【豊田市立稲武中学校】モラルジレンマ資料から考え議論する道徳へ

 本校では、4月の授業参観で、全学年での道徳科の授業に取り組みました。1年生では、「全てがリオでかみ合った」、2年生では、「ガレキの中の決断」、3年生では、「心にしみこむ言葉の力」という資料を扱いました。ここでは2年生で行った道徳について紹介します。
 本資料は、災害時にお年寄りと少女、どちらの命を優先的に助けるかを迫られたレスキュー隊員の葛藤を描いたものです。「あなたならどうしますか」という問いかけに、生徒の意見は半々に分かれました。「おじいさんは呼びかけに反応がないから、急いで助けた方がよい」「娘さんは、話ができるから必ず助けてあげたい」「それでも目の前の命を見捨てることはできない」とそれぞれの立場の意見で話合いは進んでいきました。話合いの後半では、「命に軽重はないけれど、命を選ばなければならないときもある」という命の価値に迫る発言も見られました。
 授業後のワークシートには、「被害を受けている人だけでなく、その家族のことも考えて行動すべきだと感じた」など、広い視野で命について見つめ、新たな考えを獲得することができた生徒もいました。生徒同士、お互いの意見を尊重し合いながら、本当に大切なものは何かを考え、話合う授業を展開することができました。

【豊田市立若園中学校】写真や動画が流出するトラブルや犯罪に巻き込まれないようにするために

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 本校では、中学校3年生の生徒を対象に、写真や動画が流出する怖さについての情報モラル教育を行いました。事前アンケートによると、9割以上の生徒が家庭でインターネットを使用しており、自分の個人情報はネット上に載せないようにしたり、怪しいサイトは閲覧しないようにしたりすることで、ネット被害に遭わないように注意していることが分かりました。
 本授業では、性的な写真が流出してしまった事案について、このような問題が起きてしまった原因や、登場人物はどう行動すべきであったかを考えることで、被害者だけでなく加害者にならないようにしようとする態度を養うことを目標としました。文部科学省の動画教材を使用することで、具体的な事例について考え、仲間と積極的に意見交流する姿が見られました。
 授業の振り返りでは、「写真は、周りを見て撮ってもいいか確認する」「撮られてしまったら広がらないように、すぐ消してもらう」「いつ自分が『加害者』『被害者』になってしまうか分からないから、少しでも不安になったら親などに相談する」など多くの意見がありました。授業を通して、万が一起きてしまった場合の具体的な行動や対策について考えることができ、被害者だけでなく加害者にならないようにしようという意識を高めることができました。

【豊田市立上鷹見小学校】節度ある生活について考えよう

 4年生になって2か月が過ぎ、新しい生活にも慣れてきたこの時期に、道徳科の授業で、「目覚まし時計」を題材に取り上げ、規則正しい生活をするためにはどうしたらよいかを考えました。
 子供たちは、自分が決めためあてがだんだんと守れなくなっていく主人公について、「すごくよくわかる」「僕もそういうことあった」と自分の生活を振り返っていました。そして、めあてが守れなくなっていくことに対して、主人公がどのように感じているかを考え、「やろうと思ったら、いつでもできるから大丈夫」「何とかなる」と共感してる様子が見られました。それでも、話合いを通して、めあてが守れずに生活が乱れてしまうと、周りに迷惑をかけてしまったり、体調を崩していやな思いをしてしまったりすることに気付きました。そして、「規則正しい生活を続けるのは難しいけれど、やっぱり決めたことはきちんと守っていきたい」という気持ちになり、そのために自分がしていきたいことをワークシートに記入しました。
 今回の実践では、主人公と自分が似ている部分があることで、自分のこととして考えていくことができました。これからも、いろいろなことを自分のこととしてとらえ、考え、話し合っていくことができる授業をしていきたいと思います。


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【豊田市立山之手小学校】学校とPTAと保健委員会との連携による「心のオアシス活動」

 「いのちを大切にする子」を育てるためには、まず子供たち一人一人が自分を好きになることから始まり、それが自分を大切にすることにつながる。そして、自分を大切にすることができるからこそ、人に対する思いやりをもつことができる。これらの考えを基に、本校では、「オ=大人も子供も」「ア=温かい心になれる」「シ=幸せな気持ちになれる」「ス=素敵な言葉」という願いを込めた「心のオアシス」活動を行っている。この活動は、学校とPTAと保健委員会が連携して行っているもので、「ありがとう」「すごいね」「ごめんね」「がんばったよ」の四種類のメッセージカードに、児童、保護者、教職員が、思い思いにメッセージを書き、感謝の気持ちやよいところを伝える活動である。授業参観、運動会、学芸会などの行事のときには、特設コーナーを設置し、多くの保護者からメッセージが寄せられている。寄せられたメッセージを見る子供の表情は皆明るく、子供が行事を終えた達成感を味わうことの一助となっている。
 今後も、子供たちの心が温かく素直になるよう、この活動を継続していきたい。
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【安城市立三河安城小学校】響かせようあいさつ 伝えよう感謝の気持ち

