【春日井市教育委員会】指導力の向上を目指して〜道徳教育特別部会の設立〜

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 春日井市では、愛知県教育委員会の「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」のもと、一昨年度に坂下中学校が研究実践校として、昨年度は鳥居松小学校が研究推進校として、研究を進めてきました。春日井市内の小中学校はその授業公開や協議会、講演会に参加することで学びを共有し、道徳教育の推進に取り組んできました。
 昨年度は、この研究の成果を全市で共有すること、各校の道徳教育推進教師を育成することを目指し、「道徳教育特別部会」を立ち上げました。そして、この部会で検討を重ね、指導方法や評価についての共通理解を図ってきました。
 今年度はこの特別部会のメンバーを講師として初任者を対象とした道徳教育研修を行いました。これから各校で中心となって道徳教育を進めていく教師の授業力を高めることで、春日井市全体の道徳教育の充実を目指します。

【一宮市教育委員会】令和元年度 一宮市の道徳教育の取組

 一宮市では、令和元年度、子ども自身が自らの道徳性を養うために必要な意欲を引き出せるよう、授業づくりと評価を中心とした研修を行いました。
 8月6日に、小学校教師対象には「うれしい、楽しい、道徳大好き!」、中学校教師対象には「子どもの心に届く道徳教育」と題して、夏季集中講座を開催しました。講座には、一宮市立浅井中学校の山田貞二校長を講師に迎え、教材分析の仕方や対話のさせ方等について解説を聞いた後、グループごとで発問づくりをし、教材研究の方法を学びました。
 10月11日には、「『探究』と『対話』を重視した道徳教育の創造」を研究主題とした第57回愛知県道徳教育研究大会が一宮市立浅井中学校と浅井中小学校を会場に開催されました。各校では授業公開され、県内から約400名が参加し研究を深めました。
また、11月12日の道徳主任者会、11月29日の教務主任者会では、評価のあり方やその具体的な方法について学ぶ研修を行いました。子どもの道徳性にかかる成長の様子を評価することが、子ども自らの成長と授業改善につながることを確認しました。評価のポイントを学んだ後、実際に評価文の添削を行いました。
 一宮市では、今後も各校が道徳の授業力向上やよりよい評価のあり方をめざし、道徳教育を推進できるよう、研修・研究の場を設けていきたいと考えています。

【蟹江町教育委員会】蟹江北中学校における道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業の取組について

 蟹江町はここ数年、道徳科の授業実施に向けて、各小中学校が精力的に研究を進めてきました。令和元年度では、愛知県より蟹江町立蟹江北中学校が「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」の委嘱を受けることとなり、研究が進められました。
 具体的には、研究の要となる道徳部会を中心に年間指導計画の見直しや授業スタイルの構築、ワークシートの検討を重ねるとともに、研究授業や研究協議会等が組織的・計画的に行われました。構築した蟹北スタイルの授業として、「考え、議論する道徳」を実現するために以下について共通理解を図りました。
・生徒同士が表情をみることができる机の配置とする
・教師はファシリテーターとしての立場を意識する
・ワークシートは、主発問に対する個の考えと全体の感想を書く欄を設ける
・導入は、内容項目または資料名をイメージしやすいものにする
・主発問と補助発問を準備しておく
・ペア・グループ・全体のいずれかで聴き合い、議論をする学習活動を授業の中に位置づける
・教材を読み終わったら、机の中にしまわせる
・ワークシートは毎時間ファイルにとじて回収し、教師のコメントを記入して、次の道徳の授業までに返却する
 これらのことに取り組んだ結果、教師一人ひとりが道徳科の授業を行う意義を理解し、よりよい授業を目指そうという意欲が高まってきたことや、道徳科の授業を行う上で、押さえておくポイントを明確化することができる等の成果を得ることができました。
 今後も、道徳科の研究が生徒たちのさらなる成長へとつながることを大きく期待しています。

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【知多市教育委員会】「考え、議論する道徳」の実現に向けて

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 知多市では、昨年度、知多市立旭南中学校が「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」の研究推進校として愛知県教育委員会から委嘱を受け、「考え、議論する道徳」の実現のための授業改善等について、外部講師の指導を仰ぎながら研究実践に取り組みました。
 旭南中学校では、「自分を語り、仲間を受け止め、考えを深め合う道徳教育」を通して、「自ら考え判断し、行動につなげることができる生徒の育成」を目指しています。そこで、授業の手だてとして、対立する場面をジレンマ的に扱い、「あなたならどうしますか」と自我関与が促されることをねらいとした中心発問を作成しました。また、相手の考えに触れさせたり、自分の考えを問い直させたりするため、補助発問を投げかけるなど、発問を工夫した授業スタイルを確立しました。更に、研究授業実施後は全職員で課題を共有し、次の研究授業の「チャレンジ項目」として授業実践に生かしてきました。令和元年11月15日(金)には全担任による授業公開を行い、保護者、地域住民、市内小中学校の教職員等が参観しました。
 このような取組により、本音で話をしようという生徒や、自分がどんなことを考えているのかを見つめるようになった生徒が増えました。また、相手の立場に立って考えるようになり、相手意識をもった行動につなげることができるようになりました。そして、教職員間の対話を通して一つずつ授業を創り上げてきた結果、道徳科の授業への意識や授業力が向上するなど、教職員の姿にも変化が見られました。
 今後も「考え、議論する道徳」の実現に向けて、教職員自身も考え、議論し、授業力を更に高めるための取組を推進し、市内の小中学校に還元していきます。

