【豊田市立高嶺小学校】情報モラルの授業

 本校の特別支援学級は、毎週金曜日の6時間目に、3年生以上の児童とコンピュータ室で授業をしている。児童の中には、スマートフォンを持っている児童もいる。しかし、スマートフォンの便利さや面白さばかりに目がいき、スマートフォンに潜む危険については知らない児童がほとんどである。そこで、スマートフォンに潜む危険についての理解を深められるよう、視覚的に分かりやすい動画教材を活用し、情報モラルの授業実践を行った。    
 本時の目標を、「スマートフォンのあぶないところを知り、あんぜんな使い方を考えよう」とし、有料ゲームの危険性を伝えるビデオ「無料ゲームだと思っていると・・・」と、無料通信アプリの危険性を伝えるビデオ「たった一言のちがいで・・・」のビデオを視聴して話し合った。
 「無料ゲームだと思っていると・・・」の観賞後の話合いでは、「お金がかかるものは買わないようにしたいと思いました」「自分用のスマートフォンがあると、一人でこっそりできるから止まらないかもと思いました」などの意見が出された。
 また、「たった一言のちがいで・・・」の観賞後の話合いでは、「本人はそんなつもりはないのに、仲間はずれになることもあってかわいそうだと思いました」「?やスタンプひとつだけのちがいなのに、誤解されてしまうことがあって難しいと思いました」などの意見が出された。
 今まで、スマートフォンの便利さばかりに目がいっていた児童たちが、スマートフォンに潜む危険に興味を示した。授業終了後には、児童から、「他にもどんな危険があるのか、もっと知りたいです」と伝えてくる姿が見られた。
 本時の授業を通して、スマートフォンに対する視野を広げることができた。また、動画教材をスクリーンに大きく映したことで、児童にとって視覚的にもわかりやすく伝えることができ、児童たちが前のめりで見入るほど興味・関心・意欲を引き出す教材であった。

【大府市教育委員会】道徳副読本「大府市にゆかりのある人」の編集

 大府市では、道徳において、地域に根ざした教材を副読本「大府市にゆかりのある人」として作成し、9月より各小中学校において活用されている。大府市の小中学校教員で組織する編集委員会が、昨年度より編集を進めていた。大府市にゆかりのある7人の人物の功績等を取り上げ、児童生徒がそれらの人々の思いを感じたり、考えたりできるようにしたいと考える。この副読本は、小学校3年生から中学校3年生までに配付され、年に1人を授業で取り上げる形となっている。
 また、先生方の指導の一助となるように、指導案例も作成した。さらに、写真や映像などの資料も用意し、電子黒板に映しながら授業を進めるなどの利用ができるようにしている。
 児童生徒が郷土の偉人に触れることで、郷土を愛する心など様々な道徳的価値が高まることを期待している。

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【愛西市立市江小学校】多様な考え方を認め合い、考えを深める道徳科の授業

 本校では、多様な考え方を認め合い、自分の考えを深めることができる児童の育成を目指し、発問の工夫と、自己とは異なる考え方を互いに語り合う場の工夫を行っています。
 2年生「なかよしだから」の授業では、相手のことを考えて、友達を大切にし助け合っていこうとする態度を養うことをねらいとしました。主発問を、「あなたが実君だったら、教えますか、教えませんか」とし、自分事として捉えさせることで、児童は主体的に考えている様子でした。「心情バロメーター」を使用し、全員に自分の考えをもたせ、それを互いの意見が見えるように、理由とともに板書にまとめました。「仲よくし、助け合う」という意見から一歩踏み込んで、「友達と互いに理解し、信頼し、助け合う」へつなげたいという教師の思いから、「野球のカーブを教えるのと勉強を教えるのとは違いますか」という補助発問や、友達だからこそ宿題を教えなかった実君に対して、「2人は本当の友達だと思いますか」と補助発問し、「相手のことを考える」に思いが至るように展開しました。自分とは異なる意見から学び、自分の考えがどのように変化したかを話したり書いたりできました。
 日頃、安心して自分の意見が言え、人の話を聞けるような雰囲気作りを心掛けて授業を行っています。朝学の時間を利用した「なるほどトーク」の実践等により、児童に聴く・話す態度を更に身に付けさせ、「考え、議論する道徳の授業」を目指していきたいと思います。

