は、受精卵が変化しながら成長し子供となることを学びます。そして、生物は次の世代、さらに次の世代へと生命をつないでいくことを学習します。
 この理科の学習と関わらせ、相田みつをの詩「自分の番 いのちのバトン」を資料として授業を行いました。授業の前半、自分の先祖の数を考える場面では、「10代前では1024人、20代前では、・・・」という詩の言葉を取り上げ、「・・・」の部分は、何人になるか想像しました。「20代前では、100万人を超すのです」と書かれていることを知った子供たちは、「そんなにたくさんの先祖がいるんだ」と驚いていました。
 授業の後半は、「先祖の方が1人いなかったらどうなるだろう?」と投げかけました。「いなくなった次の代の方がいなくなり、さらに次の代・・・、あっ、私もいなくなる・・・」と、何百万人、何千万人もの命がつながり、そして今の自分があることに気づいた瞬間がありました。
 今後も、いのちの大切さを考えられるような授業を進めていきたいと思います。

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【安城市立二本木小学校】精いっぱい生きるとは何か

 安城市では、学校教育の指導方針の一つ目に、「命の大切さを実感し、明るく元気に過ごすことができるたくましい体と、しなやかで折れない心を育てる」と明記され、本校でも、かけがえのない「命」を大切にすることを学校目標として掲げている。
 これらの方針を受け、命の大切さだけでなく、生き方について考える授業を行った。
 事前に、小児がんで亡くなった子供の話を読み聞かせ、生きたくても生きられない人がいることを知った上で、授業に臨んだ。授業では、「おじいちゃんとの約束」の資料を読み、心に残ったことを出し合った。最後に出てくる主人公の「どうすれば、自分の命を大切に生きられるのか、まだよく分からないけど、ぼく、精いっぱい生きるよ」という言葉に着目して、考えを聴き合った。「自分らしく生きればよい」「いろんな人がつないできた命を、軽く扱わないようにする」「自分の命を大切にして、背伸びしないで生きる」などの意見が出された。聴き合い後に、事故で後輩を亡くしたという教師の話を聞いて、死を身近なことに感じることができ、自分だったらどう精いっぱい生きるのかについて考えるきっかけとなった。
 振り返りには、「一日一日を大切に生きたい」というだけでなく、「毎日の勉強を頑張りたい」「カラーガードの技を一つ一つきれいにして、一回一回の練習を真剣にやりたい」など具体的な目標が記されており、今後の生活につなげられることを期待したい。

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