【知立市教育委員会】知立南中学校の取り組み

 知立市教育委員会では、令和4年度から令和5年度にかけて知立南中学校に研究を委嘱し、「多文化共生社会を生き抜く生徒の育成〜多様なルーツをもつ生徒がかかわり合う授業づくりを目指して〜」というテーマで教科を横断した研究を行っている。道徳科では、多様なルーツをもつ生徒たちの「共にかかわりあいながら、多様な考え・価値観を受け入れることで道徳的価値への理解を深め、道徳的実践意欲と判断力を養うことができる」姿を目指した実践を行った。
 2年生では、「みんなが納得する決め方を考えよう」という主題で、修学旅行のプランを立てる話し合いについて、満足度を確認し、みんなが納得できる話し合いを行うにはどうしたらいいかを考えた。多様なルーツをもつ生徒たちが主体的に授業に参加できるように、日本語の習熟度に合わせて座席を配慮したり、タブレットで教材文を翻訳しながら確認したりした。また、満足度はタブレットの円グラフで意思表示することで、生徒はルーツに関わりなくみんなの考えを視覚的に捉えることができていた。「好きな案」と「望ましい案」の違いについて考えた生徒たちからは、すぐに多数決で決めてしまうのではなく、「折衷案」が作れるとよいという意見が出た。
 振り返りでは、学びの確認だけでなく、他者の考えに触れた変化も確認し、生徒自身が自分の価値観の変容を捉えられるようにした。(2024年1月19日)

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