 本校では、「笑顔あふれる三河安城小 〜響かせようあいさつ 伝えよう感謝の気持ち〜」をスローガンに、様々な活動を行っています。毎年、6年生の学級委員や執行委員を中心に、あいさつを広げる取組をしています。その中の一つが、6年生がおこなった感謝の気持ちを伝える活動です。
 昨年度、「感謝の銀河」と題して行った活動では、児童集会で、「うれしいことをしてくれた人たちや、よい行いをした人たちに感謝の気持ちを伝えよう」と6年生が全校生徒に呼びかけました。うれしかったことや、よい行いを星の形に切り抜いた紙に書き、昇降口前に置かれたボードに貼りつけていきました。感謝の言葉が書かれた星のカードがボードに貼られ、すてきな銀河の形ができあがりました。視覚的にも達成感を得ることができ、校内は感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 本年度は、原点回帰をして、更に充実した「あいさつ活動」に取り組んでいます。「笑顔で」「聞こえる声で」「目を見て」「自分から先に」あいさつができるようにと、6年生の学級委員や執行委員が、「児童集会」で呼びかけました。また、通学班長にアンケートをとり、あいさつのできていた児童がどのようによかったか聞き、そのよかったところを昼の放送で全校に紹介し、広げる活動も行っています。
 今後も、この活動を継続し、あいさつと感謝の言葉が響きわたる学校にしていきたいと思っています。
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【豊田市立竹村小学校】自分の作品 友達の作品を大切に

 本校では、1年生の図工の時間に、著作権に関する授業を行いました。
 著作権について学習するにあたり、自分たちが描いた作品の「がんばりポイント」をカードに記入し、ペアで発表をしました。
 子供たちは、自分の作品のよさを自分の言葉で表現し、作品への思いを伝えようとします。それを互いに聞き合うことで、友達の作品のすてきなところを見つけたり、友達も同じように自分の作品を大切にしているということに気付いたりできると考え、実践をしました。
 子供たちは、自分の作品にも、友達の作品にもそれぞれに込められた思いがあることに気付き、それを大切にしていきたいと考えることができました。

【豊川市立小坂井西小学校】 一人一人が主人公

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1 誕生日集会で、一人一人が主人公
 本校では、本年度から計画委員(児童会)が中心となって、「誕生日集会」を始めました。これは、毎月1回、当月の誕生日に該当する児童を、全校で祝うという内容です。ステージに上がって、紹介されるのは児童だけではなく、教員も一緒に登壇して祝福される集会です。全校でハッピーバースディの合唱や手作りの首飾りのプレゼントを贈られ、最後は花のアーチを通って退場します。全校が祝福ムードに包まれ、和やかな集会となっています。一人一人が主人公となり、自己肯定感を育む場にもなっています。

2 ペア学級との交流を深めて
 1年を通して、1年生と6年生、2年生と4年生、3年生と5年生でペアをつくり、交流をしています。1学期の初めに、お互いの名刺を交換し、「なかよしふれあい集会」では、それぞれのペアで活動します。このペア学級の交流を深めるために、昼休みに「なかよしタイム」という時間を設けています。下級生を楽しませるために、上級生たちはいろいろな遊びを用意して、遊んでくれます。ペアの子と仲を深めるよい機会となっています。

【豊田市立広川台小学校】 正しい生活リズムのために 〜メディアコントロール〜

 携帯電話やゲーム機などメディアを使うことが、小学生にとっても当たり前の時代になってきました。実際に、本校の児童も毎日のようにテレビやゲーム、携帯電話などを使っている児童が多くいました。そこで「正しい生活リズムで過ごすためにどうすればよいか」について、道徳科の教科書「カスミと携帯電話」の教材を活用して、話合いをしました。

(教材の内容)
 カスミは、友達のレイナと夜遅くまでメールでやり取りをしていた。メールがとても楽しくて、ついつい「今日はもうやめよう」という言葉を言い出せない。夜ふかしが何日か続いたある日の全校集会の最中に、レイナが倒れてしまった。レイナの疲れ果てた表情を見て、カスミは、お母さんに携帯電話を返す決断をした。

(授業の様子)
 「カスミが、携帯電話を返したことについてどう思うか?」についてみんなで話合いをしました。多くの児童は体調が悪くなってしまうから「返すべき」という意見でした。一方、家族でしっかりと話し合い、ルールを守って使うことができれば「返さなくてもよい」という意見も出てきました。話合いを進めていく中で、二つの共通点が見えてきました。
1.メディアを正しく使うには、楽しい気持ちに流されない強い意志が必要である。
2.一人でルールを決めるのではなく、家族とみんなで十分に話し合い、ルールを決め、そのルールが守れるように、家族みんなで協力することが大切である。
 今回の授業を通して、メディアとの正しい付き合い方について考えることができました。

