【刈谷市立住吉小学校】「進んで親切に」の実践

 本校の3年生は、総合的な学習の時間に、「わたしたちのまち『刈谷』の思いやり」をテーマにして、学習に取り組んでいます。これに関連付けて、道徳科の授業で「進んで親切に」を主題に、授業を実践しました。
 資料「みんながくらしやすい町」は、複数の親切な行為を表した、町の一部を描いた一枚絵です。子供たちは、「ハンカチを落とした人に教えてあげています。そうしないとハンカチがなくなってしまうからです」「地図を見ている外国の人に教えてあげると、行きたいところに早く行けるようになるから、親切だと思いました」と、見つけた親切を、次々に発表していきます。また、役割演技を取り入れることで、親切をする側と受ける側の気持ちに迫らせていきました。
 授業の後半では、「みんながくらしやすい町とは、どのような町か」について、意見を交流しました。「思いやりのある人がたくさんいて、住んでいて気持ちのよい町」「自分が知らない人や外国の人、体が不自由な人にも、優しくできる人がいる町」などの意見が出されました。
 振り返りでは「自分が住む町を暮らしやすくするために、できるとよいと思うこと」を考えました。「盲導犬の勉強をしたときに、Sさんが『声をかけてもらえるとうれしい』と言っていたので、体の不自由な人を助けていきたい」と発言した子がいました。総合的な学習の時間で学んだことが、この発言につながったのだと考えます。
 これからも、子供たちの心を耕し、育んでいく実践を積み重ねていきます。

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【みよし市立三好丘中学校】よりよく生きるために必要なこと

 本校では、「自分の大切さとともに他の人の大切さを認める」をテーマに、人権教育に力を入れ、様々な活動を行っています。人との関わりを通して、自らの生きる力を育んでいけるように、道徳科の授業の中でも、級友との関わり合いを大切にしています。
 9月には、「よりよく生きるために必要なこと」を考える授業として、「やりがい・生きがい」について考える授業実践を、「在校生へのメッセージ」という物語を題材に、2年生で行いました。物語の主人公である「私」の看護士としての在り方や、苦悩に触れながら、「やりがい・生きがい」について考えました。ペアで考える時間を設けたり、心情円を活用して、「思いの割合」を示したりして、級友の考え方に触れながら自らの考えを深める生徒の様子がありました。以下は、生徒の振り返りです。
・弱い自分を知ったからこそ、それを乗り越えたときの自分はすごく強くなっていると思いました。友達と支え合う関係を作っていくだけではなくて、自分で決めたことをやり切れる強い自分も作っていきたいです。
・やりがいとか生きがいを感じられるかは、自分次第だと思います。まっすぐな思いを大切にして、自分を信じて頑張り続けたいです。
 また、道徳教育・人権教育を授業でない場面でも行っています。中でも、人権委員を中心に、「丘中一短い手紙」という企画を継続しています。いろいろな人に対する感謝の気持ちを短い文で表し、伝えていくこの活動には、たくさんの応募があり、いくつかの手紙を全校集会で紹介したり、定期的に掲示したりしています。
 今後は、12月に「人権集会」を企画しており、自分・相手について級友と真剣に考え、お互いを大切にしながら支え合える関係を、学校全体で築いていけるように取り組んでいきます。

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【江南市立布袋北小学校】1年生「みんなじょうず」の授業実践

 1年生の道徳科、「みんなじょうず」の実践を紹介します。同じグループの仲間の上手なところを探し、「○○じょうず」とワークシートに記入していきました。そして、見つけたよいところを、グループで発表をしました。その後、友達に教えてもらった自分のよいところを、全体で発表をしていきました。「ドッジボールじょうず」「計算じょうず」「音読じょうず」など、たくさんの「○○じょうず」が見つかりました。
 発表後に、「褒めてもらってどんな気持ちになったか」を話し合いました。「うれしい」だけでなく、「はずかしい」や「自分では気がつかなかったから驚いた」などの意見がでました。金子みすゞの「みんなちがってみんないい」の詩を、イラストで紹介しました。どの児童も、自分のよいところを褒めてもらうことで、よい気持ちになって授業を終えることができました。今後も、帰りの会で、「よいところ見つけ」の活動を行って、自分や友達のよいところに目を向けていきたいと思います。
 ふだんからグループや全体での発表では、拍手や「いいね」「ぼくも同じ」など反応をしながら聞いています。反応をしてもらうと、認めてもらえているように感じるようで、発表するのが楽しいと振り返っている児童が増えてきました。今後も、教科の学習や学級活動の中でも取り入れていきたいと思います。

