【豊田市立五ケ丘小学校】道徳科「さと子の落とし物」の実践

 3年生で、教材「さと子の落とし物」を通して、友達同士で互いに力を合わせ助け合うことの大切さについて考えました。
 鍵を失くして困っているさと子の気持ちを思いやり、男子も女子も協力し合い、砂まみれになり鍵を探す姿から、さと子のクラスのよいところを話し合いました。「友達が困っているときに、助け合っている」「自分のことだけではなく、みんなのことを考えている」「男子も女子も関係なく協力している」などの意見が活発に出されました。
 自分たちのクラスは、どうなのだろうと、子供たちの意識が自分たちのクラスに向いてきたところで、「助け合いメーター」を用い、さと子のクラスと自分たちのクラスの助け合い度を数値化しました。さと子のクラスのメーターは、10段階中10に近い数字を選ぶ子が多かったのに対し、3年生の助け合い度は、5〜6と感じている子が多く、自分たちのクラスの現状や理想とする姿について考えを深めることができました。
 振り返りでは、「私たちも、さと子のクラスのように男女で協力し合うクラスになりたい」「メーターが10を超え、100になるようにしたい」などと書いている子も見られました。
 授業が終わった後は、「どうとくのあしあと」に、板書写真と子供たちが書いた振り返りを掲示しています。日常生活においても道徳科で学んだことを意識できるよう働きかけていきます。

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【清須市立春日中学校】学校公開 全学級道徳科の授業

 本校では、教育目標の一つ「あいさつができ、やさしい行動がとれる生徒」の育成を目指し、学校の教育活動全体を通じて、道徳教育を進めています。そして、道徳教育の要である「道徳科の授業」を充実させることで、「思いやりの心」「礼儀正しい態度」「判断力」「情報モラル」を身に付けさせたいと考えています。
 6月20日の学校公開日には、全学級で道徳科の授業を公開しました。学年目標や学級の実態に応じて主題を設定し、それぞれ工夫をこらした授業を保護者に参観していただきました。
 「考え、議論する道徳」を実践するために、学習形態を工夫する学級が多くあり、ペアで意見交換したり、グループやコの字になって話合いをしたりしながら、自分の考えを広げたり深めたりする様子が見られました。また、電子黒板などのICTを活用し、視覚的・聴覚的に教材を捉えさせることで、道徳的価値に迫ろうとする授業もありました。資料を視聴する場面では、生徒だけでなく保護者も画面に見入っていました。
 道徳の教科化に伴い、学校としても授業研究により一層力を入れるとともに、保護者にも道徳科について理解していただくことが必要となります。今回の学校公開は、学校にとっても、保護者にとってもよい機会となりました。

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【岡崎市立愛宕小学校】きまりについて考える(3年)

 3年生で、「きまりのない国」という教材を使って、道徳科の授業を行いました。
 きまりや約束ごとを守ることが苦手な主人公が、妖精に「きまりのない国」に連れていかれ、様々な体験をしました。公園では、サッカーをする子となわ跳びをする子が入り交じり、けがをしそうになりました。遊園地では、入場の列が守られず、押し合いのけんかになりました。そんな様子を見て、もとの国に帰りたいと思ったとき、交通ルールを無視した自動車に、はねられそうになりました。
 授業の導入では、「『きまりのない国』へ行けたら、ずっと遊んでいられるし、勉強もしなくてよい」など、主人公の気持ちに共感する意見が多く出されました。しかし、主人公が次第に困惑していく様子を見て、「きまりがあるから、安全に暮らせているのではないか」「みんなが約束を守るから、学校で友達と楽しく過ごせるのではないか」という意見が出るようになり、きまりを守ることの大切さについて活発な話合いができました。さらに、地域では、ごみの分別や収集日が決められていることが挙げられるなど、学校生活以外でのきまりにも気づいた児童もいました。
 振り返りには、「きまりはなくてはならない」「きまりを守ることで、みんなが安全に楽しく生活できるようになると思う」「これからも、きまりを守って生活したい」と書かれていました。
 きまりの意味を理解し、自分たちの日常生活につなげる有意義な学習となりました。