【蒲郡市教育委員会】令和元年度蒲郡市現職研修活動道徳部会の取り組み

 令和元年度、蒲郡市の道徳部会は「豊かなかかわりの中で自己を見つめ、よりよく生きる子どもを育む道徳教育」をテーマに取り組みました。10月4日(金)には、中学校1年生を対象に「いのちを考える(生命の尊さ)」を主題とした授業研究会を行いました。ねらいは、主人公の姿を通して、「互いに支え合うことでいのちがつながっていることに気づき、自分のいのちと同じように他人のいのちも大切にしていこうとする心情を育むこと」です。
 日本で初めて骨髄移植を行った田中重勝さんが、骨髄提供を行うまでの心の葛藤を描いた実話をもとに2時間の授業を展開しました。第1時では、生徒たちがビデオ視聴を通して、白血病で同世代の子が死に直面していることを知り、自分たちが健康に生きていることやいのちのありがたさを感じることができました。第2時では、田中さんが骨髄提供の決断を迫られた場面において、「自分が田中さんの立場ならどうするか」について考え、「断る」「迷う」「提供する」の3つの立場に分かれて意見を出し合いました。補助発問による葛藤場面を設けたことで生徒たちは活発に話し合い、自分の考えを多面的に見つめ直し、深めることができました。その後「どうして田中さんが骨髄を提供しようと思ったのか」を考えることを通して、いのちを支えることの大切さに気づき、いのちの尊さへと思考を深めることができました。
 今後も、子どもたちが意欲的に話し合い、考えを深められるような授業の工夫を行い、道徳科の授業力の向上に向けてさらに研究を進めていこうと考えています。

【西尾市教育委員会】豊かなかかわりの中で自己を見つめ、よりよく生きる子供を育てる道徳教育 〜定番教材における多様な指導方法の研究3〜

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 西尾市では、教育研究会の道徳部会において授業研究会を行っています。令和元年度は、小学校1年生の定番教材である「くりのみ」(内容項目B 親切、思いやり)の授業を道徳部員で参観し、その後、協議会を開きました。協議会では、中心発問の後に役割演技を取り入れ子供たちに問い返したことや、最後に手紙を書かせたことが有効であったかが協議されました。主な意見として、「役割演技をすることで教室の雰囲気が変わった」「子供の発言に対して具体的な問い返しをすると、さらに子供が自分の気持ちを語りやすくなるのではないか」「発言の中で自分の思いを表すことができたので、手紙を書かせる必要はなかったのではないか」などが挙げられ、活発な協議を行うことができました。協議会後の講師による指導を含めた総括では、役割演技を取り入れることの有効性や道徳的価値を高める授業のあり方などを教えていただき、学びの深い会となりました。
 今後も、西尾市では、子供たちの豊かな心の育成に向けて、よりよい道徳科の授業実践に向けて学ぶ機会を設けていきたいと考えています。

【瀬戸市教育委員会】初任者研修における授業力向上

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 瀬戸市教育委員会では、初任者の授業力向上を図るため、市の道徳研究会に所属している教員が講師となり、「特別の教科 道徳」の授業研修を行っています。
 講師が授業者となる模擬授業では、授業の「導入」「展開前段」「展開後段」「終末」の4段階を途中で区切りながら、それぞれの場面で大切にしてほしい考え方やその技術を伝えています。児童生徒役の初任者は、自分の考えが他の子供役の意見から揺さぶられることを通して、本音が引き出される工夫のよさを体感していました。また、心の動きや状態を割合で示す心情円盤を実際に使うことによって、子供の心の状態を見える化することができ、授業で心情円盤を活用しようという意欲につながっていました。研修後に聞きたいことや相談事を講師に聞きに行く姿も見られ、充実した時間となりました。
 瀬戸市教育委員会では、各校の道徳教育推進教師を中心として道徳教育を充実させるとともに、各種研修を通して授業力の向上に努めていきます。

【豊橋市教育委員会】令和元年度豊橋市立小中学校研究部研究大会道徳研究部の取り組み

 令和元年12月18日(水)に豊橋市立小中学校研究部研究大会を開催し、道徳研究部では研究部員28名が参加し、実践発表と研究協議を行いました。
 実践発表では、「人との関わりを大切にし、自己を高めようとする生徒の育成」という道徳研究部のテーマのもと、「答えのない道徳の問題、どう解く?」を用いた中学校2年生の実践の発表を行いました。「ネット上の友だちと学校での友だち、どっちが本当の友だちって言えるんだろう」という教師の発問から、道徳資料を使って話合い活動が展開され、教師が生徒のつぶやきを生かしたり、切り返しの発問をしたりする学習活動の様子が発表されました。
 研究協議では、授業実践をもとに、「児童生徒の心に迫る授業展開」「今回の授業を『相互理解、寛容』についてより深めていく授業にするための手だて」という視点で話合いを行いました。助言者の先生からは、「子供たちの気持ちを大切にして、どんな発問で揺さぶりをかけ、本音をいかに引き出すか」について助言をいただき、今後の課題を示していただきました。これからも豊橋市では、道徳科の授業力向上に向けて、更に研修を充実させようと考えています。