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【岡崎市立六ツ美中学校】ふるさとをよりよい町にするためには何を大切するべきか考えよう

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 「村長の決断」という教材を通して、「島の開発を受け入れるか、断るか」を自分たちの郷土と照らし合わせて話合いをしました。
 1時間目に、「自分たちが生活する環境と生活の変化で、何を得て、何を失っているか」について話し合いました。
 そして、2時間目の「村長の決断」では、各自が村長キラの立場となり、「自然の保護と開発のどちらが島民にとって幸せであるか」を、二つの立場に分かれて話合いをしました。
 話合いの始めは、それぞれの主張が中心でしたが、主張にからめた意見も出てきたことで、相手の立場を理解しようとする思考の変化も見られました。
 最後に、自分たちの郷土の変化に立ち返ることもできました。

【一宮市立北方小学校】1年生道徳科の授業実践「かぼちゃのつる」

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 1年生の道徳科で、教材「かぼちゃのつる」を使って、人の注意を聞き、わがままをしないで生活することの大切さについて考える授業を行いました。学校生活にも慣れてきた1年生の児童に、みんなが気持ちよく生活できるように、人の注意を聞き、周りのことを考えた生活を送るという意識づけができるようになってほしいと考え、この教材に取り組みました。
 本教材は、周りの注意を聞かずに自分勝手につるを伸ばしていったため、通ったトラックにつるを切られてしまうという話です。導入では、自分がわがままをした経験について、具体的に考え振り返らせました。わがままはいけないことだが、ついわがままをしてしまうことはあるということを自覚させました。そのため、周りの注意を聞かなかったときのかぼちゃの気持ちを考えさせたときには、「あっちの方にも伸びてみたいな」「みんなうるさいなぁ」と、すぐに児童自身の言葉でかぼちゃの気持ちになって考えることができました。中心発問では、「かぼちゃがつるを伸ばすとき、どんなことを考えればよかったか」を考えさせました。児童からは、「自分の畑に伸ばせばよかった」「みんなの言うことを聞けばよかった」「みんなに迷惑をかけてしまった」という意見が出ました。
 このように、わがままをせず、周りの注意を聞き入れて行動することの大切さを考えることができました。また、「みんなに迷惑をかけてしまった」という意見から、「みんな」のことを考えるということに目を向けることもできました。
 今後は、集団生活の中で友達同士の注意を聞き合い、周りのことを考えて、自分たちでよりよい生活を送れるようになってほしいと思います。

