最新更新日:2024/04/23 | |
本日:3
昨日:260 総数:661525 |
ちょっといい話 3月24日
泣ける映画と本のホームページより
母の席 私が小学校5年生の担任になったとき、クラスの生徒の中に勉強ができなくて、服装もだらしない不潔な生徒がいたんです。その生徒の通知表にはいつも悪いことを記入していました。 あるとき、この生徒が1年生だった頃の記録を見る機会があったんです。そこには、「あかるくて、友達好き、人にも親切。勉強もよくできる」そんなはずはない、あきらかに間違っていると思った私は、気になって2年生以降の記録も調べてみたんです。2年生の記録には、「母親が病気になったために世話をしなければならず、ときどき遅刻する」。3年生の記録には、「母親が死亡、毎日悲しんでいる」。4年生の記録には、「父親が悲しみのあまり、アルコール依存症になってしまった。暴力をふるわれているかもしれないので注意が必要」。…私は反省しました。今まで悪いことばかり書いてごめんねと。 そして急にこの生徒を愛おしく感じました。悩みながら一生懸命に生きている姿が浮かびました。なにかできないかと思った私はある日の放課後、この生徒に、「先生は夕方まで教室で仕事をするから、一緒に勉強しない?」。すると男の子は微笑んで、その日から一緒に勉強することになったんです。 6年生になって男の子は私のクラスではなくなったんですが、卒業式の時に「先生はぼくのお母さんのような人です。ありがとうございました」と書かれたカードをくれました。 卒業した後も、数年ごとに手紙をくれるんです。「先生のおかげで大学の医学部に受かって、奨学金をもらって勉強しています」。「医者になれたので、患者さんの悲しみを癒せるようにがんばります」。そして、先日私のもとに届いた手紙は結婚式の招待状でした。 そこにはこう書き添えられていました。 「母の席に座ってください」 |
犬山市立楽田小学校
〒484-0858 住所:愛知県犬山市字城山97番地 TEL:0568-67-1005 FAX:0568-69-0335 |