【みよし市教育委員会】 子供の心を育てる教育の推進

 令和元年度は、11月20日(水)に市内小中学校の道徳教育推進教師12名が集まり、授業研修会を行いました。中3教材「足袋の季節」の授業では、「弱さを乗り越える」ことをテーマに授業が展開されました。展開後半に「自分の弱さとどう向き合うか」ということに焦点が絞られたとき、一人の男子生徒が次のように語りました。「一生抱えていくということ。自分がやってしまったことを取り返すことはできない。でも、自分の弱さから気付くことはある。自分の弱みは自分を高める糸口にもなる。でも、糸口を引っ張るだけでなく、校長先生が全校集会で教えてくれた『恩送り』のように自分がまだ他に生きている人のためにできることはある。自分がこんな経験をしたからこそ、他の人にすることでおばあさんも喜ぶ。幸せを人に広げて。結局、自分の弱さを知ることにより、相手の幸せを築くこともできるということだと思う」
「学び合い、学びを深める授業の在り方」をテーマにした研究協議会では、「生徒には力がある。その力を引き出す発問、働きかけを見つけていきたい」「校長先生の言葉と結び付けて考えるように、教材から離れ、日常の生活と関連付けて考えることは各教科での『学びを深める』と同じことであり、各教科の授業実践を道徳科の授業にも生かしたい」といった意見が出るなど、有意義な研修会にすることができました。

【あま市教育委員会】令和元年度あま市教職員研修「特別の教科 道徳」

 あま市では、あま市教職員研修において大学教授等を講師に招いた「Ama Teachers College」を開催しています。各種講座を設定し、教職員が個々で受講したいと思う講座を選択し、力量向上につなげています。
 昨年度は、8月に「特別の教科 道徳」に関する講座を2つ開講しました。そのうちの8月26日には、管内中学校教務主任を講師に招き「子供を高める道徳の授業づくり」として、教職員45人が子供たちの考えを深め広げるための方法を学びました。講座の前半では、「学びを楽しくする」をテーマに、「特別の教科 道徳」の新学習指導要領で目指すべき「主体的・対話的で深い学び」を具体的な授業実践例を聞きながら、体験的に学ぶことができました。また、後半では、具体的な教材をもとにして、ワールドカフェ方式で、意見を交換しながら授業案を考えました。誰もが目指したい「楽しい」授業を作るコツを具体的に学ぶことができました。
 事後アンケートでは、「楽しい授業、楽しい学びのためには何が必要なのかを考えることができ、とても有意義な時間となりました。道徳や他の授業づくりにも生かしていきたいです」など、今後の意欲向上につながった内容が多くありました。これからもあま市では、先生方にとって励みとなる研修機会を設けていきたいと考えています。

【小牧市立北里小学校】「ふれあい週間」の伝統とその進化形 その2

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 本校では、長年、年2回、異学年交流として「ふれあい週間」を実施してきた。児童会行事の目玉でもあるこの行事は、上下2学年の約10名の男女混合グループが1週間楽しい遊びを通して、仲を深めるものである。
 今年度は、これまでと違って毎月1回、昼放課に約30分かけて活動を行った。学年の組合せは、1年生と6年生、2年生と5年生、3年生と4年生である。「ふれ合い週間」中のプログラム例として、以下のようなものがあった。
 4月 グループの顔合わせと自己紹介、1週間の交流計画づくり、目標決め
  5月 晴天:おにごっこ 
  6月 雨天:フルーツバスケット(室内)
  7月 晴天:長縄8の字
  10月 晴天:ドッジボール
  11月 晴天:だるまさんがころんだ  
 今や本校の伝統となっている行事は、児童間に浸透するとともに、年間行事の中でも大きな楽しみの一つとなっている。「ふれあい週間」中、給食の片付けが終了するやいなや、一目散に、自分のグループが活動するふれあいの場へ向かう児童の目は、キラキラと輝き、学校中に笑顔いっぱいの活動が繰り広げられる。自然と上学年の思いやりとリーダーシップ、下学年の上学年に対する感謝の心や「いつか自分たちも」という憧れの気持ちが育っていく。
 こうした実践の積み重ねが、学級・学年の枠を超えた心のつながりを生み、良好な人間関係を育んでいるとともに、本校の落ち着いた雰囲気を醸成していると考える。また、児童間トラブルや問題行動の予防的効果に結びついているとも思われる。教師側もこうした実感のもと、伝統ある行事でありながらも、子供たちの心に寄り添い、この「ふれあい週間」をさらに発展・継続させていきたい。