【津島市立神守小学校】ありがとうって言われたよ

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 2年生の道徳科の授業で、自分のためになることや、相手のためになることについて学ぶことをねらいとして、「ありがとうって言われたよ」という教材で授業を行った。
 この教材は、主人公のぼくが、学校帰りに困っている三人の登場人物に次々と出会い、手助けをするという話である。
 導入時に、人に優しくするとどうなるか、どんな気持ちになるかを考えさせた。児童からは、「すっきりする」「自分もうれしくなる」といった意見が出された。次に、人に優しくされたときは、どんな気持ちになるかを考えさせた。「ありがとうっていう気持ち」という意見が出たところで、本時の教材「ありがとうって言われたよ」に入った。
 はじめに教師の範読を聞き、「ありがとう」と言った登場人物たちの気持ちについて考えさせた。「なぜ、ありがとうと言ったのですか」と発問すると、「傘をかしてもらったから」「傘を片付けてくれたから」「ボタンを押して待っていてくれたから」と、はじめは、具体的な行動を挙げていたが、気持ちに着目させると、「うれしかったから」「助けてくれて感謝しているから」という意見が出た。「思いやりがあり、人のために尽くすことが『親切』」であるということを確認した。
 次に、ありがとうと言われたときのぼくの気持ちについて考えさせた。導入時と同様に、「うれしい」という意見が多く挙がった。「また人を助けたいと思う」「手伝ってよかった」という意見も出た。
 終わりに、授業について振り返ると、「友達が困っていたら、すぐに助けてあげたい」「人に優しくすると、よいことがあると分かりました」「優しくするのは、大切だと思いました」「自分もうれしくなるから、いっぱい優しくしたいと思いました」などの意見が多く出た。中には、「ブランコからおりられなくて困っていた一年生を助けたら、『ありがとう』と言われたから、もっと人助けをしたい」といった振り返りも見られ、自分たちの日常生活につながる有意義な学習となった。
 「親切」や「感謝」は、相手がうれしくなると、自分もうれしくなるという双方向への働きをもつものだと気付く児童が多く見られ、ねらいとする価値に迫ることができた。

【瀬戸市立東明小学校】「生き抜く力」の育成

 本校では、教育目標である「自ら学び つながり 挑戦し続ける子の育成」を受け、「『生き抜く力』の育成」を道徳教育の重点目標として取り組んでいます。
 6年生、「今度は、ぼくの番」では、思いやりとは何かについて考えました。担任の先生が病気により入院をすることになりました。今まで自分たちを支えてくれた担任の先生へ、主人公は何ができるのか考える話です。
 導入として、自分たちの体験から思いやりとは何かを考えました。その後、「主人公はどうして手紙を送ろうと思ったのか」「手紙にはどのようなことが書かれているか」という発問を通して、思いやりとはどういうものなのか、意見交換しました。最後に、詩人・宮澤章二さんの「行為の意味」という詩から、思いだけでなく、行動することの大切さも学びました。
 授業の最後には、「自分の思っていることだけでなく、相手のことも考えた行為が、思いやりだと思いました」「思っているだけでなく、行動に移すことが大切だと思いました」という感想が見られました。思いやりに対して級友と意見を交流させることで考えが広がるとともに、行動することの大切さを学んだことで、今後の目標を立てることもできたと感じました。
 他学年においては、保護者向けに「道徳通信」を発行し、家庭でも考える機会を設ける取組も行っています。社会には、様々な人がいて、たくさんの情報があります。その中で、自分はどのような生き方をしたいのかを自問し、その答えを求め続けていくことが「『生き抜く力』の育成」につながるのではないかと考えます。

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【新城市立八名小学校】八名っ子トークを取り入れて

 本校では、1.発表(自分の考え)、2.質問・感想、3.振り返り、4.まとめ・判断という四つのカップを使った「八名っ子トーク」(グループトーク)を、朝の会、教科の学習、学級活動など多くの教育活動の中に取り入れています。
 「八名っ子トーク」を取り入れた4年生の道徳科、資料「分けへだてなく〜いじりといじめ〜」の実践を紹介します。導入では、資料を読む前に「いじり」と「いじめ」の違いについて全体で話し合いました。「いじり」は、軽いノリであること、「いじめ」は、暗く悲しい思いをするなど「いじり」と「いじめ」には、はっきりとした違いがあると、どの子も考えていました。資料を読み、もう一度考えました。そして、「八名っ子トーク」で、自分の考えを発表します。質問・感想のカップを持ちながら、「ぼくも笑われたことが・・・」という素直な言葉を聞くことができました。小グループだからこそ聞くことのできる話でした。振り返りでは、友達のよい考えを認めたり、自分の考えを見直したりします。最後に司会者が、グループの話合いのまとめをしました。
 授業の後半、「いじり」と「いじめ」は、どこが違うのかについて、全体で話し合いました。「いじり」と「いじめ」は同じ、「いじり」が「いじめ」になる可能性があると考えることができました。
 「いじり」と「いじめ」について、親子でも考えてほしいと思い、授業後の感想を学級通信で紹介しました。