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【豊田市立浄水北小学校】学校公開日での道徳科授業公開

 6月26日の学校公開日に、全学年で道徳科の授業を公開しました。情報モラルに関わる教材や悩みや葛藤等の心の揺れを扱った教材など、それぞれの学年にあわせた教材を用いて、よりよく生きるために大切なことを考えました。
 「抱き上げてもらったおおかみさんは、どんなことを思ったでしょう」
 「お母さんからの請求書を見たときに、だいすけさんはどんなことを考えたでしょう」
 「男の子との約束を守るか、自分のチャンスを生かすか、どうするべきだろう」
 教材の登場人物の心情や行動について、様々な意見を出し合い、話し合いました。話合いを通して、物事の捉え方や感じ方、考え方は一つではなく多様であることにも気づくことができました。また、情報モラルに関する教材からは、個人情報の重要性や個人情報を安易に教えることの危険性について学びました。
 保護者に道徳科の授業を公開したことで、家庭でも道徳的価値について考えるきっかけになればと考えています。今後、道徳ノートの持ち帰りなどを利用して、親子で話し合う機会を設定したり、学校の取組を知ってもらったりする機会にしたいと思います。
 これからも子供たちの道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てていくことをめざし、学校と家庭が連携して取り組んでいきたいと思います。
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【豊田市立西保見小学校】ふえるといいね「心のブレーキ」(5年道徳科の実践)

 本校では、毎月、「西保見道徳DAY」を設定し、道徳科の授業を公開している。本校の特徴は、外国籍の児童が多いことである。5年生の約7割の児童が外国籍である。そこで、内容を分かりやすくするために、紙芝居を作ったり、話を要約したり、動画を利用したりして授業を行っている。
 ここでは、5年生「おこる前に待って」の実践を紹介する。子供たちは、ふだんから思い込みが強く、相手の気持ちより、自分の思いを主張してしまう傾向があり、トラブルも起きてしまう。自分の気持ちを表現する前に、自分の行動で相手がどんな思いになるかを考える授業を行った。
 かおりとさきの2人から、地域の祭りへ別々に誘われたしずか。さきから誘われていたことを知らせず、2人で行けることを楽しみに誘ってくれたかおり。しかし、相談することもなく、3人で一緒に行くことにしたしずか。かおりは、突然怒りだした。「かおりの怒った理由が分からないしずか」と、その「しずかの気持ちを思うこともなく、怒りをぶつけたかおり」の二人の考えと、二人のとった行動をもとに話合うことにした。
 話合いの中で、「相手の話(理由)を聞く」「ゆっくり話す」「態度に出さない」「心のブレーキをかける」などの発言が出た。
 7月には、野外学習がある。仲間の思いを考えなければならない場面も多くある。そのときに、今回の話合いを生かしてほしいと思う。

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【春日井市立上条小学校】 言葉の使い方を考えよう

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 新年度に入り、新しい友達ができるとともにトラブルも起こる時期でもあります。そこで、「言葉の使い方を考えよう」というめあてで、誰もがよい気持ちになれる言葉を使うとともに、人によって考え方、感じ方が違う言葉があることも意識できるような授業を実践しました。
 導入では、自分や相手の呼び方を問うことで、呼び方だけでも多くの言葉があることに気付かせます。
 その後、気持ちに関わる言葉見つけをし、「よい気持ちがする言葉、嫌な気持ちがする言葉」に分けます。気持ちに関わる言葉なので、ほとんどの児童が素早く分けることができます。
 今度は、分ける作業を、自分や相手の呼び方で行います。ここでは、「よい気持ちがする呼び方、どちらでもない、嫌な気持ちがする呼び方」の三つに分類します。気持ちの分類とは違い、ほとんどの児童はとても悩みます。分類後、発表させます。すると、同じような呼び方でも人によってよい気持ち、嫌な気持ちと感じる児童が分かれます。
 児童たちは、「自分はよい気持ちがする呼び方でも、相手にとっては嫌な呼び方がある」ということに気付きます。
 最後に教師が、「よかれと思ってやったことでも、実は相手は嫌だったこと」の経験談をします。
 児童たちは、「これからは、人の気持ちを考えて話したい」「自分が言われて嫌なことは、言わないようにする」などの感想がありました。日々の生活で心掛けてほしいと思います。