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【一宮市立西成東小学校】ペア学年で取り組むあいさつ運動

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 本校では、児童会が主体となって行う「あいさつ運動」に加え、全校児童で参加できる取組として、異学年の児童がいっしょになり、「ペアあいさつ」を行っています。ペアあいさつを行う2学年は、首からペアあいさつ用の名札をかけて、休み時間にペア学年で校内をまわり、すれ違う児童にあいさつをしていきます。ペアの児童で手をつないだり、話をしたりして交流を深めながら、一緒にあいさつをして、あいさつへの意識を高めるとともに、笑顔を増やしていくことができました。また、児童会から提案された「あいさつポーズ」があり、あいさつの後、楽しそうにポーズをとっていました。
 児童は、「ペアの子と一緒にあいさつができて楽しかった」「1人であいさつをするよりも、大きな声を出すことができて気持ちがよかった」と話しており、とても満足そうに教室に戻っていました。
 期間中だけでなく、教職員から進んで笑顔であいさつをし、あいさつと笑顔があふれる学校を目指していきたいです。

【一宮市立朝日東小学校】「見守り隊」との顔合わせの会

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 現在では、地域の方が登下校の見守りをしてくださる地域が多い。本校でも、地域の方が「見守り隊」として児童の登下校の安全を見守っている。
 一方で、地域の方と児童との関わりが希薄になってきており、お互いの名前を知らないでいることが多い。そこで、本校では、「見守り隊との顔合わせの会」を行い、お互いに身近に感じられるようにしている。
 児童は、見守り隊の方からあいさつをされたり、声をかけてもらったりすることで、元気よく登下校ができている。一方、見守り隊の方も、児童のあいさつの声で元気をもらっているとおっしゃっている。
 これからも、見守っていただいていることへの感謝を忘れず、元気なあいさつや安全に気を付けて登下校することで、見守り隊の方への感謝を伝えていきたい。

【蒲郡市立蒲郡中学校】言葉にそえて 言葉おしみ

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 昨年度の文化祭では、大好きな蒲郡中への思いを歌にした「蒲中ソング」を生徒と職員で創作し、全校で肩寄せ合って歌うなど、温かな学校を作ってきました。今年度は「心〜熱く温かく〜」の生徒会スローガンのもと、更に温かみのある学校をつくろうと日々奮闘しています。
 本校には、あいさつが自然にできる生徒が多くいます。すれ違う友達、教師、地域の方に出会ったとき、あいさつが当たり前にできます。しかし、その反面、「おはよう」「さようなら」という言葉を発することが目的となってしまい、心がこもっていないのではないかと感じられることもあります。そこで、あいさつについてもっと深く生徒たちに考えてほしいと考え、5月7日に3年生の「言葉にそえて 言葉おしみ」(内容項目:礼儀)というあいさつについて考える道徳科の授業実践を行いました。資料の作者が体験した「病院の待合室で名前を呼ばれても返事をしないのはなぜか」という内容や「電車内で席をとっさに機械的に譲った私と、それを、言葉を発さずに断った男性」のことを扱った「言葉おしみ」を教材として授業を展開しました。
 生徒たちは、病院の待合室の話で、「自分だけ声を出すのは恥ずかしいから」「病院は静かにしなくてはいけないから」といったことを答えました。多くの生徒が病院の待合室での返事を必要だと考えてはいませんでした。そこで教師が、「学校では名前を呼ばれたら返事をするのは当たり前にしているのに、どうしてなのだろう?」と切り返すと、「確認だけのものなので、返事をする必要性がないから」という返答の生徒もいました。病院に限らず自分の名前を呼ばれたときの自分の在り方について話し合った後の振り返りでは、「病院では静かにする」という多くの意見の中に、「学校で返事しているのにしないのはやはり違和感がある」という意見もありました。そして、「返事をして、呼んでくれた人へ心で応える」という温かい考えを記す生徒が増えました。
 この「言葉おしみ」の教材から生徒たちは、どうしてあいさつをするのか、どうして返事をするのかということを考えることにつながりました。授業のまとめでは、「あいさつは心を込めてこそ意味がある」と口にした生徒もいました。これらの言葉から、この授業の実践で生徒たちは、形と心の一致したあいさつの大切さ、そして、時と場に応じた行動について考えることができたと感じられました。
 今後は、これからの道徳科の授業で、更に生徒の本音の部分を掘り起こすことをしていきたいと考えています。心が揺れる教材を扱っていき、一人一人がきちんとした倫理観を培ってほしいと願っています。

【幸田町立幸田中学校】 心のバリアフリー

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 全校道徳として取り組んだ「心のバリアフリー」の実践です。車いすヒッチハイカーの寺田ユースケさんを講師にお招きし、「車イスで生きていく! 自分らしい生き方の見つけ方」という演題で講演をいただきました。ハンデを負い、挫折を味わいながらも、前を向いて生きてきた寺田さんの生き方から、生徒自身が自己について見つめ直す機会となりました。寺田さんの穏やかな人柄に多くの生徒が引き付けられ、会場全体が温かい雰囲気に包まれました。また、質疑応答の時間には、母親から車いすを勧められたときの気持ちや、人生において選択を迫られたときにどのよう対処したらよいのかなどの質問が出ました。生徒たちの質問に対して、真摯に受け答えをしていただきました。振り返りには、「寺田さんのように自分らしく生きたい」といったものがありました。