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【瀬戸市立效範小学校】ハッピーメッセージ

 本校では、自分のよい所や他人のよい所を聞くことで、自己肯定感を高めてほしいと願い、平成24年度から「ハッピーメッセージ」の活動を行っています。
 この活動は、友達のよい所やすばらしい所をメッセージカードに書いてポストに入れます。それを放送委員が、昼の放送で発表します。放送終了後には、メッセージカードを本人に届けます。高学年からメッセージを送られた低学年の子供たちは、とても喜んでいました。
 子供たちの自己肯定感を高めていくために、今後も続けていきたい活動です。

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【瀬戸市立品野中学校】 発問を工夫した授業実践

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 道徳科の授業を進める上で、授業者は、発問についての悩みが常にあります。そこで、一つの授業を教員みんなで考える「学び場」という機会を設け、授業者が前もって考えた発問をみんなで話し合いました。
 教材は、3年生の「父の一言」です。この教材は、「上野動植物園の臨時職員の私が、正規職員採用試験に不合格となり、挫折して郷里に帰ることになる。母は喜んで迎えてくれたが、3日目に父から言われた『・・・おまえのカワウソが寂しがっているぞ・・・』の一言で、動物を飼育する者としての責任に気づき、自分のとった行動を情けなく思い、動物園に戻る」というものです。
 この教材を通して、「父が私に対して発した言葉の意味を考えることを通して、責任をもつことの大切さを自覚し、責任を全うしようとする態度を育てる」ことをねらいとした授業展開を考えました。まず、導入では、「責任をもつことは大切ですか」と問いかけました。この発問に対して生徒は、「大切である」と答えました。次に、「あなたは自己の行為の結果に責任をもつことができていますか」とテーマ発問を行いましたが、「できていない」「場合による」と多くの生徒が答えました。これによって課題への意識付けができました。
 教材を読んだ後、「本当は私に、父は何と言いたかったのだろうか」と中心発問をしました。この発問に対して、生徒は真剣に考えていました。「責任を果たしてから帰ってこい」「仕事に責任をもて」「こんな所で自分だけ落ち込んでいないで早く帰りなさい」など、それぞれの思いを語っている姿が見られました。また、班の中で「責任ってそもそも何?」というねらいにつながるつぶやきも聞かれました。 
 最後に、道徳的判断力を育てていきたいという思いから、「自己の行為の結果に責任をもつために何が必要でしょうか」と問いかけました。振り返りには、「責任をもって行動すれば相手を傷つけないし、自分も相手も気持ちがよくなると思う」「私は、たまに自分の行為の結果に責任をもたず、理不尽なことをしてしまうことがあるので、自分のことだけでなく、周囲への影響も考えて行動していきたい」など、ねらいに迫るものが見られました。
 授業を作っていくためには、多くの教員でアイディアを出し合い、より多くの発問を考えていくことで、ねらいに迫る発問や、多面的多角的な考えを引き出せる発問が見つかっていくと実感できました。

【安城市立安城東部小学校】1年生の情報モラル

 本校では、情報教育・情報モラル教育に関する指導計画をもとに、各学年で情報モラル教育を行っています。
 6年生では、携帯電話にまつわる諸問題を知り、個人情報を漏らさない姿勢を身につけるため、「携帯・スマホ安全教室」を、毎年、開催しています。昨年度までは、6年生の保護者を対象にしていましたが、低学年でもスマートフォンを持つ児童が増えたことから、対象を全学年の保護者に広げました。 
 低学年の児童でも、携帯型ゲーム機でインターネットを通して対戦ゲームで遊んだり、自分のスマートフォンを利用して、オンラインゲームを楽しんだりする児童が少なくありません。また、少数ですが、無料通信アプリを用いて、知り合いと会話を楽しむ子もいます。そこで、1年生では、タブレットの授業のはじめに、情報モラルの時間を設け、次のことを指導しています。
1.写真を撮るとき、肖像権に気をつけること。
2.自分の写真は自由に加工してもよいが、他人の写真を勝手に加工してはいけないこと。
 授業では、友達に「写真を撮っていいかな」「こんなふうにしてみたけれど、みんなに見せていいかな」というような会話が飛び交い、タブレットで写真を撮りながら、楽しく情報モラルに親しむことができました。