【西尾市立福地北部小学校】板書を工夫した道徳科の授業実践

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 昨年度より「道徳」が「特別の教科 道徳」として教科化されました。それに伴って、教師一人一人が、これまで以上に子供たちの心に響く多様な指導法を身につけていくことが重要となります。そこで、本校では、「考え、議論する道徳科の授業」を目指し、発問・板書・話合いを工夫して授業を組み立てています。
 4年生「思いやりの表し方」(B:親切、思いやり)の授業では、板書を工夫した実践を行いました。教材「本当の思いやり」に登場する骨折した友達を助ける「わたし」の姿を通して、親切や思いやりについて考え、本当の思いやりについて気づくことをねらいとしました。主人公の「わたし」と自分を重ね合わせながら気持ちを想像することができるように、状況ごとに場面絵を提示し、主人公と友達の気持ちを対比して板書しました。けがが治っていくにつれて「自分でやりたい」という思いを抱く友達に対して、「わたし」がとる行動から、相手の気持ちに寄り添うことの大切さに気づきました。まとめでは、板書の言葉を用いて自分の考えを道徳ノートに書く子や、話合いでの気づきをもとに「相手の気持ちを聞いてから行動したい」と発言する子もいました。
 今後も、「考え、議論する道徳科の授業」を目指し、研究を進めていきたいと思います。

【一宮市立大和南中学校】法やルールについて考える道徳科の授業

 本校の2年生は、「違反摘発」という教材を使って道徳科の授業を行いました。本校では、全学級に六つのホワイトボードが用意されており、話合いでの意見をまとめ、前黒板に提示、発表する活動を行っています。今回の授業でも、各グループでそれぞれの意見をまとめる活動を行いました。
 「どんな事情があっても法は守るべきか、それとも個の事情を考えて配慮すべきか」というテーマで真剣に話し合いました。「特別な事情があるからとはいえ、法は必ず守らなければいけない」という意見や、「親の危篤の知らせを聞いて、冷静ではいられないと思う」など両面の立場から活発に話合いが行われていました。
 生徒の感想には、「授業前には、個人の事情を考えてほしいと思っていましたが、話合いの中で、法やルールがあることで、違法行為を未然に防いでいることが分かりました。ルールの大切さを学ぶことができました」という記述がありました。教材を通した話合いから、法やルールの意味について考えを深めることができました。

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【武豊町立衣浦小学校】道徳科の授業実践を進めています

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 本校では、「特別の教科 道徳」の実践を進めるために、平成28年度から3年間、現職教育で「主体的に考え、他とともによりよく生きようとする気持ちを高める道徳の授業」について研究・実践を行ってきました。本年度もその実践をもとに、機会をとらえて保護者や地域の方に、本校の道徳教育を公開していきます。まずはじめは、4月の学校公開、そして6月の学校公開と続きます。2学期の学校公開でも行います。
 どの学級の授業も、主題に対して考えを深める過程を大切にし、授業の後半では自分への振り返りを行っています。
 また、学級便りにおいて、道徳ノートに書かれた児童の学びを紹介しています。児童の素敵な考えや思いに対し、保護者も教師も心温まることがあります。これからも、心豊かな子供たちを全職員で育てていきます。

【小牧市立味岡小学校】モラルジレンマの授業

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 道徳が教科化され、「考え、議論する道徳」を具体化していく方法の一つとして、「モラルジレンマの授業」に取り組んだ。
 この授業では、子供たちが道徳的ジレンマ(価値葛藤)に陥ることで、初めて道徳的な問題(矛盾,不条理,疑問,悩みなど)に気づき、その解決のために主人公が大切にしたい価値は何かを考える。そして、主人公を取り巻く人の考えや思いを考慮し、主人公にとってどうすることが公正で公平かという視点で判断し、問題解決していく。その一連の話合いが、道徳性の発達にとって大きな意味をもつようになってくる。
 ここでは、3年生の「たぬきのぽん太」の実践を紹介する。「ぽん太を山に返すべきか、それとも、このまま小学校で飼い続けるべきか」を、それぞれの立場に立って考えさせ、自由に意見交換をさせた。「山へ返すと敵におそわれてしまう」などの理由で「学校で飼い続けるべきだ」と考えていた児童が多かった。しかし、「山へ返すことで自分で強く生きてほしい」などの理由を聞いて、「山へ返すべきだ」と立場を変える子供が何人も見られた。動物を飼うことの意義や責任について、一人一人の児童がより深く考えることができたと思う。また、授業後の子供たちの声には、「自分の意見をみんなの前ではっきりと言うことができて自信がついた」「友達の考えを聞いて、考えがかわった」など、話し合うことに意欲の高まりを感じるものが多かった。このように、話合いを通し、自分の考えと比較しながら、多様な考え方にふれることができるモラルジレンマ教材は、「考え、議論する道徳」として取り組みやすい教材と考える。