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【瀬戸市立水南小学校】「スマイル」が広がる道徳科の実践

 4年生の学年目標は、「スマイル」です。毎日、笑顔があふれる、元気いっぱいの学年です。学級目標は、その「スマイル」の頭文字をとって、
 「ス」・・・素直になって
 「マ」・・・毎日あいさつ
 「イ」・・・嫌なことをしない
 「ル」・・・ルールを守る
としました。学年目標を、常に念頭に置いて行動できるようにと、子供たちが決めた目標です。
 本時は、「ル」の「ルールを守る」について、考えを深めてほしいという願いから、「雨のバス停留所で」を教材にして取り組みました。
 教材は、雨降りの日に、母と外出したよし子が、先に停留所近くで雨宿りをしている人たちを無視して、一番に乗り込もうとするが、母に厳しく止められたことから、自分の行為を考え直すという内容です。
 まず、母に止められたよし子の気持ちについて、ロールプレイをしながら考えました。「座りたいのに」「どうしてとめるの?」「まだならんでいなかったのに」といった自己中心的な気持ちが出てきました。
 次に、雨宿りをしている人の立場になって、よし子の行動を考えました。「迷惑に思う気持ち」「不快な気持ち」に気づいたときに、改めて、よし子の自分勝手な行動に気付くことができました。
 最後に、「自分のしたことについて、どんなことを考え始めたか」を話し合いました。話合いを進める中で、「自分のことしか考えていなかった」「他の人にいやな思いをさせてしまった」など、相手の気持ちになって考えることの大切さに焦点が絞られてきました。
 「相手の気持ちを考えることが、きまりを守ることにつながること」に気付いたことで、より一層きまりを守って行動しようとする気持ちになり、教室に笑顔が広がりました。
 これからも、「スマイル」が広がる道徳科の授業に取り組んでいきたいと思います。

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【南知多町立師崎小学校】考えを深める道徳科の授業づくりを目指して

 昨年度から、「豊かな心をもった児童の育成−考えたり、議論したりして、考えを深める道徳の授業を通して−」という主題で研究を進めています。低学年は、めあてを「自分の考えをもつとともに、友達の考えも大切にする」、高学年は、「みんなで話し合ったり議論したりして、考えを深める。そして、自分を見つめ直す」と設定しました。
 本年度は、昨年度の授業実践の反省をもとに、発問の工夫や振り返りシートを活用した評価の研究を行っています。9月には、相手の立場や気持ちを考えながら広い心で人と接する態度を養うことをねらいとして、「名医、順庵」を教材に、大型ディスプレイを活用し、板書を工夫した実践を行いました。プレゼンテーションソフトと大型ディスプレイを用いて、子供に分かりやすい場面提示や発問を行うことができました。さらに、大型ディスプレイの利用は、板書の簡略化、時間の効率化にもつながりました。
 振り返りシートには、「人の気持ちを考えることがとても大切なんだと思った。失敗を責めたりしないことを心がけたい」「人を許すことができないときがあるので、これからは許せる心をもちたい」といった子供の気持ちが書かれており、相手の立場や気持ちを考えて、広い心で人の失敗を受け止めようとする気持ちを高めることができました。
 今後も、子供たちが価値観を深めていくことができる道徳科の授業を目指し、話合いや議論の場のもち方、教材等の提示の仕方、ワークシートや振り返りシートを活用したポートフォリオ評価なども含めて、研究実践に取り組んでいく予定です。
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【碧南市立新川小学校】一人一人の役割を果たそう