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【蟹江町立蟹江小学校】スマホを持たせるのは遅い方が良い

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 6月9日の家族学級の講演会で、「スマホを持たせるのは遅い方が良い」という演題で話していただきました。依存症の専門臨床医としてカウンセリングを行っていらっしゃる立場から、スマートフォン・ゲーム障害を予防するポイントを中心に教えていただきました。
 御自身の親としての経験を踏まえて、保護者ができるスマートフォン・ゲーム障害を予防する効果的な対策としては、「できるだけ与えるのは遅らせる」しかないと話されていました。そして、「できるだけ与えるのは遅らせる」ための有効な方法としては、周囲の保護者同士で連携することを挙げていました。
 たくさんの保護者に、聴いていただきました。保護者からは、「ゲームやスマートフォンはあまりよくないと考え、なるべく制限するようにしてきましたが、より危機感をもつことができました」「みんなが持っていると言うから仕方なく与えるのではなく、理解ある人たちだけでも協力し合い、スマートフォンを与えない仲間を作ります」「中学生の子供には、もう与えてしまっているので、今後、使い方や制限を改めて考えていきたいと思います」などの感想をいただきました。
 本年度も、1月には、高学年児童を対象に「情報モラル教室」を実施します。今回の保護者への講演を踏まえて、スマートフォン・ゲームの脳に対する影響やスマートフォン・ゲーム障害の危険性なども学ばせる内容を考えていきたいと思います。

【豊山町立新栄小学校】スマホ・ケータイ安全教室

 現在、インターネット利用やSNS、コミュニケーションアプリなどが身近になり、これらのツールを介しての児童のトラブルが懸念されています。そのため、本校では、情報モラル教育の一環として、毎年、「スマホ・ケータイ安全教室」を学校公開日に実施しています。今年度は、5・6年生向けの「スマホ・ケータイ安全教室」に加え、子供たちの周りをとりまく課題とその対策について知っていただくために、保護者向けの教室を後半に設けました。
 5・6年生受講の教室では、スマートフォンや携帯電話を正しく使うために必要なことや、SNSなどを使用した情報公開の危険性について学びました。さらに、事例をもとに、文字だけのやりとりでは、人によって言葉の使い方や受け取り方が違うことからトラブルになってしまうことについて考え、理解を深めました。
 保護者向けの教室では、段階的に使わせることで、ネットリテラシーを高めていくことが重要だと言われていました。その中で、フィルタリングサービスの利用やルール作りとそのポイントなど、使い方について家庭で話し合うことが有効であるということを改めて確認することができました。また、スマートフォンや携帯電話の危険性とその対応について知っていただくとともに、使い方について改めて考えるよい機会となりました。

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【豊川市立小坂井中学校】道徳科の授業実践「本当の友情とは」

 本年度より、中学校で道徳の教科化がスタートしました。本校でも、教科化にあたり「考え、議論する道徳」を大切にして授業を行っています。
 本校の2年生は、「みんなでとんだ!」の教材を通して、「本当の友情とは何か」を考える授業を行いました。運動をすることが極度に苦手な生徒(矢部ちゃん)に対し、「長縄大会の本番で一緒に跳ぶか、応援してもらうのか」を考える学級会の場面を中心に、教科書では取り上げられています。
 本文を途中まで読んだあと、「もしも自分だったらどうするか」という課題を考えました。生徒からは、「どうしても決めなきゃいけないの」「難しい」などの声が上がりました。しかし、実際の学級会であれば、決断する必要性があります。自分自身の思いと向き合いながら、課題について考えました。黒板にそれぞれの考えをまとめる際、「入れる」「入れない」の思いを左右の矢印に、さらに「矢部ちゃんのため」「学級のため」という考えを上下の矢印にして、構造的に考えられるようにしました。それぞれの微妙に違う思いから、多様な価値観を知ることができました。
 振り返りでは、「実際の場では悩むと思うし、難しいです」「矢部ちゃんのために入れる気持ちも分かるし、入れない気持ちも分かった」など、自身の思いを語るものが多くありました。いろいろな価値観を知る、有意義な時間となりました。

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【みよし市立三好中学校】地域とつながる温かい三好中学校区