【豊田市立平和小学校】わたしのえをかえないで

 令和元年6月5日(水)の授業参観では、どの学年も「情報モラル」についての実践を行いました。5月に、「ネットモラル」「事例で学ぶネットモラル」を紹介して、教員が教材を有効に活用できるようにしました。2年生は、「わたしのえをかえないで」というネットモラルのアニメーション教材を視聴して、作品を大切にする心を学びました。
 「絵が完成したときのあかねさんは、どんなことを思ったでしょう」「かき直された絵を見たときの、あかねさんのきもちを考えましょう」「ゆうたさんは、あかねさんの絵を見たとき、どうすればよかったでしょう」という発問から話合いをしました。
 授業の終わりの感想では、「自分がかいた絵のまえがみがかわっていて、びっくりしたとおもいます」「ゆうたくんは、直してあげるつもりだったかもしれないけれど、あかねさんがかいたものはあかねさんのものだから、かってにかえてはいけないと思いました」という意見が出ました。
 2年生の子供たちにとって、アニメーション教材は身近な教材で、内容について理解しやすかったようです。作者の思いを大切に保護することが、著作権であることを理解できたと考えます。保護者にとっても、情報モラルへの関心が高まっています。これからも授業参観や道徳ノートの持ち帰りなどを利用して、親子で考えたり、学校の取組について知っていただけたりしたらよいと思います。
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【蒲郡市立蒲郡北部小学校】体験活動を生かした道徳科授業「クラス対抗全員リレー」

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 4年生では、体育祭が行われる前に、「クラス対抗全員リレー」という教材で、道徳科の授業に取り組んだ。
 授業の初めに、体育祭での「学級対抗リレー」の意気込みを聞いた。子供たちからは、「みんなで協力して勝ちたい」「負けても、けんかがないようにしたい」「誰かを責めないようにしたい」など、勝負へのこだわりを感じる意見が出た。
 次に、「走るのが遅い『たけし』をリレーメンバーに入れるかどうか」という資料を最後まで読み進めた。主人公「そうた」が、話合いで何も言えずにいる場面で、「もし、自分がこの場にいたらどうする」と投げかけた。子供たちは、「勝ちたい気持ちも分かるけれど、『結果よりも頑張り』を大切にして、たけしを出してあげたい」「足が遅かったらバトンパスを教えてあげればよい」などの意見が出た。
 そこで、「どうして、この意見がよいのか」と問い返すと、「自分が、たけしだったら嫌な気持ちになる」「全員リレーだから、みんなが頑張ればよい」といった声があがった。
 最後の振り返りでは、「だれの意見がいよと思ったか」という視点で、道徳ノートに感想を書かせた。
 授業を終えた次の日から、「学級対抗リレー」に向けて、学年練習を行った。練習中には、自分の思ったことを相手に伝えたり、相手から言葉をかけられたりし、主人公「そうた」のような気持ちになっていた。子供たちには、自分が正しいと思ったことを行動に移せるようになってほしい。

【一宮市立丹陽南小学校】「役割演技」を取り入れた道徳科授業の充実を目指して

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 教科化された「特別の教科 道徳」では、「考え、議論する道徳」の大切さが求められています。本校では、道徳科授業の充実を図るために、「役割演技」を積極的に取り入れています。
 「役割演技」とは、ある状況や場面において、子供が感じたこと考えたことを即興的に表現するもので、「ロール・プレイ」とも言われます。
 授業では、「主人公の立場を演じる方法(主人公と他の登場人物)」「葛藤する主人公を2人で演じる方法(主人公の中の2つの心)」を取り入れています。
 演者が感じたことや、観客が感じたことを相互交流させる中で、多面的・多角的な見方・感じ方ができるように、実践を進めています。

【豊田市立稲武小学校】1年生「うまれたての いのち」

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 最近、不慮の事故で幼い命が奪われてしまう事故・事件が多い。その現状を分かりやすく児童に伝え、自分自身が元気でいられることを喜び、全ての生命あるものを大切にしようとする心情を育てるために、赤ちゃんを題材にした授業を実践した。
 授業では、赤ちゃんのお面を用意し、児童に赤ちゃん役をさせて、どのような言葉をかけてあげるのがよいかを考えさせた。動作化を取り入れたことで、児童の本音を引き出すことができた。
 授業の終末では、担任の娘が生まれた瞬間の動画を視聴させた。振り返りの児童の感想で、「たったひとつしかないいのちを、もっと大切にしていきたい」という意見から、命の尊さを感じ取ることができたことが分かった。