 学校公開日に、全学年で道徳科の授業を行いました。その中で、6年生は、約1か月後に控えた修学旅行に関連させ、「門前町に商店街を完成させよう」と題した授業を実践しました。一人一人の役割を果たそうという意識をより高めてほしいと願い、修学旅行の班に分かれたグループ活動を取り入れて行いました。
 グループごとに配られた条件カード20枚だけを頼りに、商店街の白地図に14店舗を正しく配置していきます。お互いの条件カードを見せずに、自分のカードを読み上げ、聞いた情報から、班で力を合わせて地図を完成させていきました。完成できた班の数は少なかったものの、授業の感想では、「一人一人がしっかり伝えて協力すれば、地図はできた」「メモをとる子と、地図に書きこむ子と分けるべきだった」「自分の役目を果たして完成してよかった」「完成しなかったけれど、協力してできたので、絆(きずな)が深まった」などと、力を合わせる難しさと喜びが聞かれました。修学旅行に向けて、一人一人の役割を果たそうという意識を更に高められたよい機会となりました。

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【半田市立亀崎中学校】一部ローテーション道徳

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 本校では、授業中の生徒の表情を想像しながら、教材や授業展開について話し合い、教師同士で日々授業力を高め合っています。そこで、より魅力的な授業展開を教師同士で学びあうことや、生徒たちに各教師の専門教科や得意分野を生かした深い授業を受けさせるために、本年度より、「一部ローテーション道徳」を行っています。「一部ローテーション道徳」とは、学年主任や教頭、校務など担任以外の教師が、年間1時間ずつ道徳科の授業を行うというものです。
 3年生では、1学期に進路指導主事による「ローテーション道徳」が行われました。英語科の教員である進路指導主事は、我が国の伝統と文化の尊重「外国人から見た日本人」の授業を行いました。修学旅行で東京へ行った3年生は、そこでたくさんの外国人と出会いました。外国人の目に、日本人はどのように映っているのでしょう。授業の初めに、外国人から見た日本人のすごいところが、次々とスライドに映し出され、どこがすごいのか問われます。中には、当たり前のことで、なぜそれがすごいのか分からないものもあります。より詳しく国際事情を知る英語科の教師が、国際理解に関する授業をすることで、生徒たちは興味津々といった様子で、映像資料を見て解説を聞くと、思わず「なるほど」と声があがりました。「外国人から見た日本人」という内容が、英語の授業で学習した内容と関わるところもあり、教科と道徳科との関連も感じられました。生徒の振り返りには、「改めて日本という国について考えてみると、当たり前だと思っていたことが実はすごいところだったと分かり、素敵な国だと思った。」「日本人らしさやすばらしいところに誇りをもち、さらによい国にしたいという気持ちになった」とあり、気づきのある1時間になりました。

【知多市立つつじが丘小学校】学び合いを生かして議論する道徳〜6年生「修学旅行の夜」の授業実践から〜

 本校では、「自分の考えをもち、相手に伝えることができる児童の育成」を目指し、各教科で学び合いの授業を実践しています。道徳科の授業では、学び合いを生かすことにより、児童が安心して自分の考えをもち、議論できるようになってきています。
 6年生「修学旅行の夜」の授業では、次のように展開しました。
ア.「自由」について自分なりに考え、友達と意見を伝え合う。
イ.資料を読んで「修学旅行の夜人に迷惑をかけないように気を付けてお
 しゃべりする」ことは、「自由」か「自分勝手」のどちらかを考える。
ウ.決められた立場でグループで主張を考える。
エ.全体で議論をし、それぞれの立場の意見をまとめる。
オ.「自由」と「自分勝手」の違いについてワークシートに記入する。
 「イ」のときに「自分の意見を伝えるだけでなく、友達から同じ意見、違う意見の両方を聞いたらサインをもらう」という活動を取り入れることにより、学級全体で伝え合う雰囲気づくりをすることができました。また、「ウ」のときには、ホワイトボードでグループの意見をまとめました。3、4人のグループで話し合いながら自分たちの考えをボードに書き、大切な言葉は色をつけるなど工夫して発表に生かしていました。
 議論を通して、「ルール」「迷惑」「責任」「周りのこと」など、「自由」と「自分勝手」について考えるためのキーワードがいくつか出てきたので、自分なりに考えるときのヒントになりました。
 振り返りを書くときには、友達と自然に助け合うことができ、日頃の学び合いの温かい雰囲気が生かされていると感じました。これからも、学び合いを基盤として、安心して議論できる道徳を目指していきます。

