校長式辞です。

＜式辞＞
　満開の梅の香に春の息吹を感じるこのようなよき日に、多数のご来賓の方々並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、本校第五十三回卒業式を挙行できますことを、心より感謝申し上げます。
　
　保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。立派に成長されたお子様の姿に、感慨無量のことと存じます。これまでの三年間、陰になり日向になって、お子様を育み、支えてこられた保護者の皆様に、改めてお喜び申し上げるとともに、本校の教育活動に賜りましたご理解とご協力に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
　　
　さて、九十四名の卒業生のみなさん、卒業おめでとう。今、みなさんが手にした卒業証書は、成長の証でもあります。私は、みなさんと共にこの南陵中に赴任し、三年間一緒に過ごしました。今こうしてみなさんの顔を見ていると、三年間の思い出と共にみなさんの確かな成長を感じることができます。
　
　三年前、私は正門の桜の前で「南陵中でがんばろう」と決意しました。みなさんも同じ思いで入学してきたのではないでしょうか。

　入学したばかりのみなさんはかわいく、元気なあいさつをし、人なつっこいところがありました。幼さも残っており、心配なこともたくさんありました。しかし、学年を追うごとに、心も体も大きく成長し、安心して南陵中をまかせられるようになりました。
　
　私が入学式のときに「中学校の生活では、自ら学んでいく姿勢が大切で、いろいろなことに挑戦してください」と話したことを覚えていますか。この三年間で多くのことに挑戦し体験をして、物事をやり遂げたときの充実感や満足感を味わうことができたのではないでしょうか。
　
　二年生のキャンプで旭高原へ行き、みなさんは元気がよくて、高い崖をよじ登ったり、坂を滑り降りたりして、私ははらはらどきどきの連続でした。しかし、キャンプファイヤーは、学年みんなで盛り上がり、思い出に残るものとなりました。
　
　三年生の修学旅行では、全員が参加して湯島天神でお祓いをしてもらいました。今無事に卒業式を迎えることができたのは、御利益があったのだと信じています。そして、部活動に一生懸命取り組む姿や最後の南陵祭で最高学年として活躍する姿に感心しました。また、南陵中として五十三年たった今年度は、大規模改修工事が行われ、校歌の一節に「丘の上の白い校舎」とあるように校舎が白くきれいに塗り替えられました。愛校作業では、下駄箱のペンキ塗りなどの環境整備をしっかりと行いました。南陵中や後輩のために、人のために汗を流すみなさんの姿を見た後輩たちも南陵中をよりよい学校にしてくれることでしょう。
　
　校訓「命を大切にし　頭を使い　汗を流す生徒」を基盤として、「あいさつをする」「話をよく聞く」「汗を流す」の三点に力を入れて話をしてきました。社会に出ても必要なことで、みなさんはそんな私の思いを汲んでくれました。本当にありがとう。

　中学生活では楽しいことも辛いこともあったと思いますが、みなさんのことをいつも見ていました。見守っていました。みなさんが、ここまで成長することができたのも家族や先生、地域の方々のおかげと感謝の気持ちを忘れず、命を大切にして、常に目標をもち、努力をし、多くのことに挑戦してください。どんなときでもあなたは一人ではないのです。必ず誰かがあなたを温かく見守っています。「いつも見ています！見守っています！」
　
　最後になりましたが、ご来賓の皆様、本日はご多用の中をご臨席賜り、式に花を添えていただきました。本当にありがとうございました。
　今後、卒業生が地域の一員として立派な大人に成長できますように一層のご指導ご鞭撻をお願い申し上げ、私の式辞といたします。

　平成二十八年三月四日
　　　　　　　　常滑市立南陵中学校長
　　　　　　　　　　　　永　井　典　子