【豊川市立一宮中学校】参観日の道徳科授業公開

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 本校では、例年、初めての授業参観は、道徳科の授業を公開しています。
 入学や進級をし、新しいクラス、新しい担任のもとで行う道徳科の授業を、保護者の皆様に参観していただきました。
 本年度から、中学校でも道徳が教科化され、生徒の発達に応じた指導の工夫が求められています。特に、今回は、年度当初ということもあり、「集団や社会との関わり」に関する内容の授業が多くありました。
 1年生「選手に選ばれて」では、権利と義務について、体育祭のリレー選手を選ぶ場面を通して、「自分だったら…」「どちらも納得できるよりよい方法はないか」などを考えていました。参観をしていた方々からは、「大人にとっても考えさせられる内容だった」と御意見をいただくことができました。
 このように、教科書を中心に授業を組み立てる学級や、自作教材や教育書を参考にした授業を行う学級もあり、職員室では、4月から道徳についての話題が積極的に交わされています。

【一宮市立三条小学校】体験を取り入れた道徳科の授業実践

 昨年度より、「道徳」が「特別の教科道徳」として教科化されました。本校では、「特別の教科道徳」を四期「(1) 自己を見つめる (2)他者とのかかわりを見つめる (3)成長する自己と向き合う (4)より広く人や社会との関わりについて考える」に分けています。各期の道徳科において、児童がどのように変容したかを児童自身が捉えられるように、ポートフォリオ評価を取り入れています。
 「ポートフォリオ評価」とは、児童生徒の学習の過程や成果などの記録を、計画的にファイル等に集積して学習状況を把握する評価法です。初めに、各期を通した問い(例「相手の立場に立って、考えたり行動したりする」とはどういうことだと思いますか)に答え、学習前の思いや考えを記述します。次に、毎時間、教材を終えるごとに授業で大切だと思ったことを記述していきます。各期の最後に、学習する前と同じ問いに答え、学習前と学習後で自分の考え方がどのように変容したかとらえられるようにしています。
 また、授業の中に役割演技を取り入れたり、体験的な学習や話合い活動を取り入れたりといった指導方法の工夫も行っています。2年生の「ぴかぴかがかり」の授業実践を紹介します。この題材は、内容項目:C主として集団や社会とのかかわりに関すること・「勤労、公共の精神」についての学習です。「ぴかぴかがかり」の疑似体験として教室のごみを拾う活動を行いました。児童は、ごみやほこりを探し、「すっきりして気持ちよい」「楽しい」と口々に言いながら大切そうに捨てていました。
 その後、「ぴかぴかがかり」の活動が人の役に立っているのを知る場面の役割演技を通して、人のためにはたらくことが評価される体験をしました。体験した後だけに、「これからも頑張ろう」「役に立ててよかった」といったせりふを考えていました。児童は、みんなのために働く活動の気持ちよさと、人の役に立つことのよさという多面的な価値を体験することができました。
 本校では、自らの成長を振り返ることのできるポートフォリオ評価と、児童の学びを深める授業改善を続けることで、よりよく生きるための基盤となる道徳性を育んでいきます。
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【春日井市立神屋小学校】 ツバメ調査

 本校の校舎の渡り廊下には、毎年、ツバメが巣を作ります。また、4年生は、毎年5月下旬の総合的な学習の時間に、「つばめ調査実行委員会」の皆さんの指導のもと、校区の「ツバメ調査」を行うなど、ツバメはとても身近に感じる環境にあります。
 動物や自然を大切にする気持ちを高めてから「ツバメ調査」を行うために、調査の直前に、道徳科で「いのちをつなぐ岬」を教材に授業を実践しました。
 この教材は、日本で最も北にあるウミガメの大産卵地である、静岡県御前崎市の保護活動に取り組む人々の思いや様子を通して、自然愛護について考える内容です。
 導入では、命をつなぐ意味を問うことで、生命の連続性や生きることの使命に気付かせました。
 その後、保護監視員や子ガメを飼育・観察する地元小学生の気持ちを考えることによって、子ガメに対しての愛情、願い、思いやりを感じとることができました。そして、「ウミガメの存在は、神屋小学校のツバメだ」との声も聞こえてきました。
 最後に、「命をつないでいくために大切なことは何か」と問いかけました。「責任・愛情をもって育てる」「自然を大切にして、暮らしやすい環境を整える」「ポイ捨てをしない」「勝手にエサを与えない」「ストレスを与えずに、見守ることが大切」などの発言がありました。
 今後の「ツバメ調査」の際にも、自然を大切にする気持ちや、動植物への愛情をもって、取り組んでほしいと思います。