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【岡崎市立広幡小学校】あいさつの大切さについて考えよう

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 本校では、6月の授業参観で、全校クラスで道徳科の授業を公開しました。その公開授業では、保護者にも教材を配付し、一緒に考えて参観する形としました。
 2年生は、「あいさつ」について考えました。子供たちが、あいさつの大切さについて考え、今後の生活に生かしていけるように授業を行いました。
主な手立てとして三つ考えました。
 一つ目は、「教材提示の工夫」です。場面絵を使い、自分の生活と照らし合わせながら考え発言することができました。
 二つ目は、「板書の工夫」です。座標軸を使い、心の葛藤を自分のマグネットで表すことで、友達の意見が自分と同じか違うのか考えやすくなりました。
 三つ目は、「授業後の活動の工夫」です。道徳科で考えたことをもとに、「挨拶運動」を行い、挨拶の大切さや、気持ちよさを実感できるようにしました。
 授業や活動を通して、「挨拶って気持ちがいいね」「挨拶が苦手だったけど、好きになってきたよ」など、挨拶のよさに気づくことができました。
 これからも、子供たちが道徳的な課題を、自分自身の問題と捉え、向き合う「考え、議論する道徳」の授業に取り組んでいきたいと思います。

【豊田市立冷田小学校】自由について考え、議論する道徳科の授業

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 6年生(男子1名、女子4名)の道徳科「自由行動」の授業を紹介します。
 「自由には、自分本位な自由と、互いを尊重し合う自由があり、どちらにもプラス面やマイナス面があることに気づき、自分にとっての自由について考える」というねらいで実践をしました。
 教材の内容は、修学旅行の自由行動の計画を、グループで話合う場面から展開されます。一人一人の考えを尊重するために、それぞれ別行動することで話がまとまりかけていました。しかし、リーダーの男子が考えを改め、グループでの楽しい行動になるよう計画しようと投げかけます。そこで、リーダーの心の変化について話し合いました。
 話合いの導入では、5名のうちの1名が別行動に賛成、4名がグループ行動に賛成と意見が分かれました。別行動を選んだ児童は、「気兼ねなく、束縛もなく、好きに行動できるから楽しい」と考えを発言し、グループ行動を選んだ児童は、「一人では友達と思い出を共有できない」「間違いを正してくれる人がいない」「一人で判断することは心配」などの意見が出されました。
 話合いを進める中で、「修学旅行として、みんなで出かける意味は何か」という意見が出されました。考えの違いは1対4のまま平行線で終わりましたが、互いの意見を聞き、別行動とグループ行動のプラス面、マイナス面を出し合うことができたことで、自由に対する視野は広がったと考えます。
 これから進める修学旅行の自由行動の計画立案に向けて、意味のある道徳科の授業となりました。教材の内容と自分を比べながら、5人のクラスメイトで話合いを重ね、自由に対する心の受け止め方がどのように変化していくのかが楽しみです。