 本校では、生徒会活動で「HAPPYプロジェクト」という取組をしています。ふだん伝えられない「ありがとう」の気持ちを専用の用紙に書いて、BOXに投かんし、掲示板で紹介しています。まわりの仲間のよさに気づき、感謝の気持ちを育むことをねらいとしています。書いた人も、もらった人も、掲示板で見ている人も、感謝の温かい気持ちに触れられるよい機会となっています。平成29年度に始めた取組も第9期となり、学級・学年を超えてメッセージを送り合う姿が増えています。
 この活動のよさを地域にも広げたいと、「地域HAPPYプロジェクト」を実施しました。地域の図書館、児童館、集会場などに専用BOXを置かせてもらい、地域とのつながりに目を向けたHAPPYを募集しました。様々な世代の方から100枚を超えるメッセージをいただき、朝すれ違う地域の方、交通当番の方、ジュニアクラブの方、小学生、読み聞かせボランティアの方など、いろいろな地域の方への温かいメッセージが集まりました。この活動を通して、地域で支えてくださっている方の存在に気づき、校内でもその方たちへの感謝の気持ちを改めて感じることができる活動となりました。今後も、互いのよさを認め合い、思いを伝え合える温かい学区を目指していきます。

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【幸田町教育委員会】幸田町教員夏季研修会「こうた夏塾」

 幸田町では、毎夏、「教育力を高める具体的実践」について研修を行い、授業力向上を図るため、「こうた夏塾」を開催しています。今年度は、「特別な教科 道徳」について研修を深めました。
 研修会では、「新しい道徳科に求められる具体的な授業づくり」と題し、西尾市立西野町小学校長の石川雅春先生にお越しいただきました。石川先生が、小学校高学年の2学期に使われる「ブランコ乗りとピエロ」を教材に、2種類の模擬授業をしてくださいました。参加した教員が、生徒役となって進められた模擬授業では、石川先生の発問や板書、授業の流れなどから、「特別な教科 道徳」における具体的な指導のポイントや授業のイメージを学ぶことができました。また、事前にまとめた「道徳の授業づくりでの悩みや困っていること」に対しても、石川先生から丁寧にそして的確に御指導をいただきました。参加した教員から、「2学期からの実践にすぐに生かすことができそうだ」という感想がありました。

【豊田市立中山小学校】ピンクシャツデー

 9月26日、第一回中山小「ピンクシャツデー」がありました。カナダで始まった、いじめ反対運動である「ピンクシャツデー」の参加を通して、いじめ撲滅の意識を高め、相手を思いやる心を醸成しています。
 児童も教師も、思い思いにピンク色のTシャツや小物を身につけ、いじめは許さないという気持ちの連帯感を高めました。ピンク色の物がない場合は、名札にピンク色の丸シールを貼り、同じ気持ちだということを示しました。「ピンクシャツデー」の運営に携わった運営委員は、数週間前から広報に使うポスターなどを作成し、準備を進めてきました。そして、第一回の「ピンクシャツデー」を無事に迎えることができました。ある運営員は、「始まるまでは、ドキドキしていたけれど、始まってみたら、ピンク色の物を身につけてくれる子も多くて、うれしかった。これからもいじめはいけないと思い出せるように、『ピンクシャツデー』を続けていきたい」という感想をもちました。これからも、いじめ撲滅の意識を高めるために続けたいと思います。
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【安城市立安城西中学校】より深い学びを目指して

 本校は、今年度、愛知県教育委員会より「道徳教育の抜本的改善・充実にかかる支援事業」の一環として、研究実践校に指定されました。そこで、道徳科において、「自分の思いや考えを伝え合い、物事を広い視野から多面的・多角的に考え、人間としての生き方について考えを深める生徒」をテーマに、研究を進めています。素直に自分の思いを表現できる生徒が多く見られるため、自分の思いを書きとめる時間を確保し、話合いにつなげています。発問を工夫し、生徒の発言に応じて問い返しや切り返しを行うことで、より深い学びを目指しています。また、内容項目について、授業の初めと終わりに問うことで、考えの変容に気づけるようにしています。
 9月に、2年生で実践した「松葉づえ」では、思いやりについて考えました。授業の始めでは、思いやりとは「困っている人を助けること」と考えていましたが、授業の終わりでは、「相手が必要とするときに必要な分だけ助けること」「自分がいいと思ったことではなく、相手がいいと思うことをすること」と考えを深化させることができました。松葉づえをつく級友に対して、先回りして助けていた人が、自分の都合が悪くなると助けるのをやめてしまうところを取り上げ、生徒が初めにもった考えと比較して、「困っている人を助けているけれど、この人には思いやりがないということ」と問い返すことで、自分本位の手助けでは意味がないことに気づき、考えの深化につながりました。以下は、生徒の振り返りです。
・積極的に助けるもの思いやりだと思うけれど、相手の気持ちを考えて様子を見るのも思いやりだと思いました。
・自己満足な優しさは思いやりではないと思いました。相手の気持ちを尊重しながら生活できるようになりたいです。

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