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【一宮市立今伊勢中学校】ピア・サポート活動

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 本校では、全学年で、「ピア・サポートプログラム」を組んで実施しています。その中で、人間関係作りや他者理解、意思の伝達などについて、生徒同士のペアやグループ活動を取り入れながら学ばせています。
 今回は、6月に入って初めての活動でした。1年生では、相手の表情や声色などから気持ちをくみ取る取組を、2年生では、言葉によるコミュニケーションと言葉以外のノンバーバルコミュニケーションを使って、自分の気持ちを伝える練習を、役割を変えながらグループで行いました。
 道徳科の授業を通して、道徳的な価値を高めるとともに、「ピア・サポート活動」で学んだ人との良好な関係作りを、日常生活で生かしてほしいと思います。

【常滑市立西浦北小学校】道徳科の授業実践

 6月の学校公開日の授業参観で、1年生は道徳科の授業を行いました。
 新しい友達との関係も築け、小学校生活にも慣れてきました。そこで、身近にいる人に温かい心で接し、親切にすることのよさに気付いてほしいと考え、授業実践を行いました。
 導入場面では、親切にしてもらってうれしかった経験を発表しました。「自分がけがをしたときに、『だいじょうぶ』と、声をかけてもらった」「困っているときに、手伝ってくれた」などが挙がりました。
 その後、「はしのうえのおおかみ」という教材を活用して、役割演技をしながら、各場面での「おおかみ」の気持ちを考えました。
 まず、おおかみがうさぎやきつねを追い返した場面では、「おれは強いぞ」「みんなを怖がらせるのはおもしろいな」と、おおかみになりきって演じることで、児童は、素直な言葉でおおかみの気持ちを発表することができました。
 次に、おおかみがくまに抱き上げられ、後ろに渡されたときの場面を、教師がくまの役になり、児童がおおかみの役を演じました。実際に、抱き上げられて通してもらうと「うれしい」「親切にされてよい気持ち」「自分も誰かにやってあげたい」という、おおかみになりきった感想が挙げられました。また、その後のおおかみの行動について、「どうして優しくなったのか」を話し合いました。役割演技を取り入れたことで、児童の素直な意見や感想が出しやすかったと思います。
 振り返りの場面では、児童から「悪いおおかみよりも、優しくて、親切なおおかみの方が、やっていて気持ちがよかった」「相手もうれしくて、自分もうれしくなる。これからも親切にしていきたい」という意見が発表されました。
 今後も、学校生活を送る上で、自分だけでなく相手のことも思った行動をして、優しい子に育ってほしいと思います。

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【豊川市立一宮東部小学校】発問を工夫した道徳科の実践

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 子供たちは、新しい生活にも慣れ、元気に毎日を送っている。しかし、基本的な生活習慣は身についているものの、荷物の片付けや課題への取組等で、まだまだ十分とは言いがたいところがあった。そこで、道徳科で「ぬぎすてられたくつ」を教材に用い、主人公の生活態度や気持ちの変化を知ることで、節度ある生活の大切さについて気づかせたいと考えた。
 各場面で、「○○のときの誠也は、どんな気持ちか」という共感的発問で心情に迫り、誠也の気持ちを考える前に「こういうことなかった?」という投影的発問でふだんの生活と関連付け、自分を投影させながら誠也の気持ちを考えさせていった。
 続けて、「誠也の気づいた大切なものは何だろう」という分析的発問を行い、靴をそろえることを当たり前に感じて行動できるようになった誠也の心の成長に気づかせた。
 最後の、「自分だったら、どんなことに気をつけて今後生活していくか」という投影的発問によって、「いろいろなものを整頓すると、心が気持ちよくなるので、整頓していきたいと思いました」「ぼくは、くつではなく、宿題をめんどくさがらずにやりたいです」「自分も人に言われる前に何でもしたいと思いました」という誠也の気持ちに共感しながら、自分の生活をよりよくしていくために、どうしたらよいか考えることができた。このように、発問を三つに分けて効果的に使い分けるように実践をしている。