【大口町立大口北小学校】児童が主体的に考える授業を目指して〜教材提示の工夫〜

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 児童が、沖縄地方に関心をもてるように、授業前の休み時間から沖縄民謡を流しました。本時の教材が、沖縄の話であり、「ヌチヌグスージ」は、沖縄の言葉で「いのちの祭り」という意味であることを連想させることができました。また、沖縄のにぎやかなお墓参りの様子から、家のお墓参りの様子を想起し、お墓参りとは何かを考えることができました。
 教材文は、挿絵を多く取り入れた紙芝居にして提示しました。児童は、状況や登場人物の表情が読み取りやすく、集中して話を聞くことができました。自分の命は、お父さんとお母さんから与えられ、お父さんとお母さんは、おじいちゃんとおばあちゃんから与えられていてと、命のつながりを考え、御先祖様は数え切れないほどの数がいて、誰一人でも欠けたら自分が生まれなかったことに気付きました。目に見えない命のつながりを捉え、自他の命を大切にしていこうという気持ちを強くした児童が多くいました。
(児童の学習プリントより)
・命をこんなにたくさんの人からもらったことがうれしいです。今、自分が責任をもって命をあずかっているんだなあと思いました。
・命をくれた御先祖様は、数えきれないほどたくさんいることに気付き、赤ちゃんを産んで命を続けたいと思いました。
・友達の命、自分の命、家ぞくの命は、本当に大切なんだと思いました。
・「命は人から人へのもらい物、命は一人一人の宝物」ということがしっかり学べました。
・自分の命も、人の命も大切にしていきたいと思いました。そして、人にはやさしく、自分も大切な命をなくさないようしっかり生きていきます。

【豊橋市立石巻小学校】 やりとげるひたむきな心   〜「きせきのりんご」の実践を通して〜

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 4月当初は、高学年としての自覚をもち、学級や学校のために働こうとしてがんばって取り組んでいた4年生。しかし、6月に入り、「自分にはできない」とあきらめたり、めげたりする姿が見られるようになりました。そこで、強い意志をもってあきらめずに努力することの大切さと、周りの人々の支えで人はがんばることができ、目標を達成できることに気づいてほしいと思い、無農薬のりんごを作った木村秋則さんの話「きせきのりんご」を教材にした授業実践に取り組みました。
 「きせきのりんご」は、無農薬でりんごを育てるため、木村さんは、いろいろなことに挑戦するが失敗ばかり。9年目にして、やっと無農薬のりんごを実らせることができた話です。まず、木村さんの思いに迫るため、「自分が木村さんだったら、どうするか」を考え、話合いをしました。子供たちは、「途中であきらめたら、今までの努力が無駄になる」「子供や奥さんに、おいしいりんごを食べさせてあげたかったからがんばる」「失敗ばかりしていたら、家族に迷惑がかかるからやめる。そんなに長く続けられない」など、それぞれ自分の素直な気持ちを出し合いました。
 そこから、「木村さんは、困難の中、どうして最後まで続けることができたのかな」というテーマにせまる発問を設定しました。「やると決めたし、成功すると思っていた」「りんごが好きだし、絶対作ってみせるという思いがあった」「家族に無農薬のおいしいりんごを食べさせてあげたかった」など木村さんの強い思いや努力、家族への思いなどを考えることができました。また、周りの人の支えがあれば、困難に負けず努力を続けられることにも気づくことができました。
 振り返りには、「木村さんのように、自分の目標に向けて努力し続けたい」とあり、強い意志をもつこと、あきらめずに努力することが大切であることに気づき、行動しようという気持ちをもつことができました。これからも、自分自身の問題として捉え、向き合える授業を考えていきたいと思います。また、話合いを通して、本時でねらう価値に関する多様な考え方や見方などが出し合える授業づくりをしていきたいと思います。

【北名古屋市立師勝南小学校】道徳科の授業実践「よいところをのばそう」

 本校では、「主体的に学びに向かう児童の育成」を目指し、学び合い活動を取り入れた授業実践を行っています。
 2年生の「よいところをのばそう」では、まず、折り紙名人の作った折り紙の挿絵を掲示し、子供たちの興味や関心をひきつけました。発言しやすい環境づくりや発問の工夫により、自分の得意なことやよいところを考えたり、友達のよいところを見つけたりすることができました。友達に伝えてもらうことで、新たに自分のよいところに気付くことができた児童もいました。また、本教材に登場する吉澤章さんの生き方を通して、自分のよさを更に伸ばしていくためには、どうしたらよいかを考えたり、意欲をもったりするきっかけとすることができました。1学期には、帰りの会で「いいことバトン」の取組を行い、友達のよいところを見つけて伝えました。友達のよさを見つけることが上手になりました。
 今後も、主体的に学びに向かうことができるよう、学び合い活動を効果的に取り入れた授業を行っていきたいと思います。

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【愛西市立市江小学校】多様な考え方を認め合い、考えを深める道徳科の授業

 本校では、多様な考え方を認め合い、自分の考えを深めることができる児童の育成を目指し、発問の工夫と、自己とは異なる考え方を互いに語り合う場の工夫を行っています。
 2年生「なかよしだから」の授業では、相手のことを考えて、友達を大切にし助け合っていこうとする態度を養うことをねらいとしました。主発問を、「あなたが実君だったら、教えますか、教えませんか」とし、自分事として捉えさせることで、児童は主体的に考えている様子でした。「心情バロメーター」を使用し、全員に自分の考えをもたせ、それを互いの意見が見えるように、理由とともに板書にまとめました。「仲よくし、助け合う」という意見から一歩踏み込んで、「友達と互いに理解し、信頼し、助け合う」へつなげたいという教師の思いから、「野球のカーブを教えるのと勉強を教えるのとは違いますか」という補助発問や、友達だからこそ宿題を教えなかった実君に対して、「2人は本当の友達だと思いますか」と補助発問し、「相手のことを考える」に思いが至るように展開しました。自分とは異なる意見から学び、自分の考えがどのように変化したかを話したり書いたりできました。
 日頃、安心して自分の意見が言え、人の話を聞けるような雰囲気作りを心掛けて授業を行っています。朝学の時間を利用した「なるほどトーク」の実践等により、児童に聴く・話す態度を更に身に付けさせ、「考え、議論する道徳の授業」を目指していきたいと思います。

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【瀬戸市立品野中学校】 発問を工夫した授業実践

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 道徳科の授業を進める上で、授業者は、発問についての悩みが常にあります。そこで、一つの授業を教員みんなで考える「学び場」という機会を設け、授業者が前もって考えた発問をみんなで話し合いました。
 教材は、3年生の「父の一言」です。この教材は、「上野動植物園の臨時職員の私が、正規職員採用試験に不合格となり、挫折して郷里に帰ることになる。母は喜んで迎えてくれたが、3日目に父から言われた『・・・おまえのカワウソが寂しがっているぞ・・・』の一言で、動物を飼育する者としての責任に気づき、自分のとった行動を情けなく思い、動物園に戻る」というものです。
 この教材を通して、「父が私に対して発した言葉の意味を考えることを通して、責任をもつことの大切さを自覚し、責任を全うしようとする態度を育てる」ことをねらいとした授業展開を考えました。まず、導入では、「責任をもつことは大切ですか」と問いかけました。この発問に対して生徒は、「大切である」と答えました。次に、「あなたは自己の行為の結果に責任をもつことができていますか」とテーマ発問を行いましたが、「できていない」「場合による」と多くの生徒が答えました。これによって課題への意識付けができました。
 教材を読んだ後、「本当は私に、父は何と言いたかったのだろうか」と中心発問をしました。この発問に対して、生徒は真剣に考えていました。「責任を果たしてから帰ってこい」「仕事に責任をもて」「こんな所で自分だけ落ち込んでいないで早く帰りなさい」など、それぞれの思いを語っている姿が見られました。また、班の中で「責任ってそもそも何?」というねらいにつながるつぶやきも聞かれました。 
 最後に、道徳的判断力を育てていきたいという思いから、「自己の行為の結果に責任をもつために何が必要でしょうか」と問いかけました。振り返りには、「責任をもって行動すれば相手を傷つけないし、自分も相手も気持ちがよくなると思う」「私は、たまに自分の行為の結果に責任をもたず、理不尽なことをしてしまうことがあるので、自分のことだけでなく、周囲への影響も考えて行動していきたい」など、ねらいに迫るものが見られました。
 授業を作っていくためには、多くの教員でアイディアを出し合い、より多くの発問を考えていくことで、ねらいに迫る発問や、多面的多角的な考えを引き出せる発問が見つかっていくと実感できました。